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サイクル ロードレース コラム 2021年3月25日

【ボルタ・ア・カタルーニャ 第3ステージ:レビュー】アダム・イェーツが超級山岳バルテル2000を連覇「今日の僕には突き進むだけの十分な勢いがあった」

サイクルロードレースレポート by 福光 俊介
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プロトン

プロトン

イネオス・グレナディアーズといえば、前身のチームスカイの時代から、プロトンの主導権を握ってレースをコントロールするのが代名詞だった。しかし、この日の彼らはまた違ったスマートな戦いぶりだった。確かに、バルテル2000の上りに入る頃には集団前方を固めていたが、レースを支配したのはその上りだけだ。

さらには、アダムが飛び出してからはポートとトーマスが次の展開に備えるべく好ポジションを確保。もしアダムが集団へ引き戻されても、次、また次と攻撃できる態勢を整えていた。

勝ったアダムが認める。「4枚のカード(アダム、ポート、トーマス、カラパス)があって、そのどれかに効果があればよかった。僕たちはうまくプレイすることができたし、パーフェクトなレースができたと思う」。

この先、複数枚の“カード”を有効に使いながらの戦いが彼らの基本戦術になっていくのだろうか。レースのたびにエースクラスを何人も配備して、どこからでも勝てる状況を作り出していく。タレントぞろいのイネオス・グレナディアーズだからこそ成せる戦法といえるが、真相は果たして。チーム力の高いライバルに主導権を握られることが多くなっていた彼らだけに、新たな戦い方を考えていることは間違いないだろうけれど。

このステージを終えてリーダージャージに袖を通したアダムに続き、ポートが45秒差で個人総合2位につけた。さらにトーマスも53秒差の4位。今後の展開次第では、総合表彰台独占なんてことも十分にあり得る流れになりつつある。そして、残るステージでも「新戦術」が稼働するならば、アダムの首位に固執せず、チームの誰かがリーダージャージを着ていればOKという考え方で戦いを進めていくことだろう。

第4ステージは、3つの上級山岳が待ち受ける今大会の最難関。優位に立ったイネオス・グレナディアーズの方向性を確認するには絶好の機会になりそうだ。合わせて、一矢報いようと奮起するであろうアルメイダやバルベルデらのチャレンジにも期待したい。

文:福光俊介

福光 俊介

ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う

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