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野球 コラム 2023年8月22日

【広島好き】勝負の9月を前に試練を迎えたカープ。『週刊カープいいとこどり』

野球好きコラム by 大久保泰伸
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5番・一塁で先発出場した19日は無安打に終わったが、これまで會澤翼がスタメンマスクを被った際には坂倉のベンチスタートを貫いていた指揮官が、負けられない試合が続くシーズン終盤に向けて現実的な采配を見せている。

◆上本、今季初の出場選手登録抹消

今季は開幕一軍で4月は不振の小園海斗に替わってショートのスタメンを田中広輔と併用となり、その後は三塁、外野など幅広い起用で『定位置を持たないレギュラー』的存在となった上本崇司。

西川龍馬の離脱時には4番も務め、9番以外の全ての打順で起用、守備でも捕手と一塁以外の内外野6ポジションを守るなど、チームに不可欠な存在となった上本が、17日の阪神戦で走塁中に左太もも裏を痛めて今季初めて出場選手登録を抹消された。

試合出場を懇願する本人に対して、新井監督は「程度は深刻ではないが、まだ残り試合もある」と治療に専念しての早期復帰を期待した。攻守で数字以上に貴重な存在としてチームを支えてきたマルチプレーヤーの復帰時期が、チームの行く末を左右することになりそうだ。

◆矢崎、ターリー離脱でブルペン再編成へ

今季は不振の栗林良吏に替わってクローザーに抜擢された矢崎。ここまで42試合登板で4勝2敗22セーブ、防御率2.75の成績を残しているが、13日の今季初黒星から4試合連続失点と疲労の色が隠せず、19日に出場選手登録を抹消された。さらに21日には左のセットアッパーとして今季44試合に登板し、防御率1.74のターリーも抹消となり、プルペンの再編成を余儀なくされている。

20日には今季、先発で6試合に登板して3勝のアンダーソンが配置転換で来日初ホールドを記録。矢崎不在となった19、20日には、リードした9回に栗林が登板し、2試合連続セーブと復活の狼煙を上げた。

*****

週間MVPは、野手は野間峻祥が週間打率.409(6試合)、末包昇大が同.333で2本塁打(5試合)、堂林翔太が同.400(4試合)と数字を残していますが、遊撃守備で再三の好守で投手を救い、課題の打撃面でも同.333をマークした矢野雅哉を抜擢。

投手は完全復活間近の栗林も捨てがたいところですが、今季2度目の完封勝利、打撃でもタイムリー二塁打の活躍を見せ、プロ7年目で悲願の2ケタ到達となる10勝目をマークした床田寛樹を選出します。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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