ラグビー愛好日記

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このブログについて

プロフィール写真【村上晃一】
1965年京都市生まれ。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。
ラグビーの現役時代のポジションは、CTB(センター)、FB(フルバック)。1986年度西日本学生代表として東西対抗に出場。
87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者、ラグビージャーナリストとして活動。J SPORTSのラグビー解説は98年より継続中。1999年から2019年の6回のラグビーワールドカップでコメンテーターを務めた。著書に「仲間を信じて」(岩波ジュニア新書)、「空飛ぶウイング」(洋泉社)、「ハルのゆく道」(道友社)、「ラグビーが教えてくれること」、「ノーサイド 勝敗の先にあるもの」(あかね書房)などがある。

試合レポート 2011年09月21日

トンガ戦結果

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
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201109221

21日の朝、街中を散策していたら、日本から応援に来た知人に会った。「きょうは、どんな内容でもいいから勝ってほしい」。ファンガレイのノースランドイベントセンターに訪れた、たくさんの日本代表サポーターの皆さんも同じ気持ちだったろう。芝生席が大半のバックスタンドは、ご覧のようにトンガと日本のサポーターで立錐の余地なく埋まっていた。

201109222

オールブラックス戦に主力を温存したのだから、絶対に勝たなければいけない試合だった。ただ、トンガもPNC(パシフィックネーションズカップ)の時よりも数段強くなっており、勝つなら綱渡りのような試合になると思っていた。だからこそ、ミスのないよう慎重に戦わなくてはいけなかったのに、日本代表はキックオフ直後、自陣からボールをつないでミスをした。ここから最初のトライを奪われるまで、7分間も自陣ゴール前にくぎ付けになった。なんとも拙い試合の入り。なぜ、いつまでたっても課題が改善されないのか、疑問の立ち上がりだった。

それでも日本はWTB遠藤の大幅ゲインでチャンスをつかみ、ゴール前のラインアウトからモールで押し込んだあとPR畠山がトライ。同点に追いつく。ところが、直後のキックオフでは、日本側が一度はボールを確保してラックにしながら、トンガ選手に足を使われてボールが外に出てしまい、そのままトライを許す。17分、大ピンチをリーチのカバーディフェンスでしのぎ、26分には、CTBニコラスの突破で攻め込んで最後はリーチがタックルをすりぬけながらインゴールに手を伸ばし、10-12と迫った。前半を終えて、13-18は、後半、トンガの足が止まると読んだ日本にとっては、悪くはない点差だったろう。

「ボールを動かして、トンガを疲れさせようというプランでした」。菊谷キャプテンは試合後に話した。トンガはそれを見越してブレイクダウンで激しくファイトし、ライン全体で前に出てきたのだから、もっと防御背後へのキックを使う手もあっただろう。時折使ったキックもボールを動かしてからなので、追いかける選手が少なくなっていた。きょうのトンガにはシンプルなキックで良かったはず。プラン通りにやりすぎて、試合の流れの中でトンガの弱みを突くことができていなかった気がする。

試合運びの拙さもあって、ブレイクダウンで9つのターンオーバーを許し、トンガの強い部分ばかり際立たせてしまった。PNCではすべて決まったアレジのコンバージョンが3本外れたのも痛かった。なにより、「ブレイブ・ブロッサムズ」と呼ばれる試合ではなかったのが寂しかった。巨漢FWのトンガにパワー負けはある程度仕方のないことだが、試合運びのクレバーさでもトンガに上回られたのは残念。負けの内容が悪すぎる。リーチの我慢強いカバーディフェンスがなかったらさらに失点は増えただろう。マイケル・リーチは、負けチームながらマンオブザマッチに選ばれた。
「負けて悔しいです。マンオブザマッチをもらえて光栄なことですが、勝ってもらいたかった。ボールを自分たちがキープしてプレーしていれば勝てた試合でした。次の試合は切り替えて頑張りたいです」

「よいパフォーマンスができなかった。それに尽きると思います」とジョン・カーワンヘッドコーチ。「(目標の2勝を逃したことについて)次の大会の出場権を獲得したかったので残念です。ただ、カナダ戦が控えているので明日から顔を上げていきたい。ポテンシャルを出し切る試合ができれば、接戦に持ち込めると思っています」

試合後、ロッカールームに引き上げてくる選手やスタッフの表情は憔悴しきっていた。気持ちの切り替えは難しいかもしれないが、ここまで来たら、JKジャパンとして取り組んできたやり方を貫いて「91年大会以来の勝利」という結果を残すしかない。

試合後、1年前からニュージーランド・ハミルトンにやってきて、ワールドカップを待ちに待っていた森田さん(先日の日記でも紹介)と会った。きょうも、昼間に日の丸をまとって、街中を練り歩いていた。「ネイピア(カナダ戦)も行きます」と気丈に語っていたが、ほんとに頭が下がる。きょうはスタジアムにたくさんの日本人サポーターが来ていたし、ニュージーランドの人たちも日本を応援してくれていた。カナダ代表は強敵だが、最後は、感謝の気持ちを勝利という形で表してほしい思う。

◎W杯プールA結果
トンガ代表○31-18●日本代表(前半18-13)

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