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【パリ~ニース 第3ステージ:レビュー】22歳の新鋭シュテファン・ビッセガーがWT初勝利&リーダージャージ!「勝てる可能性さえあると分かっていた」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかレミ・カヴァニャにとっては、またひとつ新たな失望が増えた。昨夏念願のフランス国内選TTを制した後、常に「TTを勝ちに行く」と周囲に宣言するが、いまだ仏チャンピオンジャージ姿で勝利を手にすることができずにいる。「クレルモンフェランのTGV」はこの日も野心的に大ギアを回した。ログラの記録を、約6秒も塗り替えた。
...しかし4人後に出走したビッセガーに、あえなく首位の座を奪われた。わずかコンマ83秒差で!
「コンマ差で負けるなんて、腹が立つよ!でもいい走りが出来たし、そのことに関しては満足だ。あちこちでタイムを失ったことはよく分かってる。特に最終コーナーの直前に前走者に追いついたから、そこで予定よりブレーキをかける必要があったんだ。でも、これが、自転車レースなのさ」(カヴァニャ)
マイケル・マシューズ
またビッセガーの3人後に走ったブランドン・マクナルティは、暫定首位に立つ機会こそなかったものの、最終的に区間5位の快走。スプリンターの多くがのんびり流し気味に走ったのに対して、この日最後に出走した2人の俊足、マッズ・ピーダスンとマイケル・マシューズは気迫を見せた。残念ながらマシューズはわずか1日で黄色いジャージを脱ぐ結果となってしまったけれど、総合ではいまだ9秒差につける。
こうして並み居る有力者を押しのけて、「プロ入り後」初めての勝利&リーダージャージを一挙に手に入れたビッセガーだが、プロレベルでの栄光は初めてではない。2019年、母国スイスの育成チーム「スイス・レーシング・アカデミー」に所属していた際に(2020年からはあのファビアン・カンチェラーラがアドバイザーとしてチーム参画)、ツール・ド・ラン初日の集団スプリントでプロたちをまとめてなぎ倒した。しかも同大会のジャージも黄色だから(少々トーンは違うが)、マイヨ・ジョーヌは初体験ではないのだ!
個人タイムトライアルの高い才能も、すでにあちこちで披露していた。昨秋プロ転向直後のブリンクバンク・ツアーでは、約8kmの全力疾走で、クラーウアナスン、世界選個人TT銅メダルのシュテファン・キュンクに次ぐ3位に食い込んだ。今2月のUAEツアーの、13kmの平坦TTでは、現世界王者ガンナに次ぐ2位だった。
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