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生まれて初めてのグランツールを戦うカレブ・ユワンが、生まれて初めてのワールドツアー勝利を手に入れた。2015年ブエルタで3番目に若い21歳(と1ヶ月15日※8月26日時点)が、オリカ・グリーンエッジに今大会2勝目をもたらした一方で、チームメートのエステバン・チャベスは小さな分断の犠牲となり、わずか1秒差でマイヨ・ロホを失った。反対にジョン・デゲンコルブのスプリント勝利を逃し、悔しい思いをしたジャイアント・アルペシンだったが……、思いがけぬトム・デュムランのリーダージャージ着用に歓喜した。
スペインの長い夏休みも、終わりに近づきつつある。気だるい午後に、ツガブ・グルメイが真っ先に飛び出した。アントワーヌ・デュシェーヌとイーリョ・ケイセが後に続くと、3選手は、南スペインの平坦な大地を先頭で突き進んだ。最大7分のリードも手に入れた。
残念ながら、逃げ切り勝利の可能性なんて、ほぼ存在しなかった。大会2度目のスプリントチャンスを——しかもこの日を逃すと、おそらく第12ステージまでチャンスは巡ってこない——、スプリンターチームがみすみす見逃すわけもなかった。オリカ・グリーンエッジは、真紅のリーダージャージを身にまとうコロンビア人ヒルクライマーのために、さらに韓国系の母親を持つ新人スプリンターのために、早めにタイム差コントロールに乗り出した。すでにこの2日間大いに働いてきたティンコフ・サクソも、緑ジャージを着込んだペーター・サガンのために牽引に勤しんだ。なによりジャイアント・アルペシンが、作業の大部分を請け負った。2012年大会で5勝、昨大会4勝をスプリントで叩きだしたデゲンコルブのために。
逃げ切れないはずの2015年ジロ最終ステージで、衝撃的な逃げ切り勝利を奪い取ってしまったケイセの脚をしても、最後までリードを保つことはできなかった。ゴール前18kmの中間ポイントを利用して、ベルギーのトラック巧者は単独で飛び出したが、わずかな望みもラスト9kmで断たれた。
カハルラルやエムティーエヌ・クベカも隊列を組んだが、やはり最後に競り合ったのはジャイアントとオリカ、ティンコフだった。ラスト3kmからは、小柄なユワンを背負ったオリカ列車が主導権を握った。ゴール前600mの直角カーブには、ダニエーレ・ベンナーティと共にサガンが先頭で飛び込んだ。6%近い勾配の最終ストレートでは、最終発射台クーン・デコルトの背後から、デゲンコルブが真っ先にスプリントを仕掛けた。ユワンとサガンは、すかさずドイツ人スプリンターの背後に飛び乗った。
「すごく厳しいフィニッシュだった。でもチームメートたちが素晴らしい仕事をしてくれて、上り開始前に、僕を先頭まで導いてくれた。完璧なるリードアウトをしてもらったから、僕はなんの苦労もなく、坂を上がっていくことができた。ここで余分な努力を要していたとしたら、エネルギーを大いに消耗していたかもしれないけどね」(ユワン、公式記者会見より)
サガンを置き去りにし、デゲンコルブを軽々と追い抜いくと、ユワンは有り余るエネルギーを爆発させた。ヘラルド・サン・ツアー、ツール・ド・ランカウイ、ツール・ド・コリアと主に欧州以外の大陸で区間勝利を重ねてきたオージーが、4月のブエルタ・ア・ラ・リオハ(スペイン)に続き、ついに自転車大陸で大きな勝利をつかみ取った。
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