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バドミントン コラム 2024年8月16日

五輪銅メダル「ワタガシ」、「シダマツ」ら日本が世界を迎え撃つ | バドミントン ワールドツアー ジャパンオープン 2024 プレビュー

バド×レポ by 平野 貴也
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渡辺勇大/東野有紗

パリ五輪で銅メダルを獲得した渡辺勇大/東野有紗

横浜に漂う「パリの残香」と「ロサンゼルスの息吹」を感じ取れ。バドミントンの国際大会、ダイハツジャパンオープンが8月20日に横浜アリーナで開幕する。BWF(世界バドミントン連盟)ワールドツアーの大会で、世界ランク上位選手に出場義務がある、スーパー750の格付け。パリ五輪で激闘を繰り広げた世界の強豪が、横浜に集結する。ただし、パリ五輪の再現とはならない。日本の主力は、パリ五輪で銅メダルを獲得した混合ダブルスの渡辺勇大/東野有紗(BIPROGY)、女子ダブルスの志田千陽/松山奈未(再春館製薬所)を含めて現存勢力で出場するが、次世代を担う若手も多くエントリー。選手として、ペアとして、五輪をゴールに設定する選手も多くいるため、海外勢は、出場回避やペアの組み替えも多く見られる。パリ五輪で躍動した選手がそのまま活躍するのか、4年後の2028年ロサンゼルス五輪に向けた新勢力が早くも台頭するのか。両面が注目される大会だ。

日本勢初、五輪2大会連続メダルの「ワタガシ」は連覇なるか

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混合ダブルスは、渡辺/東野が連覇を狙う。日本勢初となる五輪2大会の連続メダル獲得を達成し、渡辺は「まずは、たくさんの方に来ていただきたい。そのために、選手は最後まで必死にプレーする。(日本の)バドミントン界のためにという気持ちは、今回のメンバーは強い」と五輪を契機とした国内環境の活性化に期待をかけた。メダリストは多忙で再調整が難しいが「あいつ(五輪後、練習せずに)休んでたな……と思われないように、何とかしたい」と笑いながらも責任感を示した。

東野は、スタンドが青とピンクのワタガシペア応援グッズに彩られた前回を思い出し「こんなに応援される日本の大会は初めてと思うくらいに声援が聞こえた。パリ五輪で知ってくれた方も、近くで試合を見ていただきたいし、混合ダブルスの良さを表現できたらいい」と再び会場を沸かせる意気込みを示した。パリ五輪の3位決定戦や準々決勝で対戦した韓国、タイのライバルも参加。中国は、パリ五輪の金メダルペアを含む世界ランク1位、3位が欠場するが、世界ランク4位の蒋振邦/魏雅欣(ジャン・ツェンバン/ウェイ・ヤーシン)という23歳と24歳の若い実力派ペアを送り込む。日本からは、2028年ロス五輪を狙う緑川大輝/齋藤夏(NTT東日本/ACT SAIKYO)らも参戦。次世代組が、パリ五輪の上位勢とどこまで争えるのかも注目される。

「シダマツ」は決勝で五輪の雪辱戦の可能性も

女子ダブルスは、パリ五輪に出場した志田/松山、松本麻佑/永原和可那(北都銀行)の2組を筆頭に日本勢が5組。銅メダリストとなった志田は「五輪が終わった後で、たくさんの方が見に来てくださるんじゃないかなと思う。バドミントンって、生で見ても楽しいなと思っていただける大会になれば」と競技の魅力アピールを背負う立場を認識していた。パリ五輪の準決勝で敗れた劉聖書/譚寧(リュウ・シァンシュ/タン・ニン=中国)と決勝で再戦すれば注目の一戦となる。ナガマツペアの松本は「なるべく多くの方に何日も自分たちの試合を見てもらえるように、頑張っていけたら」と五輪で果たせなかった上位進出を誓った。この種目では、パリ五輪で金メダルを獲得した世界ランク1位の最強ペアである陳清晨/賈一凡(チェン・チンチェン/ジャ・イーファン=中国)がパートナーを変えて各々エントリーしており、どのようなプレーを見せるのかも、一つの見どころとなる。

