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広島好きコラム
レギュラーシーズンも残り10試合を切り、先週は3試合のみ。地元で最下位中日に痛い1敗を喫した後、3位争いの相手である阪神とは1勝1敗でシーズン負け越しが決定してしまいました。試合数が少ないため、選考基準も難しいところですが、今回も投手と野手の週間MVPを選出していきましょう。
まずは打撃陣。従来通り、週間成績の数字を見ると、先週は3試合に出場して週間打率3割オーバーの選手が6人もいました。その中でダントツの数字を残したのが、前回週間MVPに輝いた西川龍馬です。
2、3、1安打と3試合全てで安打を記録し、自身10試合連続安打を継続中。20日の中日戦では申告敬遠も含めた3四球で5打席全て出塁など、自身16試合連続出塁を続けており、週間打率.545、同OPS1.303と数字的には2週連続MVP最有力の成績を残しています。
西川に次ぐ週間打率を残したのが會澤翼で、こちらも3試合全てで安打を放ち、週間打率.375をマークしましたが、スタメン出場は2試合で打点ゼロと、やや印象度に欠ける感が否めません。
そういった意味では、3試合全て安打で自身10試合連続安打を記録し、週間打率.333の小園海斗の方が印象的な活躍を見せました。21日には甲子園でバックスクリーンに8月10日以来となる一発。本塁打を放った試合は6勝1敗と、データを裏付ける結果となりました。
西川の後を打つマクブルーム、坂倉将吾もともに週間打率.308と結果を残しています。マクブルームは、20日の中日戦で初回に逆転の3ラン本塁打。自らのエラーが失点につながった直後で、ミスを取り返す一発となりました。21日には犠飛と延長戦での2点タイムリーで3打点など、ポイントゲッターとしての役割を果たしています。
坂倉は21日に9月10日以来となる本塁打を放つなど2安打、23日も2本の単打で2試合連続マルチ安打を記録。無安打だった20日も2四死球で週間出塁率.400とハイレベルな数字を残しています。
以上のように、中軸選手が結果を残しているにも関わらず、チームは3試合で1勝2敗。クライマックスシリーズ争いでの崖っぷちの状況で、チームに貴重な1勝をもたらしたのが上本崇司です。
3位争いの直接対決となった21日の阪神戦。延長戦までもつれ込み、硬直したムードも漂ってきた11回表、1死満塁の場面で三遊間を破る勝ち越し打を放ったのが上本でした。9回には2死2塁のチャンスで三振に倒れていましたが、前打者の磯村嘉孝が満塁策で歩かされた後、2ストライクと追い込まれながら、変化球を鋭く振り抜いて意地の一打となりました。
上本も週間打率は.308ですが、随所で見せる好守備や好走塁など総合的な面も考慮し、そしてチームがクライマックスシリーズ争いに踏みとどまった試合のヒーローとして、野手の週間MVPに選出したいと思います。
投手陣は九里亜蓮、森下暢仁、大瀬良大地とローテの柱的存在である3人が先発しましたが、九里が5回途中1失点で降板、森下は5回3失点、大瀬良は2回4失点と、いずれも勝ち星を挙げることができませんでした。
そうなると、MVPは今週もリリーフ陣から、ということになりますが、9月16日まで20試合連続無失点を続けていた絶対的守護神の栗林良吏が、20日に回またぎの2イニング目に2失点で4月2日以来となる2敗目。復調の兆しを見せていた森浦大輔も21日に自身10試合ぶりとなる失点を喫してしまいました。
週間防御率0.00をマークしたのは4人で、ケムナ誠(3試合)、矢崎拓也(2試合)、コルニエル(1試合)、そして3試合無失点で21日に勝ち投手となった松本竜也です。これで4勝目となった松本ですが、今季はビハインドの展開など状況を問わない起用で、気付けば登板数は栗林を抜いて48試合、森浦と並んでチーム最多となりました。
9月に入って9試合に登板し、失点したのは1試合のみ。大事な試合で月間2勝目をマークしたタフで頼れるルーキーを、今回の投手週間MVPに選出したいと思います。
文:大久保泰伸
大久保泰伸
フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。
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