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このブログについて
1965年京都市生まれ。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。
ラグビーの現役時代のポジションは、CTB（センター）、FB（フルバック）。1986年度西日本学生代表として東西対抗に出場。
87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者、ラグビージャーナリストとして活動。J SPORTSのラグビー解説は98年より継続中。1999年から2019年の6回のラグビーワールドカップでコメンテーターを務めた。著書に「仲間を信じて」（岩波ジュニア新書）、「空飛ぶウイング」（洋泉社）、「ハルのゆく道」（道友社）、「ラグビーが教えてくれること」、「ノーサイド 勝敗の先にあるもの」（あかね書房）などがある。
6月23日は、豊田スタジアムに行っていた。前日入りして日本代表の前日練習などを取材し、翌朝、スタジアムへ。豊田市駅からスタジアムに向かう道中で、さまざまなイベントが行われていた。駅周辺には来年のラグビーワールドカップ（RWC）開催を知らせる告知物が多く、徐々にその認知度も広まっている気がした。
この日はあいにくの雨模様。豊田スタジアムは現在屋根が閉じないようになっており、来年のRWCでも閉じないようだ。雨が降れば、フィジカルの強みを持ち、強力FWを持つジョージアが優位を思われたが、日本は「つまらないラグビーだったかもしれないけど、これが勝つラグビー」（リーチ マイケルキャプテン）という言葉通り、キックでジョージアの強力FWを後ろに走らせ、彼らがボールを持って突進してくれば的確なタックルでプレッシャーをかけ続けた。激しくファイトする日本の前にジョージアはミスを連発し、勢いを失った。
日本は前半3分、SO田村優が先制PGを決める。ジョージア得意のスクラムには8人のまとまりで対抗し、ラインアウトも含めセットプレーの安定と好ディフェンスで危なげない試合を続けた。しかし、田村がPGを3度外すなど、なかなかスコアを伸ばすことができず、前半を9－0で折り返す。
後半に入ると、雨が小康状態になったこともあって日本がボールをキープしながら連続攻撃を仕掛ける。8分、LO真壁伸弥の交代で入ったヴィンピー・ファンデルヴァルトがポスト右にトライ。田村がゴールも決めて、16－0とリードを広げる。ジョージアのゴールラインに迫った相手ボールをスクラムでプレッシャーをかけ、ミスを誘っての得点だった。これで日本は勢いづいた。12分には、ジョージアボールのラインアウトのディフェンスからターンオーバーを勝ち取り、WTBレメキ ロマノ ラヴァが2人、3人とタックルをかわして右コーナーにトライ。23－0とする。
地元・愛知県出身の姫野和樹が後半20過ぎに登場すると、観客席から大歓声が沸き上がる。「地元での代表戦は夢だったし、大きな声援も力になりました。本当に嬉しかったです」。26分、姫野は田村のグラバーキック（ゴロキック）をWTB山田章仁とともに追い、山田が相手選手と交錯してこぼれたボールを拾い上げてトライをあげる。よくサポートに走っていたからこそだが、強運を感じるトライだった。
「このチーム（日本代表）は本当に強くなっています」とリーチ マイケルキャプテン。自身が「これまで戦ったチームの中で一番フィジカルが強い」と話していたジョージア相手の完封勝ちに大きな手ごたえを感じたようだ。「天候に合わせてのプランを準備し、ディフェンシブなゲームに勝つことができた。自信になりました」。
ジェイミー・ジョセフヘッドコーチは、チームのマネージメントスタッフ、コーチングスタッフ、選手の努力を称賛した。「6月の3テストマッチの結果を誇りに思います。一つだけ残念なのはイタリア代表との第2戦に勝ちきれなかったことですが」。しかし、あの負けがあったからこそ、きょうの快勝があったとも言える。日本代表選手からは、一つのミスも許されないという集中力を感じたし、イタリア代表第2戦では後手を踏んだブレイクダウン（ボール争奪局面）でも激しく戦っていた。
これまで出場機会に恵まれていなかったLO真壁伸弥はスクラムでエンジンの役割を果たし、FL布巻峻介、CTB立川理道、WTB山田章仁、FB野口竜司も良い仕事をした。また、初キャップを獲得したFL西川征克は強烈なタックル、相手ボールを奪うジャッカルにと活躍し、日本代表FW第三列のレギュラー争いに名乗りを上げた。雨中戦の勝利は日本代表に多くの物をもたらした気がする。
サンウルブズは来週、シンガポールでブルズ（南アフリカ）と対戦する。疲れもあり、今回のメンバーからどれくらいの人数が入るかは未知数だが、サンウルブズの残り3試合、そして秋のニュージーランド代表、イングランド代表戦がますます楽しみになってきた。
■試合結果
6月23日（土）14:45キックオフ
愛知・豊田スタジアム 観客：14,776人
日本代表◯28－0●ジョージア代表(前半9-0)