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【フィギュアスケーターのオアシス♪KENJIの部屋】with フィギュアスケート・ラボ ~18/19シーズン予習SP~ 後編
小塚崇彦のフィギュアスケートラボ by J SPORTS 編集部フィギュアスケートファンの“もっと選手の素顔を知りたい!”という熱い想いに応えるべくスタートした、 J SPORTSの名物番組「フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋」。
10月は、小塚崇彦さん、中庭健介さん、岡崎真さんをゲストに迎えた“シーズン予習SP”を放送! プロの視点から、今シーズンの主なルール変更点などを分かりやすく解説してくれています!
今シーズンの主なルール変更点 PCS
小塚:続きまして、プログラム・コンポーネンツ・スコア(PCS)。通称「ファイブコンポーネンツ」と言われるやつですね。
岡崎:一般の視聴者からすると「転倒したりミスが多発したりしている選手なのに、なんで点数が出て優勝しちゃうの?」みたいな感じで、やっぱり不可解なんですよ。「明らかに失敗しているのに」って。きれいにまとめているように見えても実は細かいミスをしているから失点して負けているんだけれども、もう少し転倒に関しての罰則を厳しくしてもいいんじゃないかっていうところから始まって、今回のGOEの変更だったりもあると思うんですけど。まあ個人的な意見もちょっと多いのですが。
全員:うんうん。
岡崎:コンポーネンツのほうも、やっぱり転倒とか重大なエラーがあるときに、この項目は例えば10点満点を出すべきではない、9.5点以上出すべきではない、みたいな制限がやっと文章として出てきたので。例えば、2回転んでいる選手に10点のコンポーネンツとかはもう出ない。だけどそれはそこの(高い)レベルだけじゃなくて、「このぐらい(中程度)の点数を出そうかなって思ってたけど、2回転んじゃったし、ちょっと下げようかな」っていうときに、じゃあ5点台の選手はそのままでいいのかっていう話には直結しないと思うので。やっぱりエラーがあったらそれだけ精彩を欠いているわけだから、その分コンポーネンツ(のスコア)にも反映させて然りなんじゃないだろうかと。やっぱりミスに対してすごく厳しくなった、きれいでクリアなものを見たい、と。
——ジャンプで失敗したとしても、例えばスケーティングがすばらしくきれい、でも10点はない…。それはなんか寂しいような気もするけど、プログラム1個として考えたら仕方がないもんね
中庭:そうですね。だからやっぱり、GOEもそうだし、ミスのないクリアな演技を目指すべきですよね、選手もコーチも。
——振り付けしててさ、たまーに、「こけたときどうすればいいんですか?」って言われるときがあって。あるの、ほんとに(笑)。「失敗したときに、次、曲に間に合わへんかったらどうしたらいいんですか?」って。「僕はこけたことを想像していません。ミスせずに滑ってください」と。しゃーないもんね、そう言うしかないですよね
中庭:あたりまえですよね、先生の立場だと(笑)。
今シーズンの主なルール変更点 違反要素
——違反要素についての変更というのは?
