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バスケットボール コラム 2026年10月19日

【10月17〜18日開催:オータムリーグ レポート】東海大が7度目の優勝。上位争いと残留争いも激化

バスケットボールコラム by 青木 崇
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10月17日に中央大を破り、17勝2敗とした東海大が、2021年以来となる7度目のオータムリーグ制覇を成し遂げた。2025年4月にチームを引き継いだ入野貴幸コーチにとっては、初のタイトルとなった。優勝を決めた中央大戦は、最後まで勝敗の行方がわからない激戦だった。「リーグ戦の優勝は難しい。入野はよくやりました」と、現在は立川ダイスを率いる陸川章前コーチも、教え子の采配を称賛した。

成績だけを見れば、東海大は圧倒的に強かったという印象を持つ人も多いかもしれない。しかし、入野コーチの見方は違った。

「他の2位以下のチームもみんな星を取り合っている状況で、今年のリーグは力の差がないということで臨んでいる。我々も6敗しても、10敗してもおかしくないゲームばかりで、その時にフォーカスするところを間違えずにやり続けたからこそ、勝利が後からついてきた感じです」

60対59で制した中央大戦では、序盤から中央大に主導権を握られ、東海大は3Q途中まで流れをつかめずにいた。しかし、中川知定真(東海大付属諏訪・4年)が、中央大の得点源でありプレーメーカーでもある坂口大和(北陸学院・4年)を9点に抑えるなど、東海大は最後まで高い強度のディフェンスを維持した。

「彼(坂口)がキーで、乗せてしまうとうちの失点が75~80点に持って行かれてしまうくらいなので、知定真がこのリーグのMVPなんです。というのも、広瀬(洸生:青山学院大)、武藤(俊太朗:明治大)、塚田(大聖:明治大)、日本大戦もそうですけど、全部エースを止めているんです。ディフェンシブストッパーを知定真にしてもらえるのは強みですね」

4Qには、佐藤友(東山・3年)がインサイドの攻めや3ポイントシュートでオフェンスを牽引し、東海大が逆転に成功した。最後はファウルを戦術的に使いながら中央大にラストチャンスを与えず、1点差で逃げ切った。

 

轟琉維(福岡第一・4年)や中川といった最上級生は、陸川コーチから入野コーチに変わった状況に直面してきた選手たち。様々な苦労を乗り越えてのオータムリーグ制覇について、轟は「4年間タイトルがなかったので、率直にうれしい」と語った。

スプリングトーナメントからオータムリーグ制覇までの道のりは、決して順調ではなかった。特にリーグ戦では、短期間でタイプの異なる相手と対戦するため、選手とスタッフが一体となって準備してきたことが大きかったと轟は振り返る。

「リーグ戦は22試合もあって、いろいろな相手、タイプの違う相手がいっぱいいるので、スカウティングの部分でスタッフが頑張ってくれました。試合に出ているメンバーだけでなく、練習の時に(試合に)出ていないメンバーがハードワークしてくれました。自分たちもやられてしまうこともめちゃくちゃあったので、そこでチーム一丸となった結果、難しいゲームがたくさんありましたけど、ここまで来れたのかなと思います」

18日の大東文化大戦を落としたことで、オータムリーグの直接対決で連敗を喫したのは、優勝した安堵感が影響したかもしれないが、インカレに向けた警鐘としたいところだ。もちろん、入野コーチが前述したように、チーム間に力の差がないということを証明する結果だったと言える。

故障でオータムリーグを全休した十返翔里(八王子学園八王子・2年)がインカレに復帰できるかどうかは、頂点を目指す東海大にとって重要な要素の一つとなる。ただ、選手層が厚く、誰が出場してもチームに貢献できることは、今季の戦いぶりが示している。入野コーチも、チームの強みをこう語った。

「うちの選手たちがいいのは、出る出ないに関係なく、モチベーションを落とさない。ベンチ内外に関係なく、役割をわかっているのがいいところです」

明治大の勝利と個人の結果を追う武藤俊太朗

10月17日の日本体育大戦に80対87で敗れた明治大は、2位浮上のチャンスを逃した。翌18日の国士舘大戦には勝利したものの、3位争いでは5チームが12勝8敗で並び、明治大は7位にとどまっている。チームの大黒柱である武藤俊太朗(開志国際・4年)は国士舘大戦後、チームの現状をこう語った。

