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世界バドミントン選手権が8月22日から東京体育館で開催される。五輪が開催されない年の世界王者決定戦だ。日本は、全5種目に最大出場枠4選手(4ペア)がエントリー。中でも、女子シングルスの山口茜(再春館製薬所)、男子ダブルスの保木卓朗/小林優吾(トナミ運輸)は、昨年12月に開催された前回大会に続く連覇を狙う。東京五輪で銅メダルを獲得した混合ダブルスの渡辺勇大/東野有紗(BIPROGY)は、前回準優勝を超える頂点を目指す。また、女子ダブルスの志田千陽/松山奈未(再春館製薬所)も東京五輪後に成績を飛躍させており、初のメダル獲得に期待がかかる。東京五輪ではメダル1つに終わったが、自国開催で「強い日本」をアピールしたい大会となる。
■渡辺/東野、混合複で日本初の金へ「応援ひいきして」
日本勢で最もメダル争いに加わる可能性が高いのは、混合ダブルスの渡辺勇大/東野有紗(BIPROGY)だろう。世界選手権では2019年に銅、(20年は五輪開催予定年で開催なし)21年に銀メダル。ホップ、ステップ、ジャンプとなる金メダルが目標だ。混合ダブルスは、東京五輪の決勝で金メダルの王懿律/黄東萍(ワン・イーリュ/ファン・ドンピン=中国)、銀メダルの鄭思維/黄雅瓊(ツェン・シーウェイ/ファン・ヤーチョン=中国)と、昨年末の世界選手権で金、銀のデチャポル/サプシリー(タイ)、渡辺/東野の4強体制。3位決定戦がなく、準決勝に進めばメダルは確定するが、目標は頂点だ。日本は、世界選手権で混合ダブルスだけ優勝者が出ておらず、渡辺は「混合ダブルスだけが金メダルを取ったことがないので、ファンの皆さんには、ちょっとひいきしてもらって、僕らの応援ちょっと多めでやってもらえたら」と、ファンに後押しを呼び掛けた。東京五輪では日本代表の中で若手だった2人も、いまや中堅。エース格として自国開催の世界選手権で頂点を狙う。
渡辺勇大選手/東野有紗選手
■山口と奥原が健在の女子単は、大混戦
女子シングルスは、2人の優勝経験者が日本の主力となる。第1シードの山口は、昨冬に続く連覇に挑む立場になるが「自分の成長したところを確かめるというよりは、これからさらに成長していくところで、何か新しい発見があればいいなと思っている」と受けて構えることなく、自然体で臨む姿勢を示した。実際、狙われる立場を強く意識することはないだろう。この種目は上位候補が多く、混戦だ。東京五輪で金の陳雨菲(チェン・ユーフェイ=中国)、銀の戴資穎(タイ・ツーイン=台湾)、銅のプサルラ・V.シンドゥ(インド)ら実力者が健在。さらに昨年のBWFワールドツアーファイナルズを制した20歳の安洗瑩(アン・セヨン=韓国)、22歳の王祉怡(ワン・ジーイ=中国)ら次世代も台頭している。負傷で東京五輪に出場できなかった元世界女王キャロリーナ・マリン(スペイン)の復帰も混戦に拍車をかける。3月に戦線復帰して少しずつ調子を上げている奥原希望(太陽ホールディングス)はトップ選手の戦い方について「以前より上からの切れるショットを上手く使う選手が多くなっている印象」と話し、上からのショットやドライブなど攻撃面を強化していることを明かした。従来の持ち味であるフットワークを生かしたラリー力にメリハリをつけて臨むつもりだ。実力伯仲の種目で、24年パリ五輪に向け、それぞれの選手がどのようにプレースタイルを変えていくかも一つの見どころだ。
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