ラグビー愛好日記

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

最近のエントリー

カテゴリー

アーカイブ

2012/04

S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

このブログについて

プロフィール写真【村上晃一】
1965年京都市生まれ。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。
ラグビーの現役時代のポジションは、CTB(センター)、FB(フルバック)。1986年度西日本学生代表として東西対抗に出場。
87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者、ラグビージャーナリストとして活動。J SPORTSのラグビー解説は98年より継続中。1999年から2019年の6回のラグビーワールドカップでコメンテーターを務めた。著書に「仲間を信じて」(岩波ジュニア新書)、「空飛ぶウイング」(洋泉社)、「ハルのゆく道」(道友社)、「ラグビーが教えてくれること」、「ノーサイド 勝敗の先にあるもの」(あかね書房)などがある。

日記 2012年04月20日

瀬川智広HC講演

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
  • Line

大阪の堺で行われている日本代表合宿に、体調不良で合流が遅れていたLO篠塚公史選手(サントリーサンゴリアス)、そして、早稲田大学のWTB藤田慶和選手が本日から合流する。昨日、5月27日、秩父宮ラグビー場にて、「セブンズ フェスティバル 〜 RUGBY: FOR ALL ニッポンのために! 〜」の開催が発表された。東日本大震災に見舞われた被災地の復興支援も兼ね、釜石シーウェイブスRFCも出場する。

出場チームは、以下の通り。トップリーグ=サントリーサンゴリアス、パナソニックワイルドナイツ、東芝ブレイブルーパス、NECグリーンロケッツ、神戸製鋼コベルコスティーラーズ、リコーブラックラムズ、ヤマハ発動機ジュビロ、NTTコミュニケーションズシャイニングアークス/日本協会特別招待チーム=釜石シーウェイブスRFC、関東ラグビーフットボール協会推薦=キヤノンイーグルス、関西ラグビーフットボール協会推薦=NTTドコモレッドハリケーンズ、九州ラグビーフットボール協会推薦=福岡サニックスブルース/女子3チーム=名古屋レディース、RKU龍ヶ崎 GRACE・セブン(RKUラグビー龍ヶ崎、PHOENIX、TKM7の混合チーム)、日本体育大学ラグビー部女子

19日夜は、みなとスポーツフォーラムで、男子7人制代表の瀬川智広ヘッドコーチの講演だった。僕は進行役をしたのだが、映像と数字を使いながら、明快に強化の方向性を示す、とても分かりやすい話だった。瀬川HCは、東芝から出向する形で、現在、フルタイムで7人制強化の下地作りに奔走している。ワールドシリーズ各大会の映像を分析し、日本国内の7人制大会もつぶさに見て歩く。ただし、いくらいい強化の方向性を示しても、人材が集まらなければ世界で勝てないのは目に見えている。瀬川HCは、「7人制代表のステイタスを高めるのも自分の仕事」と、トップリーグの最中であっても、7人制代表チームに選手を出すよう、トップリーグの各チームからほぼ了解を取り付けていること、また、日本協会で7人制に特化した選手を養成する方向も検討されていることなども明らかにした。

現在各地で行われている7人制大会、5月27日のセブンズフェスティバルなどで選手の資質を見た上で、6月〜7月にセレクション合宿を行い、8月に7人制代表スコッドを発表し、9月からのアジアセブンズシリーズに備える構想も語った。目指すラグビースタイルについては、「ブレイクダウンを意図的にたくさん作る」と言う。東京セブンズでの各チームのラック回数の平均をとると、優勝したオーストラリアが最も多く、ニュージーランドが最も少ない。ニュージーランドやフィジー、サモアのように長い距離を一気に走りきれるランナーが揃うチームは、ラックを作らずともトライがとれるが、そうではないオーストラリア、南アフリカは意図的にラックをたくさん作って攻撃を組み立てている。日本が目指すのは後者。もちろん、そのラック作りには日本なりの工夫が必要。意図的にオフサイドラインを作り、相手をオフサイドに追い込みながら、連続的に攻めるなど、いい例、悪い例など映像で示し、数字と合わせて解説した。客席の参加者のみなさんも、熱心にメモをとっている方が多かった。

世界のラグビーの傾向として、よりスピーディーになってきた15人制と、コンタクトが増えた7人制は近づいているとし、トレーニングも共通する部分が多くなるので、15人制代表のエディー・ジョーンズHCと話し合い、現在の15人制代表合宿にも7人制のストレングスコーチが帯同して、情報を共有。連携して強化にあたるという。「目指すスタイルを信念を持ってやりきり、皆さんと一緒に勝利を喜びたい」と締めくくった。

  • Line