岡崎:両膝をついて長~く…だから最初のポーズでついているとか、最後のポーズでついているとか、あとは氷上に寝そべったりだとかいうのが禁止されて。キャンデロロスピンとか、あったでしょ?昔。
小塚:ああ、膝をついてそのままグルグルって。
岡崎:そうそう。だからあれも結局「ブレードではないじゃないか」から始まって、あのへんから「そういうのはやるべきじゃない」みたいな話になっていて。(そういう制限が)ゴロっとなくなってしまったので、両膝をついたりとか寝そべったりとかっていうことをプログラムの最中にできるようになったから、振り付けの幅が広がったのかなと。
——でもほら、あったじゃないですか。右膝ついて、左はエッジだけど、ほんとはちょっとついてないとか。そういうのはこれまでちょっと微妙に入れにくかったけどね
岡崎:それはもう怖がらなくてもいいようになったというか。
——でも両膝ついて回ったりしたときの転倒が、一番恥ずかしいですよね(笑)
岡崎:だから、片膝でもそうだけど、そういうのをやりながら「おっとっと~」って手をついたりしちゃったら、僕は転倒って言っちゃうかもしれない。バランスを崩してるから。エラーでしょ?それは。それで失敗したって言っても、スケーターの責任なんだから。コントロールを失ったりバランスを崩していたりするのが見えちゃったら、例えば手をついちゃったりとか何かした段階で「ああ、転倒かな」って。それが良くコントロールされた上で振り付けとして成り立っていれば、スルーしますけど。
注目するルール変更点
——今回のルール改正の、皆さんのキーポイントを教えてください
中庭:僕は、ステップ、コレオシークエンス、スピンの3つの要素ですね。特にやっぱりGOEの変更点が大きくて。僕はこれらを「生きる要素」って言ってるんですけど、やっぱりジャンプに比べてこの3つっていうのは、選手にとって本番で失敗しにくいというか、練習したらした分だけ精度が上がっていくし、さらに言うとプラス5が狙いやすい要素なので。やっぱりこの3つの要素をプログラムの本番の中できちんと高めることができた選手が勝っていくし、そういう選手を見たいですね。
岡崎:私はGOE。テクニカルスペシャリストの私にはふさわしくない項目なんですけれどね(笑)。でもこれによる影響がすごく大きい。トリプル・トリプルを試みてもトリプルとアンダー・トリプルとアンダー…マイナスが以前は2~3で収まってたところがどんどん加算されてしまうと、いくらトリプル・トリプルをなんとなく流れ良く決めていても実は点数が少ないよっていうところでね。だからやっぱり「より正確なものをクリアに確実に」っていう方向性が出てきているので。
小塚:プラスがつけばつくほど、なんかこう、どんどんプラスの幅が大きくなっていくっていうのは確かにね。
岡崎:4回転ジャンプに関しては確かに(これまでも)ハイリスク・ハイリターンって言われていたけれども、(今季からは)全部の要素がそうなったのかなと。例えば、スピンでレベル4を取ったら、その分基礎点が高くなるのでマイナスされたときの減点も大きくなる。そういうことを考えると、4回転ジャンプに限らず、すべての要素がもうハイリスク・ハイリターン。
小塚:僕はやっぱり、フリーが4分間になったっていうのは、男子には大きいんじゃないかなと思っていて。やっぱり体力的な面を、元選手としては考えちゃう。特に、後半。ジャンプが1.1倍になるのもそうだけど、それだけじゃなくて、プログラムの後半にどれだけ体力が残っているかっていうのも結構カギになってくるんじゃないかなっていうふうに。体力があるからこそGOEプラスに繋げられるっていうのもあるだろうし。そういったところは結構大きく変わるんじゃないかと。賢二先生は?
——もう~「オイラー」ですよ!
全員:(笑)。
——なんかもう響きがおもしろい(笑)。でもそのさっき教えていただいた「違反要素が減った」っていう点で、僕は振付師なので、振り付けの幅が増える。やれることはもっとやっていきたい、それが点数に変わっていく、という意味で、振り付けの部分での楽しみがすごく増えたのかなって。もちろん、ジャンプに関して厳しくなったり、いいものはいいと評価されるのは大事だけれども、他の部分に重点を置いてくれるようになってきたのかな…と、おいら~は思います。
全員:(笑)。
小塚:でもほんと、いろんな演技が見られるようになったっていう。
岡崎:フリースケーティングって言ってる割に自由度がどんどん減っていってる、みたいなところがあったからね、確かに(笑)
——これでまた、いろんなことができるのかなっていう
岡崎:うれしい改正でしょうね、これは。
——そうですね
注目の海外女子シングル選手
——僕あんまりベタなのはちょっと…。この人ですね、カロリーナ・コストナー!
