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バスケット ボール コラム 2019年12月17日

ウインターカップ男子プレビュー:2連覇を狙う福岡第一が本命も、大会序盤で好カード目白押し

ウインターカップコラム by 青木 崇
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福岡第一 河村勇輝

インターハイを圧倒的な強さで制し、天皇杯でも千葉ジェッツ相手に持ち味を何度も発揮した福岡第一。司令塔の河村勇輝を軸に、厳しいディフェンスからトランジションゲームを展開して連続得点を奪える爆発力は、高校レベルで止めるのがなかなか難しい。

クイックネス、視野の広さ、バスケットボールセンスがいずれも抜群の河村は、相手のディフェンスが嫌がる部分を攻防両面で突くことができる。身長の低さを武器にする術を身につけており、自ら得点を狙う時とチームメイトを生かす時のバランスもいい。千葉に敗れた後「悔しい」と真っ先に口にするなど、勝利に対して非常に貪欲な河村のリーダーシップは、福岡第一の強みとも言える。

河村とガードコンビを組む小川麻斗はシュート力が素晴らしいだけでなく、プレーメーカーとしても存在感を発揮できる。センターのクベマジョセフ・スティーブは速攻でしっかり走ってフィニッシュできるだけでなく、長い腕を武器にしたブロックショットなど、ペイント内のディフェンスで大きく貢献できる。内尾聡理、神田壮一郎、仲田泰利は計算できる戦力へと成長していることに加え、控えガードの山田真史が3Pシュートで当たり出すと、福岡第一をスローダウンさせるのは難しい。

唯一の懸念材料をあげるならば、4Q終盤まで僅差の試合をあまり経験していないことだろう。このような試合になった場合、トランジションで得点を奪うことは難しくなり、テンポが遅くなるハーフコートのゲームが必然的に多くなる。インターハイで苦戦した東山には、胎内カップで対戦した際に59対76で敗戦。「胎内カップで負けて、その時にいい負けにしようと話した」と小川が語るように、準決勝で東山と対戦することになれば、この経験を生かす絶好の機会になるだろう。

福岡第一から勝利したことで、東山が対抗勢力となったと言っていい。米須玲音を起点にしたオフェンスで主導権を握るタイプのチームとはいえ、ゴール前に立ちはだかるムトンボ・ジャン・ピエールがディフェンスで強烈な存在感を示せることも強み。着実に勝ち上がることができれば、福岡第一との準決勝が事実上の決勝になることも十分考えられる。

福岡第一と東山に続く勢力は、インターハイで強豪校を次々と撃破して決勝に進んだ北陸、ベスト4の開志国際と報徳学園、福岡大附大濠、明成といったチームになるだろう。その中でも2回戦でマッチアップすることが濃厚な開志国際と福岡大附大濠の試合は、大会序盤屈指の好カード。この勝者は虎視眈々と上位進出を狙う洛南と対戦する可能性が高い。また、延岡学園と高知中央戦はともに留学生を擁するチーム同士だが、戦い方に大きな違いがある点で注目に値する。

その下のブロックでは、東海大付諏訪が1回戦で明徳義塾戦を撃破すれば、明成と当たることが濃厚。また、同じブロックには公立校を代表する強豪同士、広島皆実と市立船橋の対戦があり、その勝者は中部大第一と対戦かもしれないというからも間違いなく激戦区。ここを勝ち上がったチームと準々決勝で当たりそうな北陸は、土浦日本大とのマッチアップが濃厚な3回戦を突破できるかが、成功を手にするためのカギになるだろう。

逆サイドのブロックでは、伝統校の能代工がインターハイに続いてベスト8まで勝ち上がれば、福岡第一との対戦が期待できる。シード校の中で最も組み合わせに恵まれたのは報徳学園で、3回戦までコンゴロー・デイビッドの存在で優位に立てる相手が続く。大波乱が起きない限り、東山と準々決勝で当たるだろう。

簡単に展望してみたものの、高校生の一発勝負だけに予想外の結果が出ても不思議でないし、劇的なシーンの連続で盛り上がるウインターカップを期待している。

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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