ラグビー愛好日記

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このブログについて

プロフィール写真【村上晃一】
1965年京都市生まれ。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。
ラグビーの現役時代のポジションは、CTB(センター)、FB(フルバック)。1986年度西日本学生代表として東西対抗に出場。
87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者、ラグビージャーナリストとして活動。J SPORTSのラグビー解説は98年より継続中。1999年から2019年の6回のラグビーワールドカップでコメンテーターを務めた。著書に「仲間を信じて」(岩波ジュニア新書)、「空飛ぶウイング」(洋泉社)、「ハルのゆく道」(道友社)、「ラグビーが教えてくれること」、「ノーサイド 勝敗の先にあるもの」(あかね書房)などがある。

日記 2012年09月17日

第3回全国中学生大会

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
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17日は、茨城県水戸市のケーズデンキスタジアム水戸に行ってきた。前日の札幌(千歳空港)から、羽田、水戸への移動は思いのほか時間がかかった。15日は関西空港から千歳空港に行ったので自宅から空港、空港からホテルへの長距離バスも含めて、ずっと移動していて、運ばれている荷物になったみたいな気分だった。

「太陽生命カップ2012 第3回全国中学生ラグビーフットボール大会」は、9月17日、大会最終日(3日目)を迎え、最終順位決定戦が行われた。JSPORTSは、ラグビースクールの部、中学生の部のそれぞれ決勝戦を生放送した。僕は大畑大介さんと一緒に解説させてもらった。この大会を生で見るのは2年前に菅平高原で行われた第1回大会以来2度目。昨年はワールドカップのため、ニュージーランドにいた。ここでも時の流れの早さを感じる。

ラグビースクールの部では、九州王者のかしいヤングラガーズと、兵庫県の三田ラグビークラブジュニアが対戦し、攻撃力で上回るかしいYRがFB今村元気の先制トライ以降、着々と加点した。三田RCJも、CTB村井康太郎が100m11秒台のスピードで何度も防御を破るなど反撃したが、かしいYRのディフェンスも固く、3トライを返すにとどまった。かしいYRのボールつなぎ、スペースを見つけて走り込みスキルは見事だった。体格の小さな選手が多かった三田だが、最後まであきらめずにコーナーに返ってタックルする粘りに心打たれた。決勝進出、立派な成績だ。そして、かしいYRは、第3代目のラグビースクール王者となり、第1回のつくしヤングラガーズ、第2回の春日リトルラガーズに続き3年連続で福岡県のチームが頂点に立ったことになる。

続いて行われた中学校の決勝戦は、奈良の天理と大阪の文の里という関西対決。こちらは、立ち上がりに怒涛の勢いで攻めた天理が、前半10分で3トライを畳み掛け、主導権を握った。フラットなパスで防御ラインを破る動きは、まるで天理大学のよう。文の里もボールを大きく動かしながら攻めるのだが、天理がダブルタックルで体を自由にさせてくれない。チャンスに見えても、あっという間に白と黒の縞模様のジャージが取り囲んでターンオーバーしてしまう。その動きの素早さに、何度も解説席で大畑さんと顔を見合わせた。

これは大畑さんに教えてもらったのだが、先制トライを奪った天理のキャプテン武田誠太郎選手は、神戸製鋼でも活躍したFB八ツ橋修身さんの甥っ子。リーダーシップも素晴らしく、ノーサイド後すぐに相手キャプテン福田一輝選手と握手をかわし、スタンドへの挨拶では選手達のジャージの乱れを直させてから深々と一礼。報道陣への受け答えも堂々としていた。「一人一人の色を、いい濃さでまとめることを意識してきました。最後に天理といういい色にできたと思います」。

201209171

天理中学は関西勢初の優勝。第1回は秋田北中学、第2回は國學院久我山中学が優勝している。

観客席には、天理中学の卒業生で、クボタスピアーズの立川直道選手、立川理道選手が兄弟で応援にかけつけていた。「僕らの頃より、はるかに強いし上手い。すごいです」(理道選手)。少し言葉をかわしていたら、あっという間に中学生たちに囲まれて握手攻めにあっていた。試合前、選手達の気合の入った表情を見て感動した。こんな表情をして戦う経験ができる彼らは幸せだし、本気で戦った相手チームの選手達との交流も生涯の財産になるだろう。いいものを見せてもらった。感謝。

女子のエキシビションマッチを含めて、それぞれの決勝戦の結果は以下の通り。他の試合結果は、日本協会のHPをご覧ください。http://www.rugby-japan.jp/

■第1ブロック(学校課外活動の中学校チーム)
天理中学校(関西③/奈良県) 47-5 大阪市立文の里中学校(関西②/大阪府)
■第2ブロック(社会体育のラグビースクール)
かしいヤングラガーズ(九州①/福岡県) 50-19 三田ラグビークラブジュニア(関西③/兵庫県)
■女子エキシビジョンマッチ
U15九州女子選抜 7-7 U15関東女子選抜A ※大会規定により両チーム優勝

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