「この試合にかけていて、日体に勝てれば2位というのもあったんですけど、負けてしまった。あと2試合全部勝って得失点差になるかわからないですけど、まずは3位を目指しています」

最終週は下位の神奈川大戦と青山学院大戦になるが、斉藤勝一コーチが「うちはどこにでも勝てるし、どこにでも負ける」と常に話しているように、難しい試合になる可能性が高い。

また、2巡目に入ってからは、石川晃希(宇都宮工・3年)と齋藤翔太(土浦日本大・3年)が故障で離脱。塚田大聖(土浦日本大・4年)と鬼澤伸太朗(福岡大附属大濠・4年)にかかる負担が増すなか、試合で指揮を執る田中智也コーチは、本来スモールフォワードの武藤をパワーフォワードで起用せざるを得ない状況に直面している。

「プレーはもちろんなんですけど、やはりメンタルで何よりも試合に入る部分だったり、翔太や晃希がケガで離脱しているので、その2人の思いを背負ってプレーで表現するのが何よりも大事かと思っています」

武藤の強みは、得点が伸びない試合でも、ディフェンスやリバウンドに加え、スタッツに表れにくいルースボール争いやディフレクションでチームに貢献できることだ。身体能力の高さとフィジカルの強さも、Bリーグのチームが注目する理由の一つだろう。U17、U19ワールドカップへの出場や、この夏の日本代表キャンプ参加など、さまざまな経験を積んできたことも武藤の強みである。

明治大が最後の2試合に勝てば、オータムリーグ3位としてインカレのトーナメント表で四隅のシードに入る可能性はある。「明治に入学してからインカレで全然結果を残せずに終わっているので、個人としても活躍してドラフトでアピールしたいというのはあるんですけど、最後は明治を勝たせて引退したいという思いがあります」と話す武藤は、大学最後のインカレでチームの勝利に導くために、全身全霊でプレーし続けるだろう。

入れ替え戦回避へ、日本大を牽引する山田哲汰

10月17日に国士舘大を破った神奈川大は、日本大と勝ち数で並んだ。一方、日本大は留学生を含む複数の選手が故障で離脱し、苦しい戦いが続いている。2巡目に入ってからの白星は、10月4日の山梨学院大戦で挙げた1勝のみ。18日に日本大学アスレティックセンター八幡山で行われた白鷗大戦でも、前半は粘り強く戦ったものの、後半に引き離されて64対90で敗れた。

今年の日本大は2連勝で開幕したものの、9月12日の早稲田大戦で大黒柱の山田哲汰(白樺学園・4年)が足首を痛めて離脱。その後もラインハート・キャメロン幸(EJキング・3年)、オヴァクポルイ・ポール・オゲネモメノ(別府溝部学園・1年)とスターターがケガで欠場を強いられた結果、ディフェンスの奮闘があってもオフェンスでなかなか得点できずに負ける試合が多い。それでも、10月10日の中央大戦と11日の明治大戦では、10月3日の東海大戦で復帰した山田の奮闘もあり、勝利に手が届きそうな展開を見せながら惜敗した。

2年前のインカレ優勝に貢献した経験がある山田は、なかなか勝てない現状にもがき苦しんでいる。だが、決して下を向くことはなく、最上級生として臨むオータムリーグの残り2試合でも、チームを奮い立たせようとする姿勢を崩さない。

「チームとしていい方向に進んでいけてないので、そこは切り替えてやるしかないです。ケガ人が多くてなかなかまとまらないので、自分がしっかりリーダーシップを発揮するしかないです」

故障者を抱える今の日本大は、山田がベンチで休んでいる時にどうしてもオフェンスの遂行力が下がってしまう。それでも、コート上での姿を実際に見れば、「試合経験の浅い選手が多いので、自身がいい流れを作ってからベンチで休めるようにしなければ」という思いを持って、ハードにプレーしていることは疑いの余地がない。

日本大の残り2試合では、5勝の国士舘大と6勝で並ぶ神奈川大という、入れ替え戦回避を争うライバルとの対戦が待ち受けている。残留争いを優位に進めるためには連勝が求められ、最終日の神奈川大との直接対決は絶対に落とせない。チームを勝利に導くうえで、山田が重要な鍵を握っていることは明らかだ。

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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