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スキー コラム 2022年3月15日

タイトルをかけた最後のバトル。選ばれた者たちのワールドカップ・ファイナル

SKI GRAPHIC present’sアルペンスキーコラム by SKI GRAPHIC
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シーズン序盤から飛び出し、終始トップの座を譲らなかったマルコ・オーダーマット。総合初優勝は確実だ

2021/22シーズンのワールドカップも残すところ最終戦「ワールドカップ・ファイナル」のみとなった。3月16日から20日までの5日間にわたって、男女各4種目(ダウンヒル、スーパーG、ジャイアント・スラローム、スラローム)が行なわれ、加えて18日には男女混成のチームパラレルも予定されている。ワールドカップ・ファイナルに出場できるのは、各種目のポイントランキング25位までの選手と、先日カナダのパノラマで行なわれたジュニア世界選手権の勝者のみ。したがってワールドカップのなかでも特別な意味を持つ大会で、多くの選手にとってワールドカップ・ファイナルに出場することは、ひとつのステータスとなっている。

今季のワールドカップ・ファイナルの舞台は、フランスのクールシュヴェル/メリベル。来年2月に行なわれる世界選手権の会場でもあるので、その意味でも大事なレースとなることだろう。

さて、現時点での男子総合と各種目別のランキングは、以下の通りだ。色付きの文字で表示されている選手は、すでにチャンピオンの座が確定しているが、それ以外はワールドカップ・ファイナルの結果次第でタイトルの行方が決まる。泣いても笑っても残り1レースなのだ。

■アルペンスキー FIS ワールドカップ 2021/22 男子ランキング(3/15日時点)
※青表示は既にタイトル確定
・総合(男子)

順位 名前 ポイント
1 マルコ・オーダーマット スイス 1379
2 アレクサンダー・オーモット・キルデ ノルウェー 1050
3 ヘンリック・クリストッファーセン ノルウェー 774
4 マティアス・マイヤー オーストリア 836
5 ベアト・フォイツ スイス 734
6 ヴィンセント・クリーヒマイヤー オーストリア 640
7 ドミニク・パリス イタリア 622
8 マニュエル・フェラー オーストリア 591
9 ルーカス・ブローテン ノルウェー 501
10 アレクシー・パントュロー フランス 513

・ジャイアント・スラローム(男子)

順位 名前 ポイント
1 マルコ・オーダーマット スイス 620
2 ヘンリック・クリストッファーセン ノルウェー 453
3 マニュエル・フェラー オーストリア 326
4 ルッカ・デ・アリプランディーニ イタリア 273
5 アレクシー・パントュロー フランス 260
6 ルーカス・ブローテン ノルウェー 228
7 ジュスタン・ムリジエ スイス 217

・スラローム(男子)

順位 名前 ポイント
1 ヘンリック・クリストッファーセン ノルウェー 371
2 ルーカス・ブローテン ノルウェー 323
3 リヌス・シュトラッサー ドイツ 307
4 マニュエル・フェラー オーストリア 301
5 ダニエル・ユール スイス 283
6 デイヴ・ライディング イギリス 262
7 ロイック・メイヤー スイス 261

・スーパーG(男子)

順位 名前 ポイント
1 アレクサンダー・オーモット・キルデ ノルウェー 480
2 マティアス・マイヤー オーストリア 350
3 マルコ・オーダーマット スイス 322
4 ヴィンセント・クリーヒマイヤー オーストリア 275
5 ベアト・フォイツ スイス 187
6 ジェームス・クロフォード カナダ 181
7 ラファエル・ハーザー オーストリア 150

・ダウンヒル(男子)

順位 名前 ポイント
1 アレクサンダー・オーモット・キルデ ノルウェー 570
2 ベアト・フォイツ スイス 547
3 マティアス・マイヤー オーストリア 486
4 ドミニク・パリス イタリア 482
5 マルコ・オーダーマット スイス 437
6 ニルス・ヒンターマン スイス 432
7 ヴィンセント・クリーヒマイヤー オーストリア 365

男子総合は、マルコ・オーダーマット(スイス)の総合初優勝が確実だろう。2位アレクサンダー・オーモット・キルデ(ノルウェー)とは329点差。計算上は逆転もあり得るが、追う立場のキルデは、スラロームはもちろんGSにも出場しないと表明しており、これは事実上のギブアップ宣言。総合優勝の大クリスタル・グローブは、24歳のスイスのエースの手に渡ることが決定的だ。オーダーマットは総合の他にすでにGSの種目別優勝を決めており、大小2つのクリスタル・グローブを持ち帰ることになる。スイス男子の総合優勝は2009/10シーズンのカルロ・ヤンカ以来12年ぶりのことだ。

総合での王座返り咲きはならなかったものの、現時点では最多のシーズン7勝をあげたアレクサンダー・オーモット・キルデ

一方、キルデはスーパーGのタイトルを獲得し、ダウンヒルでもランキングトップに立っている。ただし、2位のベアト・フォイツ(スイス)とは23点しか離れていない。フォイツはダウンヒルで昨シーズンまで4年連続で種目別タイトルを獲得しているだけに、5連覇への意欲も満々なはず。仮にフォイツが最終戦で優勝するとキルデは3位以内に入らないと逆転される。ふたりの一騎討ちに注目だ。

