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サイクル ロードレース コラム 2019年5月28日

【ジロ・デ・イタリア2019(ST.10〜ST.15)/ レビュー】勝負は試練の3週目に。3大ツール全制覇のニバリ「火曜日からは全く違うレースが始まる」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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デマールが恐れる山越えは、第12日目から始まった。2019年大会で初めての1級山岳が登場した第12ステージも、今大会初の1級山頂フィニッシュとなった第13ステージも、25人を超える巨大な逃げ集団がステージ勝利を争った。チェザーレ・ベネデッティとイルヌール・ザカリンがそれぞれ区間の栄光を手に入れ、大会6日目から首位の座を守ってきたヴァレリオ・コンティから、チームメートのヤン・ポランツェがマリア・ローザを引き継いだ。

この2日間の巨大な逃げはまた、ログリッチェの「ライバルチーム」たちの攻撃の起点となった。第12ステージで攻撃に転じたミゲルアンヘル・ロペスとミケル・ランダは、「前待ち」をしていたアシストの助けを得て、それぞれ28秒を取り戻した。翌日のスペインチームはなんと3人を前線へと滑り込ませた。そして最終峠の麓で、メイン集団からランダがアタックを打つと、またしても先行組は力強い牽引係に早変わりした。モヴィスターからは、最終盤でカラパスさえも飛び出した。

モヴィスターが強力なチーム力を見せつけた一方で、ログリッチェは孤軍奮闘する場面が多く見られた。もちろん第13ステージを終えた時点でも、「ログリッチェ優勢」の図式はいまだ変わらず。たしかに大逃げを打ったザカリンやバウケ・モレマに総合タイムを詰められたが、ほんの一時的に過ぎなかった。モヴィスターの2人はいまだ2分近くも離れていたし、ロペスはメカトラで、サイモン・イェーツはバッドデーで総合優勝争いから大きく遠ざかっていた。なにより最も危険人物のニバリに対しても、いまだ1分44秒リードを有していた。

しかし2019年シーズンここまで出場した3つのステージレース全てで総合を制し、ジロ初日にピンクジャージをさらい取り、第9ステージの個人タイムトライアルで圧倒的な強さを見せつけたログリッチェは、第14ステージで追われる立場から追う立場へと変わる。131kmという短距離ステージで、カラパスに28kmもの独走を許してしまったのだ。

ステージ最終盤に立ちはだかる1級サンカルロ峠で、エクアドルの山男はひとり飛び立った。総合4位に終わった1年前は、新人賞を巡りロペスと熾烈なにらみ合いを繰り広げ、時には「足の引っ張り合い」と批判されたこともあった。しかしホワイトジャージの対象年齢を卒業したカラパスは、この日は「ログリッチェとニバリの反応を試すため」に自らが飛び出した。……肝心のログリッチェとニバリは、睨み合い、牽制し合い、追いかけてはこなかった。カラパスは両者に1分54秒もの大差をつけてフィニッシュし、第4ステージに続く今大会2つ目の区間勝利をさらいとった。さらにはボーナスタイムの10秒も手に入れて……ログリッチェを7秒差で逆転成功。エクアドル人として史上初めてのマリア・ローザを身にまとった。

またこの日、サイモン・イェーツがカラパスに次ぐ2位に飛び込み、いまだ自らが終わっていないことを証明した。さらに翌日の、イル・ロンバルディアのコースを拝借して行われた第15ステージでは、「落ち葉の」モニュメント2勝のニバリが戦いをかき回すことになる。区間最後の難関、チヴィリオ山頂直前で、大きな一撃を打ちおろしたのだ。

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