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フィギュア スケート コラム 2023年1月25日

チョック&ベイツ組は2年連続戴冠なるか!ハイレベルな戦いから目が離せない | 全米フィギュアスケート選手権2023 アイスダンス プレビュー

フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部
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マディソン・チョック&エヴァン・ベイツ組

マディソン・チョック&エヴァン・ベイツ組

目標は世界選手権優勝。こう毅然と宣言して、新たな旅へと滑り出したマディソン・チョック&エヴァン・ベイツ組にとって、全米選手権は極めて重要なステップだ。いまだ「構築中」だったプログラムを完璧に仕上げ、シーズン後半戦へと自信を持って挑みかかるために。

1年前のナショナルで2年ぶり3度目の優勝を果たした。昨春の世界選手権では6年ぶり3度目の表彰台乗り。充実したシーズンを送ってきたチョック&ベイツの2人に、現役続行への迷いはなかった。

ただし長くハードだった五輪シーズンの後には、たくさんのアイスショーや休暇、そして婚約……と公私ともに充実した夏を過ごした。しかも例年なら早めのチャレンジャー大会やローカル大会で足慣らししてきたものだが、今季はグランプリシリーズからの始動。そのせいか近年の2人をより魅力的にしているフリーダンス(FD)は、初戦アメリカ大会ではいまだ完成には程遠かった。

良い意味で完璧主義者の2人は、これまでも大胆にプログラムを練り直すことを決して厭わなかった。今季もトータルで優勝はしたものの、FD自体は2位に終えた初戦の後、約1ヶ月後のNHK杯へ向け思い切って使用楽曲を一部変更。テーマも「火と空気の精=互いになくてはならない存在」へと絞り込んだ。さらに3週間後のグランプリファイナルでは、コスチュームを変更し、振り付けも改良。濃密で激烈な、より2人らしい世界観を作り上げた。構築中のプログラムで臨んだ後半2戦は、いずれも2位止まりだったものの、本人たちはむしろプログラムの進化に手応えを感じたようだ。

RD「Let's Dance」もやはり、初戦以降に見せ場のリフトを作り直し、よりダイナミックに、より華やかに踊る。5プログラム連続2位……という少々気になる流れを断ち切る準備は出来ている。全米選手権11年連続表彰台はもちろん、今や大ベテランとなったチョック&ベイツ組には、2年連続の戴冠こそふさわしい。

「チョクベイ」と長らく全米トップ争いを繰り広げてきたハッベル&ダナヒュー組が現役を退き、今季グランプリファイナル進出のケイトリン・ホワイエク&ジャン=ルック・ベイカー組が「一回休み」を選んだ今大会だからこそ、残るメダルの行方からも目が離せない。

とてつもなく興味深く、素晴らしくハイレベルな戦いとなることは間違いない。なにしろアメリカには才能高き「元ジュニア世界チャンピオン」たちが大量に控えているのだ。チョック、ベイツ(別々のパートナーで)、ホワベイに続いて、ロレイン・マクナマラ、マイケル・パーソンズ、ヴァディム・コレスニク、そして昨季のウーナ・ブラウン&ゲージ・ブラウン組……。

一方でシニア部門で世界の頂点を極めたアメリカ人アイスダンスカップルは、2011年・2013年のデーヴィス&ホワイトのただ1組のみ。

そんなチャーリー・ホワイトが2022年に設立した「ミシガン・アイスダンス・アカデミー」が、もしかしたら、今年の全米選手権を大きく席巻するのかもしれない。なにしろ昨大会4位キャロライン・グリーン&マイケル・パーソンズ組と5位エミリー・ブラッティ&イアン・サマーヴィル組、さらには6位カタリーナ・ウルフコスチン&ジェフリー・チェン組が、さっそく今季からチャンピオンに指導を受けている。

2人にとって初めての国際選手権=四大陸で見事優勝を飾ったグリーン&パーソンズ組は、拠点変更による足踏みも覚悟していたという。ところが今季はカップルとして初のグランプリ表彰台に、初のトータル200点超え。むしろ輝かしい飛躍を遂げた。世界のトップを知る指導者たちの経験を吸収し、同世代のライバルたちと研鑽し合えたことが、大きなプラスに働いたという。

パーソンズの丁寧で端正なスケーティングと、グリーンの柔軟で真っ直ぐな向上心。昨季はクリエイティブな面で魅せてくれたけれど、今年のFD「Rhapsody in Blue」は堂々たる正統派で勝負している。しかもかつての「メリチャリ」を彷彿とさせる、重力を感じさせない、ふわりエアリー感さえも身にまとって!

結成わずか2季目にして、今季チャレンジャー大会で初の国際メダルを獲得したブラッティ&サマーヴィル組は、ホワイトの振り付けたプログラム2本で勝負する。爽やかなスピード感に、あふれるポジティブな雰囲気、なによりサマーヴィルの癒やし系笑顔は必見だ。またすでに3つの年代別カテゴリーで全米タイトルを手にしてきたウルフコスチンと、カレン・チェンの弟ジェフリーのカップルも、新天地でさらなる魅力を開花しつつある。

メリチャリの好敵手スコット・モイヤーに2シーズン前から師事するのが、モントリオール組のクリスティーナ・カレイラ&アンソニー・ポノマレンコ。昨オフ中に男性側が長年痛めていた足首を手術し、今シーズンへ向けての調整には少々時間を要したけれど、おかげで2026年ミラノ・コルティナ五輪への来たるべき4年間へ向けて準備は万端。あとは上がっていくだけなのだ。

直前のユニバーシアードで銀メダルを手にしたロレイン・マクナマラ&アントン・スピリドノフ組や、昨ジュニア世界選で柔らかい膝と素晴らしきショーマンシップを披露し、これから10年先まで楽しみなブラウン兄妹。さらには結成1年目にして……女性はアイスダンス歴1年目……というエミリア・ジガス&コレスニク組の、初めての全米選手権にも大いに注目したい。

前述の通り別パートナーとジュニア世界チャンピオンにまで上り詰めたウクライナ出身のコレスニクと、前キプロス籍のシングルスケーターとして五輪出場を目指していたアメリカ生まれのジガスは、予選会(USアイスダンスファイナル)を勝ち抜いて全米挑戦権を手に入れた。チャレンジャーシリーズのザグレブ大会で銅メダルを手に入れた2人。男性のたしかな技術力と、女性の華やかな女優力とで、すでに魅力的なカップルであることは間違いないのだ!

文:J SPORTS編集部

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