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【村上晃一】
1965年京都市生まれ。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。
ラグビーの現役時代のポジションは、CTB(センター)、FB(フルバック)。1986年度西日本学生代表として東西対抗に出場。
87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者、ラグビージャーナリストとして活動。J SPORTSのラグビー解説は98年より継続中。1999年から2019年の6回のラグビーワールドカップでコメンテーターを務めた。著書に「仲間を信じて」(岩波ジュニア新書)、「空飛ぶウイング」(洋泉社)、「ハルのゆく道」(道友社)、「ラグビーが教えてくれること」、「ノーサイド 勝敗の先にあるもの」(あかね書房)などがある。
9月24日、関西ラグビーフットボール協会の理事会が開催され、関西大学Aリーグを変則方式で行うことが決まった。午後8時より、オンラインで記者会見が行われた。開幕は、11月7日(土)、昨年の順位で4チームずつ2リーグに分け、総当たり戦で1位から4位を決め、1、2位の4チームと、3、4位の4チームで順位決定戦を行うもの。全国大学選手権は開催の方向で進んでおり、最終順位で1位から3位までが選手権に出場する。
奇数リーグ(昨年の1,3,5,7位)=天理、関西学院、近畿、摂南
偶数リーグ(昨年の2,4,6,8位)=同志社、京都産業、立命館、関西
関西協会大学委員会の中尾晃委員長によれば、当初は10月10日開幕での総当たり戦を考えていたが、現状、コンタクト練習のできていないチーム、学校から活動制限の出ているチーム、新型コロナウイルス感染症の陽性者が出ているチームなど下部リーグも含めて複数あり、総当たり戦は断念。Aリーグについては、大学選手権出場チームを12月6日までに決める必要があり、11月7日の開幕であれば、8チームが顔を揃えられるという判断で、変則リーグの開催を決めたという。観客を入れての開催とするかどうかは検討中。
また、10月10日からの交流試合は関西学院大が間に合わない可能性があるが、当初予定していたグラウンドで試合可能なチームで3週間にわたって交流試合を行う。Bリーグ以下の下部リーグも、それぞれの事情に合わせて変則的に開催する。ただし、それぞれのリーグ間の入替戦は行わない。下部リーグのモチベーションが下がるなど、様々な意見が出て議論があったというが、コロナ禍で準備に差があり、この状況下で昇降格を決めることに抵抗があったようだ。
Aリーグの優勝回数などは例年通りカウントする。11月7日の開幕前、あるいは開幕後に参加チームに感染者が出た場合などの対処は確定していないが、棄権→不戦勝、不戦敗になる可能性が高い。複数のチームに感染者が出て順位決定プロセスが成立しない場合は、大学選手権の出場チームについて、日本協会と協議することになる。
変則方式だが、Aリーグが開催されることを前向きに受け止めたい。一方で、筆者も関西大学リーグでプレーしていたので、入替戦がないことで下部リーグのモチベーションが下がる懸念はよく理解できる。当事者であれば、昇格を目指していた4年生も辛いし、来年はAリーグでプレーすることを目標にしていた3年生も辛い。自分はなんのためにラグビーをしているのか自問自答している選手も多いだろう。だからなんとかチャンスを与えてあげてほしいと願う。
ただ、もし今年チャンスがなくなっても、沈んだ気持ちで練習、試合をしないでほしい。この状況を前向きなものにするため、自分がラグビーをしている意味について考えてほしい。大学時代、いつも思っていたことがある。歴史はつながっているということだ。自分たちの代で結果は出なくても、少しでもチームをレベルアップさせて次の代につなごうとする。良い組織になる土台を作ろうとする。そういう思いや行動が積み重なって、いつかチームとしての目標は達成される。今していることに無意味なことは何もないし、自分のためにも、チームのためにも、何かできることはあるはずだ。大学でラグビーをするという限られた時間を大切にしてほしいと思う。