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フィギュア スケート コラム 2017年12月20日

フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋 【with フィギュアスケート・ラボ ~17/18シーズン予習SP~】 完全版_後編

小塚崇彦のフィギュアスケートラボ by J SPORTS 編集部
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スポーツテレビ局J SPORTSの人気番組「フィギュアスケーターのオアシス♪KENJIの部屋」2017/2018シーズン!日本選手はもちろん、海外選手のプログラムも多数手掛ける振付師・宮本賢二さん(KENJI)が、ゲストを迎えて、楽しく、真剣にトークを繰り広げます!

今回は2010年の全日本王者で「フィギュアスケート・ラボ」MCでもおなじみの小塚崇彦さん、現役時代は4回転ジャンパーとして活躍し現在はコーチの中庭健介さん、ISU(国際スケート連盟)のテクニカルスペシャリストとして数々の国際大会で技術審判を務める岡崎真さんをゲストに迎え、五輪シーズンの今季のルール変更のポイントや見どころ、日本選手のライバルとなる各国注目選手について、元選手、コーチ、審判、そして振付師の視点で語り合います。

注目の海外男子シングル選手

——今シーズンはいよいよオリンピックシーズンということで、後半戦は日本のライバルとなると外国人選手の話をしていきたいと思います

一同:はい。

ジェイソン・ブラウン選手

——ではまず男子から、注目の選手書いていただきましょう。ちょっと僕からいっていいですか。ジェイソン・ブラウン選手

岡崎:うーん。

——もちろんジャンプとかもね、あれなんですけど。スケートに対する愛があふれている、こちらが幸せになる。それがもっとこう見ていたいなっていう気持ちになる。どうですか?

小塚:楽しくなる、見ててね。

岡崎:わ~って気持ちで終わることが多い(笑)。

——なんか良かったっていう

岡崎:なんかジ~ンみたいな。

中庭:愛を感じますね。

——そういう感じで僕は注目してます。四回転やりましたっけ?

岡崎:一応やるのはやるんだけれども、確率が悪いのと。種類も持ってないんですよね。コンポーネンツはもうほんとに定評がある、システィーンも上手なので。ジャンプが今やっぱり四回転でないとね、戦っていけない時代だから。

——四回転のそのジャンプの確率を上げてもらって、表現力はほんとに素晴らしいので。その辺をちょっと頑張ってほしいなと思います。

小塚:プログラム中の小技も効いてますよね。

ネイサン・チェン選手

——じゃあ小塚くん

小塚:はい、じゃあ僕はネイサン・チェン選手。話題ですよね、まあやっぱりジャンプというところに注目をすると彼が日本人のライバルになってくるんじゃないかなというのが。シーズン初めには五種類も跳びましたし、基礎点でいうところではかなり点数出してくるんじゃないかなと思うんで。テクニカルというところはかなり稼ぐのかなっていう風に。

——ジャンプはすごいもんね。プログラムの中でトリプルアクセルが一番簡単だからって。おかしいおかしい(笑)

岡崎:去年は一気に難しくなりすぎちゃって、ジャンプの種類が増えたでしょ、突然。ジュニアの時に、ずっとプログラムをとても密度の濃いものをこなしてた選手なの覚えてて。ちょっと言い方悪いんだけど去年はジャンプにフォーカスしすぎてて、間が少し簡素化されているのかなって印象があったんだけども、去年あれだけのことをやっているのだから自信にもなっているでしょうし、確率も上がっているのだから、今年は武器の数でもっともっとプログラムが練れたものになってきてたらコンポーネンツもついてくるだろうから、ほんとに日本勢の強力なライバル。

中庭:真先生が言ったように、昨シーズンあれだけのものをやってるから、もう四回転が五つぐらい入ってても彼の中では慣れている、それに。一年間やったので。その慣れている状態から今シーズンが始まるっていう武器っていうんですかね。彼の無意識の、僕らにとって次元が違う考え、意識の高さが彼の最大の武器になると思いますね。

小塚:なんだかんだ言ってもやっぱり、オリンピックシーズンで緊張すると思うので、緊張した中でどうやってパーフェクトなことをやるのかという意味では、去年やってるのは強いかなと。

ミハイル・コリヤダ選手

——じゃあ、健ちゃん

中庭:はい、僕はミハイル・コリヤダ選手ですね。昨シーズンロシアチャンピオンに輝いた、素晴らしいスケーターなんですけども。やっぱりとにかく今四回転が複数で、しかも難易度の高い四回転が跳べないと上位には来れないって中で、彼はつい最近の試合で四回転ルッツを成功させて、さらに四回転サルコウまで身につけて、少なくとも三種類、そのうち一つは最高の難易度の四回転ルッツが成功できるってのが一つ大きな武器になってくるんじゃないかなと。あとはやっぱり22歳という、若くてしかも勢いのある選手なので、日本人にとってはすごく良いライバルになるんじゃないかなと思いましたね。

