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日本が躍進できるかどうか。大きなカギとなるのは、シングルスのエースとなる奈良岡だ。前回の2022年大会は、準決勝の第3シングルスで出番が回って来たが、緊張感に飲み込まれ、後に「気が付いたら、終わっていた」と言うほどに力を発揮できなかった。23年は、男女混合の国別対抗戦スディルマン杯に出場したが、中国のエース石宇奇(シー・ユーチ)に91分の激闘で逆転負け。アジア大会は、準々決勝まで出場していたが、勝負所となった準決勝は欠場。チームの力になれなかった。苦い思いをしながら、若手有望株からエースへ成長して来た。これまでの団体戦のイメージを払しょくしたい。
奈良岡は4月14日に閉幕したアジア選手権の戦いを終えた際に「団体戦で良いところがないので……(苦笑)。気合いは入っているんですけど、入り過ぎたら空回りするし、冷静に行こうとすると負けるし、よく分からないですけど(アジア大会の団体戦で活躍した)西本さんを見習って、やりたい」と意気込みを語った。ただし、パリ五輪を夏に控える中、負傷は避けたいところ。アジア選手権では、大会中に足の痛みを訴えていた。「団体戦で、第1シングルスに出る可能性が高いので、しっかり勝たないといけない。足を攣って負けているようじゃ、ダメ」と話していたが、どの程度、コンディションを整えられるか。気がかりなところだ。
■五輪レース直後の難しさ、若手の台頭で勢い乗れるか
奈良岡に限らず、今大会は、各チームの選手がどれだけ心身のコンディションを合わせられるかが、大きく影響しそうだ。五輪の出場権を獲得した選手は、五輪レースを終え、夏に向けてコンディションの再調整を始める時期になる。一方、五輪の出場を逃した選手、特にベテラン勢は、大目標を逃した後で、モチベーションを立て直すことが難しい時期となる。その点も分かっているシングルス3番手の渡邉は、28年ロサンゼルス五輪を目指す選手でもあり「盛り上げますよ、応援も含めて」とムードメーカーを買って出る姿勢を示した。世界ランクが高い順に出場するため、1番手、2番手同士の対戦で勝敗が決まると思われがちだが、五輪を控えるエース格は、実力を発揮できる状態を整えることが難しい。
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