期待の高校生・宮崎や、引退表明のレジェンド選手にも注目

女子シングルスには、パリ五輪ベスト8の山口茜(再春館製薬所)、大堀彩(トナミ運輸)がそろって出場。負傷明けの山口は、パリ五輪でも完調とは言い難かったが、金メダルを獲得したアン・セヨン(韓国)と激闘を展開。「五輪で、向かっていく気持ちや、自分のプレーを出し切る感覚が、なんとなく今まで以上につかめたというか、感じることができた。それができたらいいと思う」と、日本のファンの前で再び力を振り絞る覚悟をのぞかせた。

2016年リオデジャネイロ五輪の銅メダリストで17年世界女王の奥原希望(太陽ホールディングス)、今夏のインターハイ女王の宮崎友花(柳井商工高校・3年)も出場し、日本A代表は、勢ぞろい。大会直前に18歳の誕生日を迎える宮崎は、2028年ロス五輪での活躍が期待される有望株で注目度は高い。準々決勝で山口と宮崎が初対戦を迎える可能性もある。パリ五輪の上位勢は、負傷や国際大会からの引退で欠場が多く、銅メダルのグレゴリア・マリスカ・トゥンジュン(インドネシア)のみが出場予定だが、見逃せない選手もいる。24年シーズン限りでの現役引退を表明している第1シードの戴資穎(タイ・ツーイン=台湾)だ。世界ランク1位に世界最長の合計214週も君臨したレジェンド。ひざの負傷を抱えているのが気がかりだが、プレーを見られる残り少ない機会を見逃すことはできない。

奈良岡を筆頭にロス五輪世代が台頭狙う

男子シングルスは、パリ五輪に出場した西本拳太(ジェイテクト)が五輪2連覇のビクター・アクセルセン(デンマーク)と初戦で激突するカードとなったが、アクセルセンはSNSで欠場を示唆している。世界ランク8位の奈良岡功大(NTT東日本)は、23歳。28年ロス五輪のメダル候補への飛躍が期待されている。初出場となったパリ五輪は16強で敗れたが、大会後は身体を休める選手が多い中で「グダグダしていても。負けたし、次に行こうかなという感じです」と現地で練習を再開。五輪が近付いていたため、負傷のリスクがあるウエイトトレーニングは避けていたが「今年、来年は失敗しても(ロス五輪のレースは)その次からなので、失敗してもいいからやってみようかなと。色々、挑戦していきたいなと思っている」と肉体強化にも着手する構えで進化を図る。

また、25歳の渡邉航貴(BIPROGY)、大林拓真(トナミ運輸)、24歳の田中湧士(NTT東日本)といった面々もロス五輪を目指しており、誰が次の日本A代表入りをアピールするかも注目点となる。

男子ダブルスの日本ペアは2組のみ、どこまで戦えるか

男子ダブルスは、日本からのエントリーが、パリ五輪に出場したエースの保木卓朗/小林優吾(トナミ運輸)と、28年ロス五輪を目指す岡村洋輝/三橋健也(BIPROGY)の2組しかいないのが寂しいところだが、上位進出を期待したい。パリ五輪の上位勢では、銀メダルの王昶/梁偉鏗(ワン・チャン/リャン・ウェイカン=中国)が出場。五輪2連覇を果たした台湾の王齊麟(ワン・チーリン)は、21歳の若手・邱相機(チュウ・シャンチ)にパートナーを変えてエントリーしている。

いずれの種目も新旧勢力が入り乱れる大会だ。パリ五輪からロス五輪へ、時代が変わりゆく初動で何が起きるのか。誰が輝きを放つのか。今後の行方を楽しむためにも、ぜひ会場へ足を運び、世界の速さ、躍動感、日本選手の健闘ぶりを味わってもらいたい。

文:平野貴也

平野貴也

平野 貴也

1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。

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