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1月27日、クロアチアのザグレブで開催されていたヨーロッパ選手権も無事に終了した。
女子は新旧世代の戦いとなったが、最終的にカロリーナ・コストナーが194.71という高得点で5度目のタイトルを手にした。特にフリーの「ボレロ」はやはりベテランの彼女でなくては醸し出せない大人の魅力があり、コストナーの大きく優雅なスケーティングがよく生かされたプログラムだった。
2位、3位は予想通り、初出場のロシアのティーネイジャー2人が入った。SP1位だったアデリーナ・ソトニコワは、フリーでは3位だったもののよくミスを抑えて全体をよくまとめ、193.99と自己最高点を更新。初出場とは思えない落ち着いた滑りで銀メダルを獲得した。SP4位だったエリザヴェータ・トゥクタミシェワは、フリーでは3ルッツ+3トウループなどを成功させてフリーは1位。総合188.85で3位に入り、銅メダルを獲得した。ジュニア時代から、注目されてきたこのロシアの二人が、いよいよシニアに上がって本格的に頭角を現してきた印象の女子だった。
男子はタイトル保持者であるエフゲニー・プルシェンコが、公式練習の転倒でもともとあった腰の負傷を悪化させ、SPで6位だった後に棄権することとなった。そんな中で、ハビエル・フェルナンデスが初優勝を飾った。フリーでは4回転ジャンプを合計3回成功させるという快挙を遂げて、史上3番目となる274.87という高得点を獲得。スペインの選手として、初の欧州選手権タイトルを手にした。
2位はSPで1位だったフランスのフローラン・アモディオ。4サルコウを2度降りて、総合250.53で3度目となる欧州選手権メダルを手にした。そして何度も惜しいところでメダルを逃してきたミハル・ブレジナが243.52で3位に入り、念願の銅メダルを手に入れた。記者会見では2位、3位の二人がフェルナンデスの快挙を喜び、たたえ合うという和やかな雰囲気となった。
ペアではボロソジャー&トランコフが昨年に続いて優勝した。試合に来る前日にトランコフの父親が急死するという悲報に接しながらも、タイトルを守るためにザグレブにやってきた2人。SP、フリーとも大きなミスなく滑りきって212.45を獲得した。2位は総合205.24だったサブチェンコ&ゾルコビー。そしてイタリアのベルトン&ホターレクが総合187.45で初の欧州選手権メダルを獲得した。
アイスダンスは前年のチャンピオン、ペシャラ&ブルザが怪我のために欠場。昨年2位だったロシアのボブロワ&ソロビエフが169.25で初優勝。イリニフ&カツァラポフが僅差の169.14で2位となり、イタリアのカッペリーニ&ラノッテが165.80で3位に入賞した。
田村 明子
盛岡市出身、ノンフィクションライター。1977年留学のため単身渡米し、現在ニューヨーク在住。長い滞米生活と語学力を生かして多様な方面で執筆活動を行う。フィギュアスケートは1993年からはじめ、これまで15回の世界選手権、3度の冬季五輪を取材。選手のみならず、コーチ、ジャッジ、ISU関係者など幅広い人脈を駆使して多面的な視点から執筆。著書に「氷上の光と影」(新潮社)他。
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