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【筑波大・井伊拓海】BリーグチームのU18出身者として、関東1部で活躍する最初の選手になる可能性大 | 関東大学バスケットボール新人戦
バスケットボールコラム by 青木 崇井伊拓海/筑波大(1年・早稲田実)
中央大との3位決定戦に敗れてルーキーズトーナメントを終了した筑波大だが、仲澤翔大コーチにとって1年目が始まったばかりの事情を考慮すれば、ベスト4進出は今後につながる成果と言えるものだった。昨年のウインターカップ制覇に貢献した高田将吾(1年・福岡大附属大濠)ら、主力として出ていた選手は高校時代に全国の舞台を経験していた。
しかし、インサイドで奮闘した井伊拓海(1年・早稲田実)は、サンロッカーズ渋谷のU18でプレーしていた選手。サンロッカーズ渋谷の松岡亮太ジェネラルマネジャーは、「高3の時にすごく伸びた子。賢いし、いろいろなことができる」と話す。筑波大に入学する直前の1か月間、トップチームの一員として活動した井伊は、「プロ選手の練習を間近で見られたということで、プロの選手がどういう準備をして試合に臨んでいるかや、試合に出られなかったですけど、ベンチから見ていてディフェンスの強度やメンタリティが学生とは本当にレベルが違う」ことを学んだという。
195cmのフォワード井伊は、非凡なスキルとシュート力を持っている。しかし、Bユースでは同じサイズの選手とマッチアップすることが少なく、ケガから練習に戻ってきたのが5月20日ということもあり、井伊がルーキーズトーナメントでどこまでやれるのか未知数だった。しかし、「1試合ごとにどんどん別人になっていったのに驚いています」と仲澤コーチが語ったように、いい意味で裏切られる結果が出たのである。
特に印象に残ったのは白鴎大との準決勝。井伊は幅のある体格を活かし、ウィリアムス・ショーン莉音相手にポストプレーだけでなく、スクリーンのセットやポジション争いでフィジカルかつアグレッシブに戦い続け、チーム最多の23点をマーク。「彼のインサイドがチームの得点の中心なので、自分がスタメンに入ったというところで、点を取らなきゃという意識がありましたし、特に前半は貢献できてよかったと思います」と振り返ったように、白鴎大相手に3Qまで互角の戦いを見せられたのは、井伊が攻防両面で質の高いパフォーマンスを発揮していたからだ。
その一方で、中央大との3位決定戦では前半で3つというファウルトラブルに陥った。「チームのリズムを崩してしまった」と井伊が反省したように、勢いに乗った相手を止められなかった筑波大は27点差の大敗。それでも、井伊の活躍が筑波大のベスト4進出に欠かせない要素だったのは間違いない。井伊は自身のプレーを次のように振り返った。
「オフェンスでできたことは、インサイドのシールというところで点が取れるようになったところ、白鴎のビッグマンにある程度通用したので、ある程度できたかなと思います。ただ、できなかったことで言うと、3Pショットのアテンプト(試投数)が増えてきてなくて、そこが増えてきたらもう少し中にドライブというのもしやすくなるかなと思います。今日の試合(中央大戦)では自分のポストにディフェンスが寄ってきたので、パスの判断だったり、そこからどうやって得点するかができなかったです。
ディフェンスもある程度、スウィッチした時に小さい選手につくことがあって、ドライブにはついていけましたけど、3Pショットに反応できなくて決められるシーンが多かったので、そこを修正していきたいと思います」
7月5日から始まる新人インカレ(第3回全日本大学バスケットボール新人戦)で存在感を増すことができれば、井伊はオータムリーグでも即戦力になり得る。それを証明できれば、BリーグのU18チームから関東1部の大学で活躍するという新たなトレンドのきっかけを作る選手になるかもしれない。
文:青木崇
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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