ラグビー愛好日記

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このブログについて

プロフィール写真【村上晃一】
1965年京都市生まれ。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。
ラグビーの現役時代のポジションは、CTB(センター)、FB(フルバック)。1986年度西日本学生代表として東西対抗に出場。
87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者、ラグビージャーナリストとして活動。J SPORTSのラグビー解説は98年より継続中。1999年から2019年の6回のラグビーワールドカップでコメンテーターを務めた。著書に「仲間を信じて」(岩波ジュニア新書)、「空飛ぶウイング」(洋泉社)、「ハルのゆく道」(道友社)、「ラグビーが教えてくれること」、「ノーサイド 勝敗の先にあるもの」(あかね書房)などがある。

試合レポート 2010年08月15日

全国中学生大会結果

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
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13日〜15日まで、菅平高原に行っていた。予想より気温が低かった。13日と15日は、ほぼ移動だけだったのだが、諸事情あって長距離運転。休憩を挟みながらだけど、13日は、12時間くらい運転したなぁ。菅平には、高校一年生ではじめて行ってから、もう30年も通っているけど、この場所の空気が好きだ。ラグビー場が100面もあって、あっちこっちで高校生や大学生が走り回るラグビー天国である。

Akiko

14日の昼間は第1回全国中学生ラグビーフットボール大会最終日を取材した。単独チームによる全国大会の模様は、JSPORTSではミニドキュメントで、8月27日のトータルラグビーの後ろにくっつく形で放送される予定。僕はそこでリポーターを務めた。朝ズバッ!も取材に来ていた。やはり全国大会となるとメディアの関心が高まるというところだろう。サニアパーク菅平では、前日の1回戦を経て中学校の部とラグビースクールの部でそれぞれ決勝と3位決定戦が行われた(写真は、中学生の部の決勝戦。秋田北対慶應義塾普通部。慶應のジャージは赤黒縞)。

中学生は12人制(FW5人)。というわけで、スタンドオフ(SO)は7番をつける。このポジションに好選手は多かったが、全国各地域の代表とあって中学生とは思えないプレーが多かった。いろんな関係者の皆さんの感想を聞きながら見ていたのだが、日本協会のコーチングコーディネーターの中竹竜二さんも、「あんなプレー、大学生でもできませんよね」と感心していた。タックルしてすぐに立ち上がってボールを奪うFW選手がいたかと思えば、パスダミー、ハンドオフを巧みに使いながら抜け出す俊足WTBも。

中学校の部では、北海道・東北地区代表の秋田北が、前日に大阪の小阪中学を僅差で下し、決勝では慶応義塾(神奈川)を52—19で破って初代王座に輝いた。秋田北のキャプテンでありスタンドオフの横山陽介は、8トライ後のコンバージョン6本を決めたほか、カウンターアタックから80m独走トライするなど、視野の広いプレーで何度もチャンスを作った。少し話を聞いたが、「緊張します」と言いながら報道陣の質問に誠実に答え、嬉しそうにしつつ「まだ実感がありません。ディフェンスラインがブレイクされた面もあり、そこは改善点です」などなど、とにかく落ち着いていた。この選手はすでに178㎝あり、将来も期待の存在。

Akita

秋田北の選手達は足腰が太くしっかりしていた。古木監督に尋ねると、「冬、雪でグラウンドが使えないときに、マット運動をしているからですかね」とのこと。東日本大会などでは勝てないようだが、「春の時期はボールを持つ練習が不足しているんです。この時期の全国大会は、うちのチームとしては、やりやすいですね」と。なるほど、地域によって練習がしっかりできる時期が違うということもあるわけだ。

スクールの部は、福岡のつくしヤングラガーズが、兵庫の伊丹ラグビースクールを終了間際の劇的逆転で下して初代王者となった。この決勝は序盤から一進一退の攻防が続いた。サイズ的には上回る伊丹の選手が力強く前に出るのだが、つくしのタックルが次々に決まって、少ないチャンスをものしていった。最後は、伊丹陣ゴール前のスクラムから、ショートサイドを攻めてレフトWTB村上賢志郎がゴール左隅に飛び込んで逆転。難しいゴールをSO鶴田馨が決めて、17-12。直後にノーサイドとなった。

Tsukushi

つくしの木原監督によれば、ほとんどの選手は小学校2年くらいからラグビーを始めており、今の中学3年生の学年はレベルが高かったのだそうだ。練習は、土・日のみ。ウィークデーはそれぞれの中学でラグビー部ではない部に所属して身体を動かしてるという。福岡では、中学チームより、スクールのほうが圧倒的に強いそうだ。どうやら、この傾向は他の地域でも同じらしい。スクールのほうが経験豊富な選手が多いということはあるだろう。

Hyoushou

試合後、泣きじゃくる伊丹の選手たちだったが、すぐに両チームが歩みより、抱き合い、握手し、表彰式に臨んだのは立派だった。試合後も、それぞれ相手チームのベンチ、相手チームの応援団席にも挨拶に行き、拍手を浴びていた。また、「この悔しさを忘れないでおこう」という選手の声も聞こえて、この瞬間に彼らは人として成長しているのだろうと思ったりした。

始まったばかりのこの大会は、日本で開催される2019年ワールドカップに向けての若年層の強化・育成の場として新設されたわけだが、それだけではなく、各地域の中学生、コーチ、父兄が交流し、情報交換する機会としても貴重だと感じた。また、日本協会の普及・競技力向上委員会の委員らと中学生の指導者が話し合い、この世代の指導をどうすべきか、そしてその方向性を統一していくという意味でも価値のある機会だと思う。

●第1日目結果
<中学校の部>
秋田市立秋田北中学校○12-7●東大阪市立小阪小学校(前半7-0)
慶應義塾普通部○52-5●長崎市立三和中学校(前半19-0)
<ラグビースクールの部>
横浜ラグビースクール●7-22○つくしヤングラガーズ(前半0-5) 
伊丹ラグビースクール○32-10●シルクス・ラグビースクール(前半17-10)

●第2日目結果
<中学校の部>
3・4位決定戦
東大阪市立小阪中学校○36-7●長崎市立三和中学校(前半24-7)
決勝戦
秋田市立秋田北中学校○52―19●慶應義塾普通部(前半31-14)
<ラグビースクールの部>
3・4位決定戦
横浜ラグビースクール○24-19●シルクス・ラグビースクール(前半17-5)
決勝戦
つくしヤングラガーズ○17-12●伊丹ラグビースクール(前半5-5)

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