全員:ベタ中のベタ(笑)。
——もちろん応援しているっていうのもあるんですけど、さっき(改正にまつわる)いろんな話を聞いたときに、じゃあプログラムをクリアに済ませたときにどうなのかっていう。4回転をちょっと汚く降りてしまうよりもトリプルをきれいに降りるとか、ほんとにプログラムとしてまとまったきれいな演技をしたときにどういうふうになるのか。それこそ4回転を持っていない、で、完成度が高いもの
全員:うんうん。
——(彼女とは)アイスショーとかでも一緒やったんですけど、簡単なジャンプには変えないんですよ、プログラム中も。そこは、フリップを入れるし、ループを入れるし、コンビネーションも入れるし。やっぱり彼女はすごく強い心を持っていると思うんで。去年ちょっと悔しかったじゃないですか?それを乗り越えてどうなるのかなって。さらに成長したっていう
岡崎:私はベタなんですけども、エフゲーニャ・メドヴェージェワ。長年慣れ親しんだ環境から一転、今度はカナダのコーチ、ブライアン・オーサーのところに移籍し、きっと新しい振付師とも出会い、新しいプログラムと出会い、また彼女の新たな一面が現れる。環境が変わったことによって。
——そうですよね~
岡崎:(平昌オリンピックで)ものすごい挫折を味わって、またそのタイトルを得るためには4年間待たなきゃならない。4年後どうなっているのか。シェルバコワ選手だったりトゥルソワ選手だったりがそのまま4回転を維持していたらどうするんだろうっていうところもありますし。まあでも今、シニア女子のレベルを考えたときに、彼女が完全復活をしてまた新たな持ち味を得て出てきたら、それこそGOE主体になったこのルール改正の元ではものすごく強いんじゃないかなっていうところで、ちょっと期待したい部分はありますね。
小塚:なんかあの、北米系、ロシア系、ヨーロッパ系とかって分かれるじゃないですか。で、彼女はロシア系なんだけど、これから新しく北米テイストが入ってくるとどういう感じになるのかなっていうのは、確かに楽しみですね。
——ちょっと新しくなりそうな感じ、しますよね
岡崎:そうそう、新境地が見られそうで、なんかすごく期待したいなと思いました。
中庭:僕はご存知の、アンナ・シェルバコワ。
——ああ、アンナ・シェル…バ…コワ?(笑)
中庭:絶対知らないでしょ(笑)。
——めっちゃ一文字ずつ読んでる(笑)
中庭:今年ついにデビューしてくる、ロシアのすごく若い選手なんですけども。彼女も4回転を複数、もうすでにプログラムの中に入るレベルで跳んでいて。さらにびっくりするのは、トリプルジャンプの入口ではなく出口までもかなり複雑にこなすプログラムを見て、度肝を抜かれた降り方があって。ぜひ見て欲しいんですけれども、降りた瞬間にもうビールマンスピンのようなポジションに行く要素がありまして。トリプルジャンプを降りた瞬間に、もう、フリーレッグを頭の上まで手で持って上げる、みたいな。
——もう手で持ったまま跳んだらいいのにね(笑)
中庭:そのプログラムの複雑さや4回転という武器も含めて、今年ぜひ注目したい選手として挙げました。
小塚:僕は、長洲未来。やっぱりオリンピックのときにトリプルアクセルを跳んでいて。女子の流れってすごくこうなんか、レベルの1段、2段…という感じでトリプルアクセルだったり4回転だったりっていうところになってきているんじゃないかなというふうに感じていて。そういう意味では、浅田真央さんがいて、それからいろんな人が跳び始めて、その流れでオリンピックで(長洲選手が)トリプルアクセルを跳んでくれて。今シーズン、来シーズン、その先…っていう流れができている中で、トリプルアクセルを跳んだっていうのがすごく僕としては評価が高くて。アメリカのテレビでダンスの番組に出ていたりとか、そういうのちらっと見たりもしたので、ジャンプだけじゃなくてそういった表現の面だったりとかっていうのもまたおもしろいスケートを見させてくれるんじゃないかと思います。
女子シングル 勝負のポイント
——ルール改正の後、女子ではどういう選手が表彰台に上がりそうですか?
