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【Cycle*2020 パリ~トゥール:レビュー】《次のアラフィリップ》ことコヌフロワとの激闘制したピーダスン「U23時代から彼とは何度も戦ってきた」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかぶどう畑
ルディ・モラール、カンタン・パシェ、アレクサンダー・クリーガーも2人と行動を共にした。朝から逃げていた前方の6人を追抜き、直後の小砂利ゾーンで大きな落車を起こしたメイン集団を突き放した。スプリント勝負に懸けるアルケアは、隊列を組んで追いかけたが、すでに遅すぎた(ちなみにアルケアのエーススプリンター、ナセル・ブアニは18位で終了し、2020年全8戦で争われたフランス杯の総合優勝を決めている)。
しかも上りではコヌフロワが加速を続け、グラベルではピーダスンが高速でペダルを回す。4番目の「ぶどう畑の小道」で、早くも他の3人はついていけなくなった。モラールだけは続く一般路でなんとか追いついたが、4つ目の上りでコヌフロワが再び強烈なテンポを刻むと、またしても振り落とされた。先頭は2人に絞り込まれた。
降り出した秋の雨が、摘み取りのほぼ終わったぶどう畑の小道をどろどろに浸した。モラールと入れ替わるように、真っ白な泥に全身を覆われたヴァランタン・マデュアスが、毅然として前を追ったこともあった。その後はバルデやバルギル、ペトル・ヴァコッチ、そしてヨリス・ニューエンハイスと共に小さな集団を作り上げたが、前方に仲間のいるバルデとニューエンハイスが追走に協力するはずもなく、またスプリント力のあるヴァコッチを誰もが恐れた。5人の集団は先頭を15秒差にまで追い詰めるも、ついに2人をとらえることはできなかった。
「すでにU23時代に同じ相手に破れている。あの時はスプリントで悠々と突き放された」。こんな苦い記憶を持つコヌフロワは、坂道で幾度もライバルを引きちぎりにかかった。しかしどうしても突き放せなかった。ピーダスンは分かっていたからだ。「U23時代から彼とは何度も戦ってきた。上りさえついていければ、自分に有利になる」と。そう、1年違いの2人は、決して知らない仲ではなかった。むしろ2017年U23欧州世界選手権の終盤に、他の2人(うち1人はあのマルク・ヒルシ)と共に飛び出した戦友だ。そしてあの日、ロングスプリントを制したのは、ピーダスンだった。
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