——スケートもよく滑るよね

小塚:今までこうロシアって言うと、彼、皇帝がずっと君臨していて、まぁプルシェンコ選手がずっといる中、いろんな選手が出てきたりとか。でもそれでも世界選手権は出るけどオリンピックでダメですっていうような形があったけど。今回こそついに皇帝を撃破するというか、超えるような選手が出てきたんじゃないかなっていう、そんな期待感を持てる選手かなと。

岡崎:確かにね、絶対的な存在がありすぎて、そのあとがちょっと育ってない、弱い。そこそこ出てくるんだけれどもって時代が続いてた中では、彼もケガしたりしてちょっと低迷してた時期もあったけれども。トップに上がってくると、それぞれがそれぞれのワールドとかカラーを持っていて、彼独特の表現方法とか表現の仕方とか、引きこまれる感じもあるんで、そのままもちろん望ましいジャンプ不注意も増えてっていうところも見所だと思うんですけれども、どういうプログラムを選んでくるのかなというところが楽しみでもある。玄人受けするタイプ。

中庭:彼のセオリーの中には、自分自身で個性を出せる選手になりたい。これだけ四回転ジャンプでフォーカスがあたる時代でも、彼の芯の中にはやっぱり個性、自分はこうだっていうビジョンが明確にある選手は非常におもしろい存在だなと思って。やはり二年前、ケガで少し苦しんで時期もあったので、そういった苦しさをくぐり抜けている選手って気持ちも強いと思うので。気持ちの強さも、日本人選手にとっては良きライバルになってくるというのも選んだ一つですね。

パトリック・チャン選手

——なるほど。じゃあ真くんお願いします

岡崎:僕はパトリック・チャン。頑張れベテランということで、もう言わずもがな彼のスケーティングスキルはピカイチですし、誰もがひれ伏すという。だからたとえ種類が少なくてもこの年齢にして二種類目、クワドサルコウも習得している。二種類両方パーフェクトしちゃったら、いっちゃうんじゃね?っていう予感をさせる。

小塚:二種類パーフェクトだったらいってほしい。

岡崎:その気持ちもありつつ、スケートってジャンプだけじゃないんだよっていうために、でもやっぱり失敗がどうしてもしてしまうんで、頑張ってクリーンなプログラムを大舞台でやってほしいかなって。前回のソチも銀メダリストですし、気持ちも込めて。やっぱり氷面に吸いつくようなスケートはやっぱり誰もマネできない。というところでイチオシかな。

小塚:今の新しいルールでジャンプだけじゃなくて、すべてのジャンプもステップのうちですべてがつながっているかのようなプログラムにしてほしいですね。

岡崎:たぶん引退も見据えていると思うんで、最後頑張ってほしいなと思います。

注目の海外女子シングル選手

——女子の方、よろしくお願いします

岡崎:私はですね、ロシアのアリーナ・ザギトワ選手です。昨シーズンの世界ジュニアチャンピオンですね。先日、シニアのロンバルディアトロフィー出てたんですけれども、やっぱりフリーの演技、昨シーズンからの持ち越しなんですけどやっぱ圧巻でですね。後半に七本ジャンプ。前半も、ぶっちゃけ去年ちょっと時間つぶしでやっつけ感が満載だったんですけど、やっぱりシニアにあがったこともあってすごく練れていて、お姉さんになってその辺も上手になってるなって。あとは、手を上げるのもすごいしつこい感じがあったけど、このシーズンはここぞって時にバシッとあげて決めて。これザギトワって名前がついてもいいんじゃないかってくらい素晴らしい両手あげのジャンプ。音にもぴったり合わせて跳んだり降りたりしてくるしっていうところで、やっぱりまだちょっと青さは否めないんだけれども、なんかちょっと台風の目になってくれるんじゃないかな、今シーズン、っていう期待を込めて注目してみたいと思います。

アリーナ・ザギトワ選手

——プログラム自体が、合宿みたいな感じよね(笑)。いやその体力すごいですね、集中力もすごいし

中庭:去年、まずあれ後半にしかジャンプがないということで、最初は後半に技術的なもので点数取るためにプログラム全体を通して見た時に、ちょっとバランス悪いじゃないですか、全部うしろだと。ただ、そういう感じを去年プログラムを見た時に感じなかった。これはこれで、音楽表現だったり盛り上がりのためにジャンプを使っているような。そういったところの印象で、その技術的に詰めてる感は僕はプログラム見た時には感じなかったところは覚えてますね。

——ほぼ冗談みたいな

岡崎:後半の盛り盛り感(笑)。

小塚:でもやっぱり勢いがあるという点、怖いですよね。まあそれこそ、これまでのオリンピック結構見てみても、若い人がそのままポンって出てくるというのも結構あるので。そういったところで、ちょっと楽しみな存在かなとは思います。