尻上がりに調子をあげ、2年ぶり3度目のスラロームタイトルに近づいたヘンリック・クリストッファーセン

男子では、スラロームも大混戦だ。計算上、種目別優勝の可能性があるのは5人いる。ポイントリーダーはヘンリック・クリストッファーセン(ノルウェー)。シーズン前半ぱっとしなかったが、中盤以降俄然調子を上げ、ガルミッシュ・パルテンキルヘン2連戦で連勝。一気にトップに躍り出た。

しかし、先週のフラッハウでは16位に沈み、混戦を抜け出すことができないまま最終戦を迎えることになった。2位につけるのは、同じノルウェーのルーカス・ブローテンでその差は48点。僅差とはいえないものの、スラロームは途中棄権も多い種目だけに何が起こるかわからない。けっしてセーフティリードとはいえないだろう。そしてクリストッファーセンもブローテンも失敗の多いタイプなのが気になるところ。ふたりとも共倒れで、3位につけるリヌス・シュトラッサー(ドイツ)が漁夫の利を得て逆転優勝などということもあるかもしれない。

女子についても簡単に触れておこう。現時点での女子総合と各種目別のランキングは、以下の通りだ。

■アルペンスキー FIS ワールドカップ 2021/22 女子ランキング(3/15日時点)
※青表示は既にタイトル確定
・総合(女子)

順位 名前 ポイント
1 ミカエラ・シフリン アメリカ 1245
2 ペトラ・ヴルホヴァ スロバキア 1189
3 フェデリカ・ブリニョーネ イタリア 931
4 ソフィア・ゴッジャ イタリア 851
5 サラ・ヘクター スウェーデン 742
6 ミッシェル・ギジン スイス 724
7 ラグニル・モーヴィンケル ノルウェー 695
8 コリンヌ・ズター スイス 657
9 テッサ・ウォーレー フランス 647
10 ロマーナ・ジーベンホーファー オーストリア 594

・ジャイアント・スラローム(女子)

順位 名前 ポイント
1 サラ・ヘクター スウェーデン 522
2 テッサ・ウォーレー フランス 517
3 ミカエラ・シフリン アメリカ 471
4 ペトラ・ヴルホヴァ スロバキア 431
5 マルタ・バッシーノ イタリア 276
6 フェデリカ・ブリニョーネ イタリア 216
7 ラグニル・モーヴィンケル ノルウェー 208

・スラローム(女子)

順位 名前 ポイント
1 ペトラ・ヴルホヴァ スロバキア 710
2 ミカエラ・シフリン アメリカ 469
3 カタリナ・リーンスベルガー オーストリア 372
4 レナ・デュール ドイツ 357
5 ウェンディ・ホルデナー スイス 321
6 ミッシェル・ギジン スイス 247
7 アナ・ブチック スロベニア 227

・スーパーG(女子)

順位 名前 ポイント
1 フェデリカ・ブリニョーネ イタリア 506
2 エステル・レデツカ チェコ 374
3 ソフィア・ゴッジャ イタリア 332
4 ミカエラ・シフリン アメリカ 300
5 ララ・グート-ベラミ スイス 286
6 タマラ・ティプラー オーストリア 259
7 ラグニル・モーヴィンケル ノルウェー 253

・ダウンヒル(女子)

順位 名前 ポイント
1 ソフィア・ゴッジャ イタリア 482
2 コリンヌ・ズター スイス 407
3 ロマーナ・ジーベンホーファー オーストリア 311
4 エステル・レデツカ チェコ 303
5 ミリアム・プフナー オーストリア 296
6 ナディア・デラーゴ イタリア 246
7 ブリージー・ジョンソン アメリカ 240

北京五輪での極度の不振から立ち直ったミカエラ・シフリン。3年ぶりの大クリスタル・グローブ獲得なるか

総合は、ポイントリーダーのミカエラ・シフリン(アメリカ)と2位につけるペトラ・ヴルホヴァ(スロバキア)の争いに絞られた。ヴルホヴァが逆転すれば総合2連覇。シフリンが逃げ切れば3年ぶり4度目の総合優勝となる。

総合では僅差でシフリンを追いかけるペトラ・ヴルホヴァ。スラロームの種目別優勝は確定している

ふたりとも技術系種目を得意とし、今季は高速系にはあまり出場していなかったが、その気になればダウンヒル、スーパーGでも優勝する力を持つオールラウンダー。最終戦ではともにダウンヒルから全種目出場する構えを見せているので、勝負は最後までもつれそうだ。

北京五輪のGS金メダリストのサラ・ヘクター。その勢いでワールドカップのGSチャンピオンの座を狙う

また、サラ・ヘクター(スウェーデン)とテッサ・ウォーレー(フランス)が争うジャイアント・スラロームにも注目したい。

5年ぶりのGS種目別優勝を狙うテッサ・ウォーレー。来年は地元での世界選手権を迎える

ヘクターがリードしているとはいえ、その差はわずか5点。ウォーレーにとっては、地元の利もあるので、両者互角といってよいだろう。大会最終日の一騎討ちが楽しみだ。

文:田草川 嘉雄

SKI GRAPHIC

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