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【村上晃一】
1965年京都市生まれ。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。
ラグビーの現役時代のポジションは、CTB(センター)、FB(フルバック)。1986年度西日本学生代表として東西対抗に出場。
87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者、ラグビージャーナリストとして活動。J SPORTSのラグビー解説は98年より継続中。1999年から2019年の6回のラグビーワールドカップでコメンテーターを務めた。著書に「仲間を信じて」(岩波ジュニア新書)、「空飛ぶウイング」(洋泉社)、「ハルのゆく道」(道友社)、「ラグビーが教えてくれること」、「ノーサイド 勝敗の先にあるもの」(あかね書房)などがある。
スーパーラグビー情報を網羅するサイト(superxv.com)に、日本の準備の遅れによって、当初の18チームに拡大する計画が、16チームか17チームで、2016年シーズンをスタートさせる可能性があるという記事が出ている。
SANZAR(スーパーラグビーを運営する協会)としては、スーパーラグビーを将来、18チームにするという構想は変わらないが、日本の参加を数年遅らせる計画も考えているということのようだ。2016年からは新たに南アフリカ、アルゼンチン、日本からの参戦が決まっていたが、準備が順調なのはアルゼンチンだけで、南アフリカのキングスも財政的に苦労しており、2016年はアルゼンチンのチームのみ加えるというオプションもある。
Daily Telegraphによると、スーパーラグビーの代替案は2つあり、16チーム(アルゼンチンのみ)で行うか、17チームで開催するもの。提携している放映会社もこの考えに理解を示している。前SANZAR CEOのグレッグ・ピータース氏と、暫定CEOのブレンダン・モリス氏によると、「日本は新しく参戦するので、他よりも多く課題がある。現在、日本とも密に取組んでいて、課題を乗り越えるべく、間に合うように試みている」とのこと。
また、モリス氏はこうも述べている。「18チームのつもりで進めているが、これから数週間が重大な時期だろう。日本の課題は、チームに参加する選手に魅力的なパッケージを提供できるかどうかだ。UKの状況と似ていて、国内クラブのほうが代表よりも少し力があるから、選手参加に問題を抱えている。日本には進展してほしいと思っているが、今はこのような状況。差を埋めるために私たちも努力している」
日本側も参加する方向で準備を進めているのだが、記事にもある通り、日本のトップリーグの選手は多くが企業の社員であり、そこで報酬を得ている。その選手たちが怪我を負ったときの補償、あるいはリーグ参加中の報酬など、プロリーグに参加することにはさまざまな壁がある。それでも参加を急いだのは、スーパーラグビーのチーム数が拡大されるこの機会を逃せば、次に拡大されるのがいつになるかがわからないからだ。この参加は2019年ラグビーワールドカップで好成績を残すための強化の一環でもあるのだから。
しかし、記事にあるような計画が可能なのであれば、日本として参加を1年遅らせる交渉をする余地もあるということだ。今回は、ワールドカップと重なっている上、エディー・ジョーンズ氏がディレクター・オブ・ラグビーを辞任したことで、局面が難しさを増している。もちろん、準備が整い、2016年(2月下旬開幕予定)から参加できれば一番いいのだが、参加するという軸はぶらすことなく準備に時間をかける方法を検討してもいいのではないか。