ラグビー愛好日記

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このブログについて

プロフィール写真【村上晃一】
1965年京都市生まれ。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。
ラグビーの現役時代のポジションは、CTB(センター)、FB(フルバック)。1986年度西日本学生代表として東西対抗に出場。
87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者、ラグビージャーナリストとして活動。J SPORTSのラグビー解説は98年より継続中。1999年から2019年の6回のラグビーワールドカップでコメンテーターを務めた。著書に「仲間を信じて」(岩波ジュニア新書)、「空飛ぶウイング」(洋泉社)、「ハルのゆく道」(道友社)、「ラグビーが教えてくれること」、「ノーサイド 勝敗の先にあるもの」(あかね書房)などがある。

2018年04月20日

JAPAN A、ブルーズAに鮮やかな逆転勝利

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
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ニュージーランド遠征中の日本代表予備軍であるNDS(ナショナル・デベロップメント・スコッド)は、JAPAN Aとして編成されたメンバーで、4月20日(金)、スーパーラグビーのブルーズの若手チームであるブルーズAと対戦(於、オークランド)。ハイランダーズA戦に続いて勝利し、遠征通算成績を2勝0敗とした。

※以下、詳しい内容に触れます。明日、Jsports4での放送を楽しみにしている方は、ぜひ、放送をお楽しみに。

鮮やかな逆転勝ちだった。立ち上がりから、キャプテンの真壁伸弥が体を張ってチームを引っ張り、FL大戸裕矢、西川征克、CTB鹿尾貫太らが献身的にプレー。ブルーズAの個人技にタックルをはじかれトライをされても、あきらめずに追いかけ、SO松田力也のPGで点差を詰める。そして前半30分、ラインアウトからのモールでHO日野剛志がトライし、難しいゴールを松田が決めて13-12と逆転に成功。しかし、35分にブルーズAのFLリンドン・ダンシエにトライを許すと、後半4分、ノータッチキックのカウンターアタックからFBタイラー・キャンベルにトライされ、13-20と突き放される。

しかし、後半から次々に投入された交代選手が流れを変える。早大3年のSH齋藤直人は持ち前のスピーディーなパス回しで攻撃のテンポを上げ、ゴール前で微妙にパスのタイミングをずらして大戸のトライを導き、20-24の4点差に迫る。後半22分にPGを追加されて、20-27とされたが、その後は相手陣のセットプレーを軸に攻め、CTB鹿尾、交代出場のロビー・ロビンソン、NO8ヴィリー・ブリッツらがゴールに迫る。そして、38分、ロビンソンのキックパスをレメキ ロマノラヴァがジャンプ一番キャッチし、野口竜司につないで同点につながるトライをあげた。スクラムではレフリングに合わせるのに苦労して何度か手痛い反則をとたれたが、ラインアウトは安定し、前に出るディフェンスも機能。ミスもあったが、悪くない内容だった気がする。

最後は、引き分けで終わりたくない両チームが試合終了のホーンが鳴った後も攻め合い、何度も攻守が入れ替わったが、最後はレメキ、鹿尾、斎藤がつないで中央にトライ。34-27として、逆転勝利を決めた。

サンウルブズは苦しい戦いを続けているが、ほとんどが日本代表経験者でメンバーを固めたJAPAN Aが、若い選手相手とはいえ連勝したのは日本代表強化にとっては明るい材料だ。サンウルブズとNDSが連動し、2019年に最強の日本代表を送り出せるようにするのが現在の強化の狙い。この試合では、三上、日野、レメキ、ブリッツ、ロビンソン、野口らサンウルブズでもプレーする選手が貫禄あるプレーを見せ、鹿尾、尾崎晟也ら若い選手が活躍し、西川、石井魁など日本代表キャップを持たない選手が好プレーを連発した。サンウルブズとNDSを選手が行き来し、互いに刺激し合い、統一された方針の下でレベルアップを続けてもらいたい。6月の日本代表メンバー入りへの競争がより熾烈になったと感じる試合だった。

この試合は、Jsports4で、4月21日(土)、午後9時から午後11時に放送される。

◎JAPAN A ブルーズA戦メンバー
1三上正貴、2日野剛志、3須藤元樹、4真壁伸弥、5ヘル ウヴェ、6大戸裕矢、7西川征克、8テビタ・タタフ、9荒井康植、10松田力也、11石井魁、12鹿尾貫太、13村田大志、14藤田慶和、15尾﨑晟也/16坂手淳史、17山本幸輝、18垣永真之介、19アニセ サムエラ、20ファウルア・マキシ、21ヴィリー・ブリッツ、22齋藤直人、23ロビー・ロビンソン、24レメキ ロマノ ラヴァ、25野口竜司
※両チームの合意のもと、25名編成で行われた。

堀川隆延ヘッドコーチ
「内容には満足していませんが、とにかく最後の最後まで諦めずに選手らが攻め続けた、その結果があの最後のトライだと思います。今日は練習で成果を出している若い選手を思いきって起用しました。彼らの日頃の練習の成果が、最後のワンプレーに現れたと思います。このエネルギーを良い方向に向けるとしても、チームはまだ粗削りなので、改善すべきことはたくさんある。残り一週間、何ができるかをしっかりレビューして、"最高の準備"をして最終戦に臨み、勝利したいと思います」

真壁伸弥キャプテン
「特に後半のメンバーが、良いエナジーと良いプランニングをしてくれて、最後まで勝ちを信じたことがこの結果に繋がりました。チームは、最後までしっかりとやりきろう、と自分が言ったことを実践してくれました。どんどんいいチームになってきていると感じたので、残りの一週間いいトレーニングをして、次のハリケーンズデベロップメント戦に臨みたいと思います。試合を重ねるごとにチームの雰囲気も良くなってきており、次戦が大一番だと思うので、しっかり3勝して日本に帰りたい。今日はスクラムでペナルティを多く取られてしまい、試合中に修正できずフラストレーションが溜まってしまったので、そこを改善したいと思います」

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