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サイクル ロードレース コラム 2020年9月3日

【宮本あさかのツール2020 レースレポート】アラフィリップが20秒のペナルティで首位陥落。代わってマイヨ・ジョーヌのアダム・イェーツ「誰だってこんな風に着たいと思わない」 /  第5ステージ

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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決してのろのろと走っていたわけでもない。単に目に見える動きがなかっただけ。最初の勝負地である47.5km地点=中間スプリント地点へ向けて、プロトンは時速42km超で突き進んだのだから。

ここで意欲を見せたのは、やはりドゥクーニンク・クイックステップだった。前日の第4ステージでも、エーススプリンターのサム・ベネットは、ポイントを最大限に収集している(メイン集団先頭通過で9pt獲得)。ただ無念にもペーター・サガンに同点で並ばれたせいで、総合順位の比較でポイント賞2位に甘んじた。つまりこの第5ステージで、1点でも多くサガンよりポイントを獲れば、マイヨ・ヴェールに手が届く。

ウルフパックの強い連帯に支えられ、ベネットは先頭通過を成功させた。しかも専用発射台ミケル・モルコフが、最後までもがき2位に滑り込んだ。つまりサガンやその他ライバルたちのポイントをしっかり潰すほどの、念の入れようだ。おかげで4位通過のサガンがたったの13ptしか収集できなかったのに対して、自身は満点20ptを懐に入れ、まんまと緑ジャージ争いで「暫定」首位に立つ。

そもそも逃げがあろうがなかろうが、選手たちには気を休める暇などなかった。スタートからフィニッシュまで道は大蛇のようにうねっていた。しかも終盤には強いミストラルが吹き荒れる危険性だってあったのだ。だからこそ総合優勝候補を擁する複数チームは、常に集団前方で警戒態勢を続けた。横風分断にはまらぬよう、落車の罠に落ちぬよう、互いに目を光らせ合った。

ただ結局のところ、2つの4級山岳でブノワ・コスヌフロワがほんのわずかな山岳ポイントを収集したのと、残り9kmでイネオス・グレナディアーズの分断作戦が失敗に終わったこと以外は、なにも起こらなかった。レース委員長・元選手・記者の計4人で構成される敢闘賞審査委員会は、困ってしまったに違いない。最終的には第1ステージでの肋骨骨折に負けず、この日も7分以上遅れながら、最後まで走り抜いた勇敢なるワウト・プールスの手に「赤ゼッケン」が贈られた。

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