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大会MVPにも輝いた東海大の赤間賢人(2年・藤枝明誠)
白鴎大との決勝戦、残り51.6秒に東海大の2連覇を決定的にした3Pショットを決めた時、チームメイトが盛り上がっている中、赤間賢人(2年・藤枝明誠)だけは表情をほとんど変わらなかった。どんな状況でも黙々とプレーし続けて結果を出すあたりは、正に寡黙な必殺仕事人という言葉がピッタリ。入野貴幸コーチは赤間の個性をこのように語る。
「表情とかそういう表に出すというところだけを取られると、確かにシーガルズらしくないかもしれないけど、それは彼の個性で、内に秘めたものがある」
大東文化大戦以降の4試合で平均16.5点、6.3リバウンドの数字を残した赤間は、攻防両面で東海大を牽引したことが決め手となり、MVPとMIP(最も印象に残った選手)に選出された。ダブル受賞を「まったく予想していなかった」と話した赤間だが、大会を通じて自分の良さを出せたという手応えはあった。
赤間は高校時代からシュート力を武器に得点を稼げる選手だったが、スプリングトーナメントでピック&ロールのユーザーとしてのドライブ、プレーメイクでチームに貢献することも多かった。「自分が点を取ることを意識しているわけじゃないですけど、ゲームの流れを見て攻めることを考えています」という言葉を象徴していたのが、白鴎大との前半終了間際に決めたプレーだ。ピック&ロールでズレを作り、マッチアップしていたディフェンダーを背にするジェイルを駆使し、佐藤友のレイアップへとアシストを決めたのである。
「オフの時間とか練習外の時間での自主練、シューティングに力を入れてきました。得点やアウトサイドシュートのところで(入野コーチから)言われているんですけど、チームとか仲間からの信頼を得るというのは、やはりディフェンスからやらなければいけないので、ハードにやっています」
こう語った赤間は、前半で当たっていた白鴎大のシューター小川瑛次郎を、厳しいディフェンスでスローダウンさせる原動力になった。小川をノーマークにするためのスクリーンにうまく対応しながら、簡単にボールが渡らないようにコンタクトしながらポジションを確保。小川がボールを持った場合は、身長で4cm高いことを活かして簡単に3Pショットを打たせなかった。
後半に白鴎大を29点に限定できたのは、リバウンドでも9本を奪った赤間を軸にした質の高いチーム・ディフェンスによるところが大きい。入野コーチは、試合以外の部分でも赤間がチームに好影響をもたらしている点でも高く評価している。
「去年のインカレ決勝で負けたところからスタートしているのかもしれないですね。自分が不甲斐ない形で終わって、“新シーズンでこうやってくれよ”という話をした時に、賢人はなんか納得したことに対してすごくやる子だし、頭のいい子なので、それは何かガチっとはまっているのかと言う感じがします。それも含めてシューティングの量も朝一から多い。体育館事情はよくないけど、環境のせいにせず、空き時間にシューティングをやっている姿を見ると、それが上級生の尻に火をつけて、上級生もいい状態なんです」
スプリングトーナメントとルーキーズトーナメントで大きな自信をつかんだ赤間は、ディフェンス力の向上とショットの確率を上げることを意識して新人インカレに臨むという。内に秘めた貪欲さを特徴とする寡黙な必殺仕事人として、今後の大学バスケットボール界に大きなインパクトをもたらす可能性を秘めた選手なのは間違いない。
文:青木崇
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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