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野球 コラム 2019年8月15日

【中日好き】藤嶋健人、今を生きる

野球好きコラム by 森 貴俊
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「テンポだよ。もちろん投げっぷりがいいのもあるけど、藤嶋のテンポでピッチャーはなかなか投げられないものなんだよ。あれだけテンポ良くなげたら打者は考える時間もない。

打者はボックスを外して、自分の間を作ろうとするけど、気づけば藤嶋の間に入っている。あいつは間を自分の主導権にするのが上手いんだよ」。

「恐らくそれは天性。考えてやっている事じゃない。テイクバックが小さく、低めに集めて、ストレートとスプリットが同じ軌道。説明すればいい所は沢山あるけど一番はあのテンポ」と話した。

藤嶋にその解説を伝えてみた。「そうですか。あまりテンポを自分で気にした事はないですね。考えて今のリズムを作ったわけでもないんで」。

「でも、岩瀬さんに言われたら嬉しいっすね」。岩瀬氏の言うように藤嶋には天性のテンポの良さが備わっている。

そのテンポを作り出しているのは藤嶋の人間性といっていいだろう。若い投手は恐怖心を持つ。もちろん藤嶋にもあるが、それ以上に打者に向かっていく勝負心は一級品だ。常にマウンドで躍動感を出し、感情をむき出しにする。

しかし、藤嶋はいい投球をした翌日にそのピッチングを自らドラマチックに語ることはしない。むしろ、その勝負を楽しかったと笑い飛ばすのが藤嶋健人だ。

時折不思議に思う。現役続行さえ危ぶまれたのに藤嶋は常に笑顔だ。なぜ、楽しめるのか。なぜ、笑えるのか。

「考えてもしょうがないのかなって。手術した時もダメならしょうがないって思いました。今でも手が冷たくなる度に不安にはなりますよ。でも、好きな野球やれているんだから、それくらい大丈夫だって思います」。

故障をしたからこそ持てる刹那の境地。人に見せたくない不安。そして、故障したからという見方をされたくないプライド。そういった感情の全てを自らの笑顔に閉じ込め1軍の日々を送る。

抑えても打たれても、それを笑い飛ばす度に藤嶋健人はまだまだ強くなる。

文/写真:森貴俊

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森 貴俊

1976年愛知県出身。東海ラジオ放送スポーツアナウンサー。ドラゴンズ戦中心のガッツナイターをはじめJリーグ、マラソン等スポーツ実況を担当。原点回帰を胸に、再び強き竜の到来を熱望する43歳。日々体力の衰えを感じるがドラゴンズへの喜怒哀楽は衰え知らず。今年もマイクの前で本気で泣いて怒って笑います!

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