中庭:僕は女子選手の場合、男子選手と比べると、今年新しくルールが変わってアンダーローテーションの範囲が少し広がったことにより点数が下がってしまう、つまり減点が勝負の境を分けると思います。なのでやっぱり、クリアにきちんと降りてくるジャンプを持っている選手が、まずは絶対勝っていくんじゃないかなと思いますね。
小塚:まずは世界の舞台に立つ前に、日本人選手の中で戦いがあるんじゃないかなと思っていて。一昨年ぐらいまではまだ年齢的に若くて、そのせいかどうかわからないですけどキャラが確立されていなかったのが、去年のオリンピックのシーズンを経てどんどん各自のキャラが際立ち始めているなっていうのを感じていて。そのキャラとキャラとのぶつかり合いが全日本選手権で行われて、その中から世界選手権へと出て行って、世界の舞台に立ったときにはもうトップで戦う準備ができているんじゃないかと思って。そこが僕は楽しみだなって思います。
岡崎:でもなんかジュニア選手とか、トゥルソワ選手もそうですしシェルバコワ選手もまあこの間の試合ではやっていなかったんですけど、確立された4回転があるので入れてくるとは思うんですけど、やっぱりちょっとやろうかなって思ったときに「あんまり確率良くないし転ぶ可能性も高いしやめておこうか、じゃあトリプルルッツまでの3-3できれいにまとめるか」っていうのがどうしてもやっぱり主流になっていくのが続いて、たまに日本の紀平選手みたいにトリプルアクセルを含めたりっていう選手がちらほら出てくる。
全員:うんうん。
岡崎:けれども、男子みたいにジャンプでガーンと行く感じがちょっと弱いのかな?女子は。やっぱりそれよりも、スピンでレベルを取って質を下げないで、コンポーネンツで点数を取って、GOEで取って…っていうほうの勝負が続いていくから、やっぱり完成度が高いもの、よりミス無く滑ったもののほうが勝っていう流れが止まらないのかなって。
——今、ジュニアの勢いがすごいじゃないですか?バンバン跳んで、例えばどう言ったらいいんかな、今いるシニアの選手が圧されるんですけども。「違う違う」「ジャンプだけじゃない」と。シニアの方たちが持ってる雰囲気だったりプログラムの内容だったりっていうのを、もっと見せてもらって、ぜひそのシニアの人に頑張っていただきたい!
全員:うんうん。
中庭:いやもうすごくわかります、それ。
——勢いがあるのは、もちろんわかります。でも、その子たちも絶対シニアになるし、そのときに自分が持っているジャンプ以外の武器をぜひ見せてもらいたい。で、それを見て「ジャンプも素晴らしいけれども、感動するのはどっちなのかな」って考えると、まあ人それぞれですけども、僕は(武器を取り入れて)できあがったものを見てみたいなっていう感じがします
小塚:フィギュアスケートですからね~。
——フィギュアスケートです!
4年振りに現役復帰 橋大輔選手
——びっくりしましたよね
小塚:ね~。
中庭:衝撃的でしたよね。
——「え?」って(笑)
岡崎:記者会見当日に、マネージャーさんからメールが入り「え?今日エイプリルフールじゃないですよね?」って。
——それみんな言うてましたよね(笑)
岡崎:絶対だまされたと思って。「何の冗談?」と思って。
——(携帯に届いたメッセージを見て)「え?」ってなって、「ま、頑張って」って返事して(笑)。でも、聞いて、どうですか?
