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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 レースレポート:第4ステージ】ウフルパック7人の恐ろしい進撃!スペインでの栄光に酔いしれたベネット「素敵な気分だよ」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかさらにステージ序盤のちょっとしたアップダウンを抜け出して、いかにもスペインらしい、360度をぐるりと見渡せる雄大な荒野の一本道に差し掛かると..プロトン内にじわじわと緊迫感が充満していく。はるか向こうの地平線上には、巨大な風力発電タワーが立ち並び、タービンがくるくると勢い良く回っている。とうとう残り100kmを切った直後に、モヴィスターが最前列へと競り上がった。すでに十分すぎるほど高速で走っていたというのに、さらに一段ギアを上げた!
すぐにプチン、とは行かなかった。しかしモヴィスターは執拗に加速を続けた。長く、細く、集団は延びた。タイミング悪くユンボ・ヴィスマの数人が後方に下がっていたせいで、ログリッチの警護が手薄になっていたのに気がついたせいだろうか。アスタナとイネオスもスピードアップに手を貸した。もちろん逃げ集団との距離はまたたく間に縮まっていく。
ところが10kmほど行った先で、悪だくみは打ち切られた。黄ジャージ軍団がまるで問題なくマイヨ・ロホを連れ前に居場所を確保したせいであり、なにより「風は考えていたより強くなかった(エンリク・マス)」。わずか10分間の作戦だったが、その間の平均走行時速はなんと68.6kmにまで跳ね上がった。
「追い風のせいでものすごくスピードが速かったし、ちょっと怖かった。集団内はひどくピリピリしていた。常に集中し、警戒し続けなければならなかった。一瞬たりとも気を緩めることはできなかった。こういったステージでは絶対にミスを犯してはならないんだ」(ログリッチ)
プロトンが減速したおかげで、一時は20秒にまでリードを減らした逃げ集団は、もう少し生き長らえることができた。再びタイム差は1分半まで開いた。最後まで粘ったスミットの逃げ距離は177kmに達し、残り15kmで吸収された。
後方ではやはりウルフパックが最前線で制御役を務めた。ボーラとトレックも1人ずつ人員を配置した。いつしかジャスパー・フィリプセン擁するUAEチームエミレーツも作業を分担した。さらにステージも残り30kmを切ると総合系チームも隊列を組んだ。立て続けに訪れる2度の方向転換に警戒し、プロトン最前線には何本もの列車がせめぎ合った。
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