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サイクル ロードレース コラム 2019年5月28日

【ジロ・デ・イタリア2019(ST.10〜ST.15)/ レビュー】勝負は試練の3週目に。3大ツール全制覇のニバリ「火曜日からは全く違うレースが始まる」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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「ライバルたちの目を見て、彼らがどんな調子なのかを理解し、そして僕はアタックに転じた」

カラパスがすぐに後輪に張り付き、イェーツも上手く流れに乗った一方で、ログリッチェは遅れを取った。チヴィリオ登坂直前に変速機トラブル→チームカー対応できず→同僚トールクの自転車を拝借→長く孤独な追走……と相次ぐ困難から脱出した直後だったせいかもしれない。さらにはプロトン一のクレイジーダウンヒラーが、過去2度勝ち取ったロンバルディアの下りを恐ろしいスピードで駆け下りる背後で、自分用に調整されてはいない自転車を操るログリッチェは、カーブを曲がり切れずガードレールに激突してしまう。

ダリオ・カタルドが逃げ切り優勝を飾り、その11秒後にカラパス、ニバリ、イェーツがフィニッシュラインを駆け抜けた。さらにその40秒後、ログリッチェはひどく厳しかった大会2週目を終えた。

4日連続で山でタイムを失い、カラパスに次ぐ総合2位につけるログリッチェにとって、試練の3週目がやってくる。なにしろライバルたちが「直接対決」を挑んでくる難関山岳ステージは、いまだ4日間も残っている。最高標高地点「チーマ・コッピ」予定だった標高2618mガヴィア峠は、大雪のためコースから姿を消したけれど、第16ステージには伝説の難峠モルティローロが待ち受けるし、ヴェローナ到着前夜にも1級山頂フィニッシュが組み込まれた。

一方で47秒リードでマリア・ローザを着るカラパスにとって、17kmと距離こそ短いものの、恐るべきは最終タイムトライアルだろう。ニバリの存在も、また恐ろしい。首位から1分47秒差、ログリッチェから1分差につけるベテランは、3週目にこそ真価を発揮する男として知られる。史上わずか7人しか存在しない、3大ツール全制覇チャンピオンの称号は伊達ではないはずだ。

「火曜日からは全く違うレースが始まる。極めて複雑な戦いだ。カラパスはアタックで挑むだろう。ログリッチェはより待ちの姿勢で、計算しながら走る。僕に関しては、1回大アタックを打つか、何度にも分けて数秒ずつ稼ぐか、まだ分からない」

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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