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サイクル ロードレース コラム 2020年9月3日

【宮本あさかのツール2020 レースレポート】アラフィリップが20秒のペナルティで首位陥落。代わってマイヨ・ジョーヌのアダム・イェーツ「誰だってこんな風に着たいと思わない」 /  第5ステージ

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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すぐ背後で繰り広げられたサガンvsベネットの一騎打ちは..「マイヨ・ヴェール争いに集中しすぎて、区間争いのことはすっかり忘れてしまった」と冗談を飛ばすアイルランドチャンピオンが制した(ベネット3位、サガン4位)。おかげで中間スプリントと合わせて、この日だけでサガンを9pt引き離し、まんまと緑ジャージを剥ぎ取った。

「グリーンジャージを着られて心から満足している一方で、ステージが勝てなかったことには、やっぱり満足できないよ。それにジュリアン(アラフィリップ)が、ジャージを失ってしまったし..」(ベネット)

表彰式の途中に、衝撃的な一報が飛び込んできた。すでにマイヨ・ジョーヌ用控室に入っていたアラフィリップに、20秒のペナルティが課されるというのだ。UCI競技規則2条12.007とツール競技規則6条の「ステージ最終20km以内の補給は許可されない」に抵触したせいであり、17kmで補給を受け取ったアラフィリップ以外に、セップ・クスとカルロス・ベローナも同様の処分を下されている。

結果としてアラフィリップは、わずか4秒リードで守っていた総合首位の座から、16秒差の16位まで転がり落ちた。1年前は「ステージ中断」で不完全燃焼のまま黄色いシャツを手放したが、今年は「不注意」のせいだった。

「ルール違反を犯しているという意識は、自分としては全くなかったんだ。審判団の公式な決定に、僕は従うだけ。どうすることもできないよ。明日またトップに返り咲くまでさ!」(アラフィリップ)

もちろん前日まで2位につけていたイエーツが、代わりに黄色の権利を得た。2018年ジロで初めてマリア・ローザを着用し、2018年ブエルタでマイヨ・ロホを獲得した双子のサイモンから2年後。グランツールの総合リーダージャージに、アダムも生まれて初めて袖を通した。ところで新人賞で終えた2016年ツールの第12ステージ..いわゆるクリス・フルームが山を脚で走って上ったあの日、レース内のオートバイに激突して落車した数人に極めて例外的な救済措置が取られていなければ、アダムにマイヨ・ジョーヌが与えられていたはずだった。

「もうチームバスに戻って、シャワーも浴び終わっていたんだ。そしたら監督のところに電話がかかってきて、表彰台に向かうよう言われた。誰だってこんな風にマイヨ・ジョーヌを着たいとは思わないよ。だから明日はジャージを守りに行く。こうやって戦いを続けていく」(アダム・イェーツ)

アラフィリップとアダムの語る「明日」、つまり第6ステージの終わりには、厳しい峠が聳え立つ。距離が長く、勾配はきつく、大きなタイム差が生まれやすい地形だ。フィニッシュボーナスタイム10秒に加えて、ボーナスポイント8秒も待っている。

文:宮本あさか

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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