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先発日の試合後には日米多くのメディアに囲まれている大谷翔平
あと数日間、ファンにとってはハラハラ、ドキドキの時間になるだろう。大谷翔平投手(29)はエンゼルスからトレードされるのか、されないのか。
まず大前提として、基本的に大谷の場合はトレードする、しないに関して本人に決定権はない。決めるのはエンゼルスだ。現在、各球団から寄せられる交換要員などの条件を精査し、そしてアート・モレノ球団オーナーの意向を鑑みて、決断する、という一連の流れがある。
選手の意向を尊重する場合もある。例えば、ワールドシリーズ制覇に貢献した功労者や生え抜き選手らには、トレードに出すけれど移籍するとしたら、A球団とB球団、あるいはC球団のどこがいい?などと尋ねる場合もあるようだ。その場合でも、選手の意向が必ずかなえてもらえる、とは限らない。あくまで決定権は選手ではなく、球団にあるからだ。また現在、大谷と今オフ以降の契約について独占的に交渉できるのは、所属しているエンゼルスだけ、でもある。
一方で今オフに迎えるフリーエージェント(FA)では、届くオファーを比較しながら、大谷自身が自由に選ぶ権利がある。これが、今夏のトレード市場とオフのFA市場で大きな立場の違い、だ。
「いま現在、ここ(エンゼルス)に所属していますし、まだ全然(ポストシーズンに)いける位置(順位)にいると思っているので、トレードに関してはあまり気にしないようにというか、今できることをまずやりたいなと思っています」
7月21日のパイレーツ戦後には、そう語り泰然自若としていた。それでも8月1日のトレード期限が近づくにつれ、米メディアからは、ことあるごとに大谷に対してトレードにまつわる質問が投げられる。大谷のメディア対応は、原則的に先発登板日のみに限られる。もちろん、投球内容・打撃内容についても聞かれるが、時期が時期だけに去就について聞きたいメディアが多数存在するのも事実だ。
『エンゼルスと再契約したい、とか、そういう意志や考えはあるか、残留する可能性は?』と聞かれても「そういう(交渉の)席は全然、設けていないというか、シーズンはシーズンで集中したいという意志は変わっていないので、シーズン中もそういった話はしていない」と返答するなど、真実やその胸のうちは分からない。自分のコントロールが及ばないことに気を取られることなく、目の前のことに全力を注いでいる。
日々、米メディアを通じて大谷に関連するトレード情報が流れる。現状、その可能性は低いが、野球ファンの多くが注目している話題に間違いない。
(文・山田結軌=サンケイスポーツMLB担当)
山田 結軌
1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツには2007年4月入社。阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。
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