【中日好き】先週の振り返りと今週の展望：松山晋也、デビューから被本塁打ゼロを継続中

松山晋也（ドラゴンズ）

あっという間に5カード、全ての球団との対戦が一回りした。井上一樹新監督が率いる中日ドラゴンズは、勝ったり負けたりを繰り返しながら奮闘を続ける。先週の戦いはどんなものだったのか、そして今週の予定・展望はどうなるか。本稿で綴っていきたい。

◆先週は2勝2敗1分け

まずは先週の振り返りから。週の前半はホームで広島、後半は敵地・甲子園球場で阪神と対戦した。

・4月08日（火）：△1-1 広島
・4月09日（水）：◯3-1 広島
・4月10日（木）：●1-2 広島

広島とはロースコアな3連戦を戦った。火曜と木曜の2試合が延長戦で、ともに勝てなかったのは残念なところ。岐阜で戦った初戦は、早くも今季2度目の引き分けに終わっている。

水曜の勝ちゲームでは名シーンが生まれた。1-1で迎えた8回裏、2死2・3塁から代打・ブライト健太がセンターオーバーの2点タイムリー二塁打。球団のレジェンド助っ人、トニ・ブランコ氏の訃報が届いた日に背番号「42」の後輩が決勝打を放つという、偶然にしては出来過ぎな一打であった。

・4月11日（金）：●3-6 阪神
・4月12日（土）：◯3-2 阪神
・4月13日（日）：雨天中止

甲子園初見参となった『井上竜』だが、1戦目は返り討ちに遭った。上林誠知の2ランで幸先よく先制するも、先発・高橋宏斗が5連打で4点を失い、初回で勝負の趨勢が決まった。

2戦目は5回までに挙げた3得点を先発の松葉貴大から、ジュニオル・マルテ、松山晋也の継投で守り切る展開。今カードで合流したジェイソン・ボスラー、高橋周平にシーズン初安打が生まれた試合でもあった。連勝とカード勝ち越しを狙った3戦目は雨天中止となった。

◆「勝手に週間MVP」は大記録継続中の新守護神

今週の「勝手に週間MVP」は松山にしたい。ブライトや松葉も候補にしたが、これまでに取り上げたのもある。本稿ではより多くの選手を紹介させてもらえれば幸いだ。

昨季は「8回の男」として最優秀中継ぎ賞に輝いた松山。今季はライデル・マルティネス（巨人）が抜けた9回のマウンドを託されている。ここまで7試合に投げて5セーブを記録し、救援失敗はゼロ。先週も3試合で2セーブ1ホールドと、順調な滑り出しを見せたと言って良いだろう。

そんな松山が、プロ入りから大記録を継続していることをご存知だろうか。なんと、「一軍デビューから被本塁打ゼロを継続」しているのだ。これまで投げた96回2/3、389人の打者に本塁打を喰らっていない投手は、少なくともドラフト制以降でいない。米田哲也（元阪急ほか）が、1956年につくった89回2/3が最も近しい数字だそうだ。

8日の広島戦で節目の100試合登板に到達したタイミングもあり、今回は新守護神・松山の大記録について触れさせてもらった。

◆今週は2連戦×2カードの4試合

中日の今週の予定は以下の通り。2連戦×2カードの4試合と日程に余裕がある。

・4月15日（火）16日（水）vs.広島（マツダスタジアム）
・4月19日（土）20日（日）vs.横浜DeNA（バンテリンドームナゴヤ）

週の前半はマツダスタジアムへ今季初の遠征。先週戦った広島と再び対戦する。広島は中日との3戦目に競り勝つと、マツダでの巨人戦は3戦スイープを達成。同球場は芝が長くなった影響か、ビジターチームの守乱が相次いでおり、注意が必要だ。

先発はカイル・マラー、柳裕也の2人が予想される。ともに先週は広島を相手に好投しており、その再現といきたい。

2日間の移動日を挟んで、土日は本拠地に横浜DeNAを迎える。相手は週の前半に巨人と戦い、アンドレ・ジャクソン、トレバー・バウアー、東克樹の3人をぶつける模様。移動日を挟むとはいえ、激闘に疲弊したところを「ひと刺し」できると良いだろう。

先発は高橋宏、松葉を立てると予想。松葉はすでに2勝を挙げており心配ないが、そろそろエース・高橋宏に白星がついてほしいところ。今季初となるホームでの登板、ファンからも後押しをしていきたい。

文：加賀一輝