中庭:たしかに、女子選手はタイムリーな人がスルッてオリンピックで金メダル獲る、っていう歴史の流れはありますよね。

小塚:はいじゃあ、健ちゃん(笑)。

ケイトリン・オズモンド選手

中庭:ちょっと悩みましたけど、女子は僕はケイトリン・オズモンド選手ですね。もう去年も素晴らしいシーズンを送ったんですけど。やっぱり彼女ってその洗練された動きや技術を持ってるんですけど、やっぱりジャンプで空中に浮いた瞬間、一瞬時が止まったように感じるほど、ダイナミックなジャンプ技術があって。その洗練された動きとのそのギャップっていうものに僕はやられちゃってまして。やっぱりそこが非常に日本人選手にとって、ライバルないし今年やっぱりさらに磨きがかかって強く感じている部分なので、ケイトリン選手を推しました。女子選手が美しいのはあたりまえな感じですけど、こんだけわあっていうジャンプを跳ぶ選手って、ここ最近あんまりいなかったので。

小塚:全体的にGOEが付きやすいというか、そういうジャンプだったりと要素っていうのもってるから、それでやっぱり点数も出てくるし。

岡崎:やっぱ若い選手が台頭してきてるんで、どうしても大人っぽい演技をしようしようとはしてる表現力ある選手が多いんですけど。どうしても少女っぽさがちょっと否めない部分があるでしょ、年齢的なものが。やっぱ彼女は大人の女性の魅力を存分に発揮する演技力がありますし、ジャンプの質の良さだったり、あとスピンもステップも上手で総合力があるので。まあちょっと失敗しちゃったりするから、そこをやっぱ固くを決めてきたらもう本当にメダル最有力候補?日本の前に立ちはだかる一人かなっていう気はしますよね。

中庭:こんなとこ言うと元も子もないけど、綺麗なので(笑)。

——そこ(笑)?

岡崎:スケートも綺麗だもん、やっぱり。

カロリーナ・コストナー選手

小塚:でも大事だと思います。じゃあ僕は、カロリーナ・コストナー選手。やっぱりこの年齢でまだ続けているっていうところもそうですし、なんといってもこうなんか見てて綺麗だし、スケーティングもそうだし小技も効いてるし、ジャンプ跳べたら綺麗だし。ミスすることも多いんですけども、なんかこの選手のパーフェクトももう一回見たい。

岡崎:その気持ちわかる。なんか小粋な感じがする。なんか気が利いてるでしょう、なんでも。プログラムもそうだし、でもスケートもよく滑るし、勢いもあるし。でもなんか。すごく男勝りな感じでガツガツくるわけでもなく、なんかふぁんふぁんふぁんていうその軽さもあり。

——僕最初見た時に、んっ?て思うことがあるんですよ、この音にその動き?って思うことあるんですけど、見てるとすごいハマるんですよね。あれは慣れるというか好きになってしまう

小塚:うまいシャンソン歌手聴いてるような。ちょっとこう、音外してるんだけど、これ実は合ってんだよっていう。

中庭:枠にとらわれず、色んな表現ができるから今年はどんなプログラムなんだろうとか、ショートとフリーの対比なんかも、見ている側にとってはがらりと印象が変わるっていうところで。しかもそれがかなり最高ランクの状態で、いろんなものがこう表現できるっていうのもほかのスケーターにない、今の彼女の武器ですよね。

今シーズンのスケート界について

——どうですか?今シーズン

岡崎:スペシャリストをやっている時はどうしても採点する立場になってしまうので、心の中では応援しながらも冷静にならなきゃいけない部分もあるんですけど。やっぱりコーチの一面でもあるのでやっぱりちょっといい勝負が見たいなというのと、なんか子供たちのその良い背中に乗ってほしいというか。あんな選手なりたいな~みたいな。っていう選手がいろいろいてくれるとありがたいなあって思いますね。

中庭:やっぱりオリンピックシーズンということで、多方面からの注目が集まるので、まああのその中にいる人間としてはやっぱりフィギュアスケート界を盛り上げる。僕は主にコーチという立場にいるので、子どもたちが憧れるような、そういった選手の活躍を見て、そういった選手に近づけるような選手を輩出するっていうのが僕らの目標でもあるので。

小塚:やっぱりジャンプだったりスピン、ステップ。といったところで点数で勝敗が分かれてくるので、そういうのを注目をしつつ。でもやっぱりフィギュアスケートを競技としてやっていた身としては、フィギュアスケートっぽさっていうのを忘れないで戦ってほしいなっていうのがあります。そのフィギュアスケートっぽさというのをしっかり感じながらみんなのスケートを応援していきたいと思います。

——僕は、とにかくみなさんケガせずに、毎日練習を一生懸命頑張ってるので、できればみなさん大舞台で全員ノーミスで、満足な演技をしてもらった上で点数がつくのはあれなんですけど。そういう出し切った、やり切ったっていう試合を毎回選手にはしてほしいなあって思いますし。そのために、コーチであったりプロスケーターであったりもそうですし。振付師もそうですけど、それを全力でサポートしていけたらなあって思います。

J SPORTS編集部

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