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サイクル ロードレース コラム 2015年5月17日

ジロ・デ・イタリア2015 第8ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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25歳の若者は、自らの選択を悔やむことになる。ゴール前3.5km、インサウスティは、突如として背後から飛び出した。フレッシュな体力で、山頂まで一気に駆け上がった。

「もしかしたら、もう少しうまくやれたのかもしれない。経験不足によるミスだね。この失敗を、将来の教訓としたい」(レイヘンバッハ、ゴール後TVインタビューより)

インサウスティにとって、5月のレースは、少々特別なものだ。2011年5月23日、自らの目の前で、親友のシャビエル・トンドが命を落とした。2年前は、5月21日に、第16ステージを勝ち取った。「2日後がトンドの命日なんて、なんだかすごく特別な気がする」としみじみ想いにふけった。そして今日は、フィニッシュラインを越えながら、指をエックス(X)に交差させて――シャビエルの頭文字だ――、天国の友へ投げキッスを贈った。

「この勝利はシャビ・トンドと、亡き祖父に捧げたい。きっと高いところから、僕らをいつも見守っていてくれてるんだよね。この先は、1日1日走っていく。なにより、今日、新しい目標ができた。本当にワクワクしているよ。山岳ジャージだ。最終日まで守り切ることができたらきっと素敵だろうね。ミラノまで着続けるためには、多大なエネルギーを要することは分かってる。まだまだ先は長い」(インサウスティ、チーム公式HPより)

まだ先は長いから、誰か他の選手にマリア・ローザを一旦譲りたい……、なんて第5ステージ後に語っていたコンタドールは、今日のエスケープには最大10分のリードを与えた。おかげで総合で5分10秒遅れにつけるプリジミスラウ・ニエミエツが、暫定マリア・ローザに立った。ティンコフ隊列はただ淡々とリズムを刻み、タイム差を静かにコントロールし続けた。

ゴールまで残り85kmに差し掛かると、NIPPO・ヴィーニファンティーニが追走作業を買って出たことも。日本の石橋学を含む4人が、プロトン先頭に進み出た。小さなプロコンチネンタルチームは、そこから約35kmに渡って、最前線で存在感をアピールし続けることになる。残念ながら、タイム差は、まったく縮まらなかったけれど。

痺れを切らしたのがアスタナだ。第1中間ポイント以来、ファビオ・アルの総合の遅れは、2秒から4秒へと広がっている。それに、ほかの誰かに、ピンク色のジャージを、簡単に手渡したくはなかったはずだ。水色の戦士は追走を始めた。それから、ラスト30kmのアーチをくぐり抜ける頃には、9人全員が猛スピードでペダルを回していた。

最終峠に入っても、アスタナの勢いは衰えなかった。パオロ・ティラロンゴが集団を小さく切り刻み、さらには坂道スプリントで仕事を締めくくると、ラスト5kmで、アル自らが動いた。リーダーのアタックに、山岳アシストのミケル・ランダが同伴した。コンタドールはほんの一瞬出遅れるものの、きっちりと追いついた。リッチー・ポートとリゴベルト・ウランも問題なくついていった。

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