岡崎:いやあ、なんか鳥肌立ったね。「また見られるんや~」って。「あいつ、やっとやる気になりおったんや~」って思って。ソチが終わって、なんかちょっと消化不良で。なんでまたこういうことになったんですかっていうと、「全日本(選手権)の最終グループで羽生結弦と宇野昌磨と滑りたい」って。そこが目標で、彼の今のモチベーションなんだって。はぁ~すごいな~って思って。
——いや、すごいっすよ
岡崎:この、何年間を経て、やっと自分でやりたいっていう気になったらしい。
——自分からね、なるほど。あ、でも、小塚くんなんかは引退してまだそんなに経ってないから、気持ちはわかったりする?
小塚:うーん、僕はわかんないですけども~。
——わからんのかいっ!(笑)
小塚:けど(笑)、まあやっぱり「やりたい」っていう気持ちになるんだな~と思って。今僕はアイスショーに出させてもらっていて、他にスケートだったりとかスポーツだったりとかでやりたいことがある。でもさっきの話を聞いていると、大ちゃんってどっちかというと「やりたいこと」というよりも「あるからやってた」って感じだったのかなと思って。実際に「やりたい」っていう気持ちがほんとに出てきたんだったら、それはやっぱりアスリートとして強いんじゃないかな~って。
中庭:僕らとしてはやっぱり、変に期待をせずに、見守ってあげるって言ったらちょっと変ですけど、そういった自由な橋大輔に期待したいですね。
小塚:でも一緒に練習したときは、フリップの練習をしていて。トリプルだったんだけど、そのトリプルを余裕をもって跳ぶ練習をしていたから、やっぱり試合に出るための練習もちゃんとやってる。だから、見せるだけじゃなくて、自分の演技を目指すだけじゃなくて、ちゃんと試合として極めていくというか。そういったところも「ああ、考えてるんだな」って思いながら、一緒に練習していました。
岡崎:いやぁ、楽しみですね。
注目の海外男子シングル選手
——では、今シーズン、日本人選手のライバルになりそうな注目の外国人選手を話していきたいと思うんですけど。じゃあ僕のほうから。ボーヤン・ジン選手。もちろんルール改正で4回転のこともあるんですけれど、年々演技力がものすごく良くなってきていると思うので、ジャンプだけじゃなくプログラムやコンポーネンツとかでどんどん上にくるのかな~と。あと、去年結構失敗が多かったんでしたっけ?
中庭:そうですね。
岡崎:世界選手権は特に。
——結構ひどかったですよね。だからその修正もされてるんだろうと思うので、まあちょっと注目かなと思います。
小塚:確かにスパイダーマンとかね、だんだんこう、見てておもしろいな~っていうプログラムをねぇ。
岡崎:キャラが立ち始めたような感じですよね。
——これね(ボーヤン選手独特の指の決めポーズをする)。最初「ん?」と思ったけど、だんだんおもしろくなってきたよね
小塚:僕は、ミハイル・コリヤダ。あのジャンプが成功するのか否か(笑)。それこそ、彼のジャンプが成功したら、パチーンと降りてくるから。今年の(ルール改正での)回転不足の面では全然問題ない選手だと思うので、そこの心配はする必要性がないかなと思っていて。まあこの選手のジャンプがお手本になってくるのかな~とか。ただ、やっぱりミスが多いから、そこは大きくてきれいなジャンプを見せてほしいなっていう。やっぱりロマンというか。あれだけでっかいジャンプでね、気持ちいいやつを見たいなっていう期待を込めて。
岡崎:私はですね、ネイサン・チェン選手。現、世界王者ですね。4回転の種類を多く持っているので、すごく有利。(ルールが改正された)繰り返しのこととかを考えても、種類がたくさんあるのでその他にも4回転をたくさん組み込めるから。でも一見有利なように思えて、彼のジャンプってそんなにGOEがついてこないのかなって。なんとなくプラス5とか4とかがつく印象を受けないので、たぶんジャッジの方もそうじゃないかなと思うんですよ。そうなったときに、点数がどうなってくるんだろうっていう興味があるのかなって。
小塚:まあ、もしかしたら、そこらへんの対策もしてくるのかもしれないし。
岡崎:うん。日本選手の壁になるのは間違いないと思うので。
中庭:僕は、スティーブン・ゴゴレフです。恐らく「誰?」って言う方も結構多いと思うんですよ(笑)。ジュニアで、カナダの選手なんですけれども、4回転がすでに3種類プログラムに入る。13歳で。しかもそれが、4回転ルッツ、4回転サルコウ、4回転トウループ。ジュニアの日本勢にとってはかなりライバルになるし、この選手は覚えておいて損はないな~と。
——そんなうまいんか?
