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FAになるマエケンは、どこの球団を選ぶのか
この“完走”は周囲から高評価を受けるべき功績だ。ツインズの前田健太投手(35)は10月11日のア・リーグ地区シリーズ第4戦でアストロズに敗れ、メジャー8シーズン目を終えた。2016年にドジャース入団時に結んだ8年契約を満了。負傷した際の調整登板以外でのマイナー落ちは1度もなく、2度のワールドシリーズ出場を含む6度のポストシーズンを経験した。
「8年は長かったようで短かったような気もします。まずは、8年間を全うしたことは選手としてよかった。家族、周りの方にサポートされながら、ここまで頑張ってこられた。人生で初めてフリーエージェント(FA)になるので、正直、不安もありますし、楽しみもあります」
このオフはFA市場で自身の価値をはかられる。35歳はベテランの域。トミー・ジョン手術からのリハビリで全休した2022年を除き、安定して先発ローテーションを務めた。今季は復活イヤーで開幕から先発の一角を任され、レギュラーシーズンでは、21試合(20先発)で6勝8敗、防御率4・23、104回1/3を投げ、117三振だった。
先発投手のFA市場では、先発4、5番手という評価が一般的ではないだろうか。コロナ禍で短縮シーズンだった20年には、ア・リーグのサイ・ヤング賞投票で2位に入る好成績も残した。
「肘は完璧な状態に戻ったのでまだまだ投げられる。20代と体は変わらないし、むしろよくなっている。肘は新しくなったのであと5年以上は投げられると思うので、頑張りたい」
FAでの交渉相手に日本球界がオープンなのか、どうかは分からない。メジャーからオファーがある間は、メジャーでプレーするのか。しかし、かねてより「現役の最後は日本で」との思いがあるのは確か。あと38勝としている日米通算200勝(NPB97勝・MLB65勝=162勝)は「達成に向けて、まだまだ投げ続ける」とモチベーションは高くキープしている。
FAで交渉を務めるのは大物代理人のスコット・ボラス氏(70)だ。一般的なデータだけではなく、選手の長所を最大限に売り込むために「ボラス・コーポレーション」では独自の分析で顧客のセールスポイントをアピールする。だからこそ、好条件での契約を勝ち取ってきた実績がある。新天地はどこになり、そしてどんな契約内容になるのか。条件は「強いて挙げるなら、先発投手として必要としてくれる球団があれば」。メジャー9年目に向かい、ワールドシリーズ制覇を目指すのか。それとも……。マエケンの決断が楽しみだ。
(文・山田結軌=サンケイスポーツMLB担当)
山田 結軌
1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツには2007年4月入社。阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。
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@YamadaSANSPO
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