ラグビー愛好日記

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

最近のエントリー

カテゴリー

アーカイブ

2012/09

S M T W T F S
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

このブログについて

プロフィール写真【村上晃一】
1965年京都市生まれ。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。
ラグビーの現役時代のポジションは、CTB(センター)、FB(フルバック)。1986年度西日本学生代表として東西対抗に出場。
87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者、ラグビージャーナリストとして活動。J SPORTSのラグビー解説は98年より継続中。1999年から2019年の6回のラグビーワールドカップでコメンテーターを務めた。著書に「仲間を信じて」(岩波ジュニア新書)、「空飛ぶウイング」(洋泉社)、「ハルのゆく道」(道友社)、「ラグビーが教えてくれること」、「ノーサイド 勝敗の先にあるもの」(あかね書房)などがある。

日記 2012年09月13日

大阪工大高トーク&麻生レフリーNZへ

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
  • Line

昨夜は、大阪・北浜のラグビー普及促進居酒屋「ラグビー部マーラー」でトークライブだった。ゲストは、高校ラグビー界の名門・大阪工大高(現・常翔学園高校)ラグビー部のOBトリオ。昭和55年度、伏見工業高校との伝説の決勝戦でキャプテンを務めたFL広瀬良治さん、CTB東田哲也さん、そして、一学年下のCTB出向井豊さんである。

201909121

高校時代のちょっと書くことができないような面白エピソードの数々に会場は爆笑の渦だった。のちにスクールウォーズというドラマができるきっかけになった、栗林選手の決勝トライ。伏見工業が歓喜にわく横で、広瀬キャプテンは泣きじゃくっていた。終了後は、敗れた側もテレビのインタビューを受けることになっていたのだが、当時の荒川博司監督が、「勘弁してやってください」とロッカールームに連れて行ってくれた。「あのとき、先生の優しさを感じました」(広瀬さん)。そんなとき、インタビューに答えられるような心境じゃないですよね? 「いえ、マイク向けられたら分かりませんけど」(広瀬さん)。しゃべるんかいっ!

東田哲也さんは、カバーディフェンスに戻りながら、栗林選手に指一本分くらい手が届かず、悔しい思いをした。「ほんまに悔しかったですけど、もし我々が勝っていたら、スクールウォーズも生まれず、競技人口も爆発的に増えなかった。そう考えると、まあ、良かったのかなと。僕らはそう慰め合っているんですけどね(笑)」。

控え席にいた出向井さんの記憶はこうだ。「時間調整に失敗して、工大は5分前にグラウンドに出て整列していた。そこから伏見工業の円陣が始まって、山口先生が、お前たち、あのスタンドを見てみろ、とか、楽しんでこい!って言っている。工大は早く出すぎてどんどんテンションが下がっている。ああ、こら負けたと思いました」

実はこのシーズン、出向井さんは、レギュラーのWTBだった。ところがある日、試合前にサポーターを買いに出かけ、集合時間に数分遅れた。「なぜ遅刻したんだって先生に叱られて、サポーター買いに行っていましたと言っても許してもらえず、試合に出してもらえなかったんです。それで代わりにSHの控え選手が出場したら、大活躍して5トライくらいした。そしたら、荒川先生が、『きさま!なんでアイツのほうが足が速いんだ!』って。そのまま僕は試合に出られなくなったんです」。出向井さんの話し方が面白いで、お客さんも大笑い。出向井さんは、翌シーズン、CTBとして大活躍し、高校大会で頂点に立った。

「荒川先生は、試合では自由にプレーさせてくれますが、私生活の乱れや規律には厳しく、積極的にプレーしないことにも厳しかったですね」(広瀬さん)。「サインプレーとかそんなのはないんですよ。試合中は自分の判断で積極的に動く。個人で戦っていたから、大学で伸びる選手が多かったのだと思います」(東田さん)。荒川先生は怖かったけど、大阪工大高の部員たちは先生を慕っていた。「あれだけ、感情をぶつけて向かってきてくれる大人はいませんからね」(東田さん)

他にも、全国大会の1回戦直前の宿舎のエレベーターが定員オーバーでストップ。閉じ込められ、すし詰め状態で乗っていた部員に荒川先生が激怒した話など、失敗談も面白すぎて、お腹が痛くなるトークライブだった。ゲストの皆さん、楽しいお話をありがとうございました。

日本ラグビー協会A級レフリーである、麻生彰久さんが、9月14日(金)に行われるニュージーランドの国内州代表選手権「ITM CUP(アイ・ティー・エムカップ)」の第7節カウンティ―ズ・マヌカウ対オタゴ戦(エコライトスタジアム)の担当レフリーに日本人として初めて選ばれた。麻生レフリーは2010年、2012年と日本ラグビーフットボール協会のレフリー海外留学派遣制度によりニュージーランドラグビー協会へ派遣され、エリートレフリー強化プログラムに参加し、レフリングの実戦経験を積んできた。そして今年はニュージーランド・ハイパフォーマンス・レフリーキャンプに参加し、ITM CUPのレフリーを目指して、ニュージーランド国内のレフリーたちとトレーニングを重ねてきた。麻生レフリーの派遣は9月末まで。

  • Line