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顎の出血というアクシデントに動じることなく、冷静なプレーで東京成徳大の決勝進出に貢献した須田理恵 | ウインターカップ 2020 レビュー【大会5日目】
ウインターカップコラム by 青木 崇東京成徳大・須田理恵
壮絶な点取り合戦を制したのは、東京成徳大だった。逆転ブザービーターで安城学園に勝った勢いを持続し、試合開始早々から活発なボールムーブからインサイドや3Pで得点を積み重ねる。4Q終盤に札幌山の手の猛追を受けたものの、96対92でなんとか逃げ切った。
前日に劇的なブザービーターを決めた佐坂光咲、山口希乃夏の20点を最高に、東京成徳大は4人が2ケタ得点をマーク。試合に出場した9人全員が得点とアシストを記録するなど、どの選手もしっかり仕事をした結果の勝利だった。遠香周平コーチは試合をこう振り返る。
「いいバスケットができたと思います。出た選手みんなが仕事するというのが、繋ぎというのではなく、みんながなんでも仕事をするというのが目標だったので、うれしいです」
東京成徳大にとっては、1Qにシューターの須田理恵が相手のひじが入ったことで顎から出血というアクシデントに見舞われた。2Q8分27秒まで約5分半、須田は止血のためにベンチへ下がることを強いられたが、3〜5点の間という僅差ながらもリードを維持。札幌山の手に一度逆転を許した直後、須田はバックカットからレイアップを決めると、5分22秒に山田葵、2分35秒に佐坂の3Pショットをアシストするなど、質の高いオフェンスの遂行に大きく貢献していた。
「佐坂がこの大会調子がいいです。(3Pショット)打つところは自分の役目でもあると思うんですけど、自分が攻めて佐坂に決めてもらうのが成徳にとって一つの形だと思うので、それは意識しています」と語ったように、須田が自慢のシュート力を発揮するシーンは少なかった。しかし、後半になってもしっかりボールをコントロールし、冷静な判断からチームメイトの得点機会をクリエイト。この試合5本目のアシストを決めた4Q6分28秒、東京成徳大はリードを17点まで広げた。
ところが、札幌山の手のプレス・ディフェンスに対し、数的有利の状況を作りながらも攻め急いでミスを連発。2分弱の間に11連続得点を奪われ、残り2分8秒には2点差まで詰め寄られた。4分22秒のタイムアウト後、遠香コーチから時間を使おうと指示が出たことで、東京成徳大はチームが的確な状況判断をしながら、ディフェンスの頑張りもあって最後までリードを維持。「ボールの動きが止まってしまう部分もあったんですけど、みんな落ち着いて全員が勝ちに向かっていくプレーができたと思います」と語った須田は、残り32秒に勝利を決定的なものとするスティールを決めた。
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