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韓国高陽市で開催されたGPファイナルで、いよいよGPシリーズも締めくくられた。
男子は本命無き闘いと言われたが、今季のGPシリーズを象徴するかのような、予想外の結果が待っていた。
並み居る強豪たちを破り、GPファイナルチャンピオンとなったのは米国の23歳、ジェレミー・アボット。昨年度の世界選手権で11位だった彼が、一年足らずでここまで飛躍するとは誰が予想しただろう。SPでもフリーでもジャンプミスのない安定した演技で、米国男子として初のGPファイナルタイトルを手にした。
2位はSP1位と快調のスタートをきったが、フリーの後半でジャンプミスの出た小塚崇彦だった。GPファイナル初出場で、表彰台に達し、今季の彼の実力が安定していることを証明した。
3位は、SP4位から挽回したジョニー・ウィアー。アボットに遅れをとったのは不本意だっただろうが、GPファイナルで初めてのメダルを手にした。
SP3位だったブライアン・ジュベールは腰痛を理由にフリーを棄権。欧州チャンピオンのトマシュ・ベルネルはSPの失敗がたたって4位、今季前半敵無しだったパトリック・チャンは不調な演技で総合5位となった。
女子は浅田真央とキム・ヨナの白熱の闘いだった。地元の盛大な応援を受けるキムも、ライバル選手の出身国で闘うことになった浅田も、どちらもすごいプレッシャーの中での演技だっただろう。
SPでは僅差で2位だった浅田はそのプレッシャーの中で、フリーで3アクセルに2度挑んだ。2回とも正式に承認され、女子史上初の記録を作って逆転優勝を飾った。キムはSP、フリーともにジャンプミスがあり2位。
3位はカロリーナ・コストナーだった。中野友加里は3アクセルのミスが響いて総合5位、安藤美姫は4サルコウに挑んで片足着氷したものの、回転不足で認定されずに6位に終わった。
田村 明子
盛岡市出身、ノンフィクションライター。1977年留学のため単身渡米し、現在ニューヨーク在住。長い滞米生活と語学力を生かして多様な方面で執筆活動を行う。フィギュアスケートは1993年からはじめ、これまで15回の世界選手権、3度の冬季五輪を取材。選手のみならず、コーチ、ジャッジ、ISU関係者など幅広い人脈を駆使して多面的な視点から執筆。著書に「氷上の光と影」(新潮社)他。
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