中庭:はいっ!
岡崎:11歳から跳んでるから。2種類(笑)。
——そうなんですか?ランドセルしょって?(笑)
岡崎:まあ向こうはランドセルがあるんかどうか知りませんけど(笑)。
——ないけども(笑)。日本でいう考えで、黄色い長靴履いてるときにもう4回転なんだ
男子シングル 勝負のポイント
——いろいろ点数のつけ方は変わった中、男性選手はどういう選手がトップにいそうな感じがしますか?
岡崎:スポーツ的な部分がちょっと消えてしまうのは嫌だけど、でもたぶん、今自分ができている最大限をいかにクリーンにやるか、ミスなくやるか。でも、すごく攻めないにしても、完全に守るところまではいかないのかなっていう。できているものを入れないっていう選択肢はないので、冒険はしないけどたぶん挑戦はすると思うから、ちょっとずつでも今の流れのままいってくれるのかなっていう。
小塚:最初から最後まできちっとパーフェクトにクリアにやるっていうのは勝つという意味ではそうかもしれないけれど、やっぱりフィギュアスケートとして、フィギュアスケートらしさを僕は失くして欲しくないな~って思うから、見ていておもしろいなっていうものはやって欲しいなっていう。でも、だんだんルールがそれに近づいてきているんじゃないかっていうのは、なんとなく感じていますね。
——じゃあ日本人選手はめっちゃいきそうな感じがしますね
小塚:うん、まあなんか、ひとつひとつきっちりしてるしね、やっぱり日本人はね。
中庭:そこは日本人の良さですよね。細かいところまでやっぱりきちんと練習もしているし、そういった部分が日本人の良さなんでね、そこは出ますよね。
今シーズンの注目ポイント
——今シーズンの見どころというか、どんなところに注目するとおもしろいか、ちょっとひとことずつ
中庭:昨シーズンにオリンピックという大きなイベントが終わって、新天地へ行ったり、環境を変える選手がたくさんいるんで、やはり今シーズンはそういった選手の新たなる一面であったり、新しい世界観なんかを楽しみにご覧くださったらおもしろいと思います。
岡崎:なんかちょっと勢力図も大きく変わるんじゃないのかなっていう。数値的にたぶんスケーターたちも、まだ自分たちがどのぐらいやったらどのぐらい点数が出るのかなって把握できていないと思うので、そのへんのところでちょっと上下するみたいなのがあって、戦国時代のようになっておもしろいんじゃないのかなって。意外と下克上があってみたりとかするのかな~と。
小塚:あの、今年から確か、世界歴代記録がリセットされたんですよね。昨シーズンまででリセットされて、今シーズンからルールが新しくなったっていうのもあって変わったって聞いているので、どんな点数が出るのかっていうところも楽しみですし。今シーズンもそうですが来シーズン、再来シーズンっていうふうにどんどん繋がっていったときに、どういうふうに点数の移行がなされていくのかっていうのも楽しみだな~って思って。それこそ僕たちが初めて新ルールでやったときに「ん?」「これで良かったんだろうか」って思ったみたいにね(笑)。
——いいのか悪いのかわからんけども、スコアを見上げてる(笑)
小塚:その時点でのランキングが出て「ああ、今の良かったんだ」ってわかるような感じでやっていたのと、たぶん同じような気持ちっていうのも多少なりともあると思うから、そこらへんは楽しみだな~と思います。
■次回予告
J SPORTS 編集部
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