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バスケット ボール コラム 2025年5月6日

【青山学院大・竹田謙コーチ】ヘッドコーチとして試行錯誤の日々を過ごす中で、1部の上位校相手に十分戦えることを示したことが大きな収穫

バスケットボールコラム by 青木 崇
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青山学院大 竹田謙コーチ

青山学院大 竹田謙コーチ

プロ選手としての経験が豊富で、昨年2月から指揮官に就任した竹田謙ヘッドコーチに率いられた青山学院大は、昨年2部から1部に昇格を果たした。新年度で最初の公式戦となる関東大学バスケットボール選手権では、4回戦で大東文化大に競り勝ってのベスト8進出。2010年と2011年にインカレとリーグ戦を含めた四冠を成し遂げるといった功績を残してきた名門が、復活に向けて大きな一歩を踏み出したと言っていい。

ヘッドコーチに就任したばかりのころ、竹田コーチはチームについて次のような印象を持っていた。

「自分を過小評価している、これくらいでいいやみたいな感じでした。チームワークは勝つために必要だし、自分たちで自覚しているくらい悪くなるとみんなバラバラになって、テンションが落ちてダメになるというのがあったので、それを直そうという話になった。チームとしてみんなを励ますなど、そういうところからやろうというのを(今も)やっています」

声を出せるリーダーシップを発揮できる選手が一人でも多く出てくることになることは、チーム力が上がるという認識を持つ。青山学院大でコーチするようになってから気付いたことは、自分と今の選手たちとの間にある感覚の違いだった。

「自分が大学生の時の記憶として持っているけど、現役を42までやっていたので、その時点での選手の感覚でしかないじゃないですか? 22歳の選手の感覚とすごくズレがあると感じたので、選手が理解できることを第一にし、できないことをあまり詰め込まないようにし、少しずつできることを徹底していく。そのさじ加減が難しい。これはできないだろうと自分が思ってしまうことで教えなくて、実はできてもっと成長するはずだったのにということもいっぱい感じたりしています。難しいところの塩梅をどうするかみたいなことはちょっと感じています」

コーチとしての自信はなく、コーチに向いている性格ではないと謙遜する竹田だが、選手たちの成長に大きく寄与していることは明らか。大東文化大戦はハーフタイムで9点のリードを奪ったが、3Qで一度逆転される時間帯もあった。しかし、その状況から立て直して競り勝てたのは、竹田コーチが冷静沈着に采配を振い、選手たちも能動的にやるべきことをしっかりやった結果。青山学院大にとっては、1部の上位校相手でも戦えると実感できた点で、大きな意味があった。

「僕は低いと思ったんですけど、(選手が)自分たちで大東を破ってベスト8という目標を立てて、それを達成したというのはめちゃくちゃ自信になったと思います。これは本当に大きなステップだと思います」

早稲田大との最終戦で大敗したことは残念だったが、8位となった今大会で竹田コーチが感じた収穫は、トップチームとの距離感があまりないことを選手たちが感じてくれた点。近いようで近くない距離感、何が不足しているのかを勉強する機会になったという認識がある。U22代表の広瀬洸生ら3、4年生中心のチームとして成果を出したが、6月の新人戦や夏の練習を通じて下級生の底上げができれば、青山学院大はオータムリーグで台風の目になるかもしれない。

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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