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バドミントン コラム 2022年8月15日

2種目で連覇を狙う日本、世界バドミントンで「強い日本」アピールできるか

バド×レポ by 平野 貴也
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世界バドミントン選手権が8月22日から東京体育館で開催される。五輪が開催されない年の世界王者決定戦だ。日本は、全5種目に最大出場枠4選手(4ペア)がエントリー。中でも、女子シングルスの山口茜(再春館製薬所)、男子ダブルスの保木卓朗/小林優吾(トナミ運輸)は、昨年12月に開催された前回大会に続く連覇を狙う。東京五輪で銅メダルを獲得した混合ダブルスの渡辺勇大/東野有紗(BIPROGY)は、前回準優勝を超える頂点を目指す。また、女子ダブルスの志田千陽/松山奈未(再春館製薬所)も東京五輪後に成績を飛躍させており、初のメダル獲得に期待がかかる。東京五輪ではメダル1つに終わったが、自国開催で「強い日本」をアピールしたい大会となる。

■渡辺/東野、混合複で日本初の金へ「応援ひいきして」

日本勢で最もメダル争いに加わる可能性が高いのは、混合ダブルスの渡辺勇大/東野有紗(BIPROGY)だろう。世界選手権では2019年に銅、(20年は五輪開催予定年で開催なし)21年に銀メダル。ホップ、ステップ、ジャンプとなる金メダルが目標だ。混合ダブルスは、東京五輪の決勝で金メダルの王懿律/黄東萍(ワン・イーリュ/ファン・ドンピン=中国)、銀メダルの鄭思維/黄雅瓊(ツェン・シーウェイ/ファン・ヤーチョン=中国)と、昨年末の世界選手権で金、銀のデチャポル/サプシリー(タイ)、渡辺/東野の4強体制。3位決定戦がなく、準決勝に進めばメダルは確定するが、目標は頂点だ。日本は、世界選手権で混合ダブルスだけ優勝者が出ておらず、渡辺は「混合ダブルスだけが金メダルを取ったことがないので、ファンの皆さんには、ちょっとひいきしてもらって、僕らの応援ちょっと多めでやってもらえたら」と、ファンに後押しを呼び掛けた。東京五輪では日本代表の中で若手だった2人も、いまや中堅。エース格として自国開催の世界選手権で頂点を狙う。

渡辺勇大選手/東野有紗選手

■山口と奥原が健在の女子単は、大混戦

女子シングルスは、2人の優勝経験者が日本の主力となる。第1シードの山口は、昨冬に続く連覇に挑む立場になるが「自分の成長したところを確かめるというよりは、これからさらに成長していくところで、何か新しい発見があればいいなと思っている」と受けて構えることなく、自然体で臨む姿勢を示した。実際、狙われる立場を強く意識することはないだろう。この種目は上位候補が多く、混戦だ。東京五輪で金の陳雨菲(チェン・ユーフェイ=中国)、銀の戴資穎(タイ・ツーイン=台湾)、銅のプサルラ・V.シンドゥ(インド)ら実力者が健在。さらに昨年のBWFワールドツアーファイナルズを制した20歳の安洗瑩(アン・セヨン=韓国)、22歳の王祉怡(ワン・ジーイ=中国)ら次世代も台頭している。負傷で東京五輪に出場できなかった元世界女王キャロリーナ・マリン(スペイン)の復帰も混戦に拍車をかける。3月に戦線復帰して少しずつ調子を上げている奥原希望(太陽ホールディングス)はトップ選手の戦い方について「以前より上からの切れるショットを上手く使う選手が多くなっている印象」と話し、上からのショットやドライブなど攻撃面を強化していることを明かした。従来の持ち味であるフットワークを生かしたラリー力にメリハリをつけて臨むつもりだ。実力伯仲の種目で、24年パリ五輪に向け、それぞれの選手がどのようにプレースタイルを変えていくかも一つの見どころだ。

■中国1強を追う女子複、日本は3ペアが上位候補

女子ダブルスは、日本の3組が上位シード。志田/松山(再春館製薬所)は、今季、BWFワールドツアー最高峰スーパー1000の2大会を含む3大会で優勝。松山は「久しぶりの国内での(有観客)大会。昔の『シダマツ』より少しでも成長した姿を見てもらえれば嬉しい」とエース格へ成長した実力の発揮を誓った。ともに東京五輪でベスト8だった福島由紀/廣田彩花(丸杉)、松本麻佑/永原和可那(北都銀行)は、どちらも負傷から復帰後、少しずつ調子を上げている。廣田は「苦しいこともあったけど、気持ち的に強くなれた部分はすごくあると感じている。成長した姿をファンに見せられたらいい」と五輪後の右ひざ手術から復帰して目標としてきた舞台にかける意気込みを語った。松本/永原は、永原が右肩痛で戦線離脱した期間を経て、2人で試合の映像を確認しながら連係面を深めてきたという。最も頂点に近い陳清晨/賈一凡(チェン・チンチェン/ジァ・イーファン=中国)を日本、韓国、インドネシア、マレーシアのペアが追って上位を争う展開になりそうだ。

■男子複はエースの保木/小林が連覇に挑戦

男子複は、保木/小林が連覇に挑む。2019年に準優勝したときは、東京五輪の出場が濃厚だった先輩たちの陰に隠れる扱いとなった部分があったが、昨冬にはBWFワールドツアーファイナルズと世界選手権で金メダルを獲得。今年も2大会で優勝するなど、世界が認める強豪選手に成長した。小林は「以前は、試合中の歓声の大きさ(の違い)を感じた。自分たちが勝っても、そんなに喜ばれないし、気付かれない。最近は、エゴサーチをすると、以前とは比べ物にならないくらい良いコメントがあるので、頑張れる。インスタグラムのフォロワーも倍近く増えた。日本のファンの皆さんにフォローしてほしいです」と反響の違いを赤裸々に語りつつ、さらなる存在アピールを誓った。男子ダブルスは、インドネシア勢が世界ランク5位以内に3組と強いが、東京五輪を制した王齊麟/李洋(ワン・チーリン/リー・ヤン=台湾)、銅メダルのアーロン・チア/ソー・ウィーイク(マレーシア)らも上位候補。強豪がひしめく中で、保木/小林が自国で連覇を達成できるか注目される。

桃田賢斗選手

■男子単は「桃田の復活」と「奈良岡の躍進」に期待

男子シングルスの日本勢は、2つの注目点がある。1つは、20年1月の交通事故後、以前のような強さを発揮できていない桃田賢斗(NTT東日本)が復活するかどうか。今季、まだ優勝がない桃田は「最近の成績は(内容、手応えで)納得していないところが多いけど、負けたことを引きずっても良いことはない。気持ちを切り替え、自分の目標に迷いなく取り組めたら良い」と話し、持ち味であるレシーブの見直しを図っていることを明かした。もう1つの注目点は、国内4番手で追加エントリーとなった21歳の奈良岡功大(IMG)が、初出場でどこまで躍進するか。7月にシンガポールオープン、台北オープンで連続して準優勝。勢いを見せており、楽しみだ。この種目は、攻撃で押し切る選手が増える中、世界ランク1位のビクター・アクセルセン(デンマーク)を中心とした優勝争いが予想される。
世界選手権は22日に東京で開幕し、28日に最終日を迎えた後、30日からは大阪に舞台を移してダイハツヨネックスジャパンオープンが行われる。日本で開催される国際大会は3年ぶり。世界で戦う日本代表の雄姿をしっかりと見届けたい。

文:平野 貴也
平野貴也

平野 貴也

1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。

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