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バドミントン コラム 2024年8月24日

【週末の見どころ!】山口茜の4度目Vなるか、日本勢が3種目で栄冠狙う | バドミントン ワールドツアー ジャパンオープン 2024 プレビュー

バド×レポ by 平野 貴也
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4度目の優勝を狙う女子シングルスの山口茜(再春館製薬所)

4度目の優勝を狙う女子シングルスの山口茜(再春館製薬所)

横浜アリーナで開催されているバドミントンの国際大会「ダイハツジャパンオープン」は、24日に準決勝、25日に決勝を行う。日本勢は、3種目で4強入り。4度目の優勝を狙う女子シングルスの山口茜(再春館製薬所)らが、タイトルを狙う。

大会は、BWF(世界バドミントン連盟)のワールドツアーで2番目に格付けが高い、スーパー750。パリ五輪直後で上位シードに欠場者が相次いだが、それでも男子シングルスでは世界ランク1位の石宇奇(シー・ユーチ=中国)、女子ダブルスでは世界ランク2位のペク・ハナ/イ・ソヒ(韓国)らが勝ち残り、ハイレベルな戦いを見せている。

山口、好プレー連発で会場から大歓声

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準々決勝では、山口が一番の歓声を浴びた。日本選手2人を破って勝ち上がってきた韓悦(ハン・ユエ=中国)と65分の激闘を展開。パリ五輪直後でコンディションが万全ではない中でも、コートを所狭しと走り回り、ダイビングレシーブも連発するなど精力的なラリーを見せた。「自分のプレーが良くなっていくのと比例して、会場も一体感が出てきたり、盛り上がったりというのが、すごく感じられたので、こういうプレーをしなきゃなって思いました」と話した山口は、歓声から力を得るように、エネルギッシュなプレーを披露。日本開催の大会ならではの雰囲気の中で、見ごたえのある試合で勝利を収めた。

24日の準決勝では、パリ五輪の決勝トーナメント1回戦で対戦した、スパニダ・カテトン(タイ)と再戦する。女子シングルスの過去最多優勝は、李玲蔚(中国)の4回。初代女王で1982年、86年、87年、89年と草創期に記録されている。2013年に16歳で日本勢初優勝を飾った山口は、19年、22年にも優勝を飾っており、今大会を制すれば4度目の優勝で偉業に並ぶことになる。

なお、同種目では、24年シーズン限りでの引退を表明しているレジェンド、戴資穎(タイ・ツーイン=台湾)も勝ち上がっている。両ひざを痛めており、動きは制限されているが、過去、合計214週も世界ランク1位に君臨した圧倒的な技巧は健在。日本で見られるのは、おそらく最後。一見の価値がある。

女子ダブルス、28年ロス五輪を目指す中西/岩永が初優勝狙う

2028年ロサンゼルス五輪を目指す中西貴映/岩永鈴(BIPROGY)

2028年ロサンゼルス五輪を目指す中西貴映/岩永鈴(BIPROGY)

女子ダブルスでは、2028年ロサンゼルス五輪を目指す中西貴映/岩永鈴(BIPROGY)が、初タイトルを狙う。準々決勝では、パリ五輪で銅メダルを獲得した志田千陽/松山奈未(再春館製薬所)を90分超の死闘で撃破した。パリ五輪の出場獲得レースでも健闘した2人は、着実に力をつけている。前衛の岩永が166センチ、後衛の中西が170センチとサイズに恵まれており、相手が球を打ち上げれば、連続強打で得点を物にする。スピードもあり、攻撃力は世界でも上位に入るペアだ。

中西が28歳、岩永は25歳。充実期を迎えている。キャリアを積み上げる中で「ロス五輪を目指してやりたいと思っている。4年後と思うと先が長いので、どうやって行くかは考えながら。でも、最後は、ロスを集大成にしたい」と話し、4年後の大舞台をゴールに設定。パリ五輪が終わった直後で最初の国際大会である今大会は、これからの歩みのスタートとなる。「スーパー750以上のトーナメントに出るのは、3月の全英以来。もう一度、トップの選手たちに対して、自分たちの何が通用して、何が通用しないのかを試したい。コーチの遠藤(大由)さん、早川(賢一)さんと、練習内容について話せる時間もあった。しっかりと勝負して、これから、自分たちもやれるぞというところを見せられたらいい」と意気込んで、臨んでいる。

準決勝では、世界ランク2位のペク・ハナ/イ・ソヒ(韓国)と対戦する。過去5戦全敗と苦手にする相手だが、岩永は「私たちも以前よりは強くなっている。チャンスはあるのかなと思う。応援を力にして、いい試合を皆さんに見てもらいたい」と初勝利に意欲を示した。準々決勝の日本勢対決では、五輪で銅メダルを獲得したばかりの志田/松山への応援が多かったが、準決勝以降はホームの雰囲気に戻る。応援を背に、強豪撃破に挑む。

なお、もう一方の準決勝は、中国の2ペアが激突。賈一凡/李汶妹(ジァ・イーファン/リー・ウェンメイ)は、左利きの賈が、パリ五輪の金メダリスト。対する劉聖書/譚寧(リウ・シェンシュー/タン・ニン)は、銀メダルペア。パリ五輪の決勝で戦った選手たちが、横浜アリーナで再戦する。

奈良岡、まさかの白旗宣言で煙幕 パリ五輪の雪辱なるか

奈良岡功大(NTT東日本)は雪辱なるか

奈良岡功大(NTT東日本)は雪辱なるか

男子シングルスでは、奈良岡功大(NTT東日本)が初の4強入りを果たしている。奈良岡は、今夏のパリ五輪に出場してベスト16に進出。技術に絶対的な自信を誇る23歳の若手で、次回の28年ロス五輪も出場が有力視されている次世代の星だ。3回戦まで、いずれもファイナルゲームまでもつれる試合を制している。五輪直後で調整不足の中、疲労も蓄積しているが、試合終盤にペースを上げるなど、長丁場の戦いに活路を見出している。ミスが少ないのが特長で、左前方の位置から繰り出すバックハンドショットは、様々なフェイントを駆使するなど多彩。観衆をアッと驚かせるトリッキーなプレーも見せる。

準決勝の相手は、パリ五輪の決勝トーナメント1回戦で敗れた周天成(チョウ・ティエンチェン=台湾)。雪辱に挑む試合となる。過去3回の対戦は、すべて敗戦。パリ五輪で敗れた直後とあって、経験を生かした上での対策を報道陣から聞かれたが「無理でしょー。強いですもん。勝ち方が分からない。とりあえず頑張るしかない」と笑い、まさかの白旗宣言で煙に巻いた。相手は、大柄で守備力の高い選手。ラリーの中で攻略の手口を探る。初勝利を挙げられれば、28年ロス五輪に向けた「シン奈良岡」のイメージが見えてくる。もう一方の準決勝では、世界ランク1位の石宇奇(中国)と19歳の新鋭アレックス・ラニエ(フランス)が激突。こちらも、ロス五輪世代が台頭している。

ジャパンオープンは、今回が第41回大会。かつては「海外のトップ選手を見る」大会だったが、日本勢の成長より「日本が世界に挑む大会」へ様変わりしてきた。直近5大会では、いずれかの種目で日本選手が優勝を果たしている。世界トップレベルの戦いの中で、今大会も日本勢は決勝に進み、タイトルを獲得することができるのか、注目される。

文:平野貴也

平野貴也

平野 貴也

1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。

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