ラグビー愛好日記

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このブログについて

プロフィール写真【村上晃一】
1965年京都市生まれ。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。
ラグビーの現役時代のポジションは、CTB(センター)、FB(フルバック)。1986年度西日本学生代表として東西対抗に出場。
87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者、ラグビージャーナリストとして活動。J SPORTSのラグビー解説は98年より継続中。1999年から2019年の6回のラグビーワールドカップでコメンテーターを務めた。著書に「仲間を信じて」(岩波ジュニア新書)、「空飛ぶウイング」(洋泉社)、「ハルのゆく道」(道友社)、「ラグビーが教えてくれること」、「ノーサイド 勝敗の先にあるもの」(あかね書房)などがある。

日記 2009年07月01日

W杯開催推薦の追記

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
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ワールドカップの2015年、2019年開催推薦国が、イングランド、日本に決定したニュースが世界を駆けめぐった。その推薦をしたラグビーワールドカップリミテッド(RWCL)は、ワールドカップを運営する組織だ。立候補した協会を訪問したり、最終的な入札書類を分析し、IRB(国際ラグビーボード)理事会への推薦報告書を作成する。7月28日の理事会でこの案が承認されれば正式決定となる。

IRBからのプレスリリースの中で、RWCL会長のベルナール・ラパセ氏が言っている。「イタリアも南アフリカも強力な政府の支援をとりつけた総合的な入札書類を提出しており、現時点であれ、将来的であれ、素晴らしい大会を開催することが可能である。両協会の質の高い入札に感謝したいと思う。しかしながら、我々が選択できるのは二協会だけであり、世界的なラグビーの発展のためには、イングランドと日本という組み合わせが最もバランスの良い組み合わせであろうと判断した」

IRBは、2009年から2012年の間に、IRB加盟116協会に対して総額で1億5000万ポンドの投資をするという。それはワールドカップの商業的成功が支えている。端的に言うと、イングランド開催で商業的成功を確保し、日本開催を決めることでアジアへの普及を促進させるということ。ラパセ氏はこうも言っている。「今後10年間、RWCLと日本協会には、優れたRWCの大会を開催し、日本とアジアのレガシーを後世に永く残すための枠組みを準備する十分な時間がある」。そう、ここが大事なんだと思う。加えて巨額の保証金もある。開催したことで日本ラグビーが打撃を被るようなことがないよう周到な準備が必要になる。

ってなことは、開催が正式に決まってから心配すれば、いいか。

話は変わって、きのうの毎日新聞の夕刊に、「日本手話のろう学校、中学部設立へ」という記事が掲載されていた。「日本手話」で授業をする全国唯一の私立ろう学校「明晴学園」(東京都品川区)が、29日、都に中学部設立を申請したというのだ。

以前もこの日記で書いたことがある。この学園には、幼稚部、小学部があるのだが、小学6年生の進学先である中学部の設立のために、3000万円が必要だった。聴覚障害者のラグビー支援を通じて、これを知った関東ラグビー協会加盟の東日本トップクラブリーグの選手達が協力を申し出て、2月〜5月の試合会場で、各チームが学園の児童と共に募金活動をした。記事によると、このほかカナダ人男性らのチャリティグループも協力し、運営資金の目標額が集まったという。あとは、認可を待つばかり。

追記◎コメントでブレディスローカップのチケットが高いというご意見がいくつかありました。僕も高いと思います。なぜ高いのかといえば、世界のトッププロ選手が大挙してやってくるとなれば、その選手達を抱えるNZ、豪州の両協会へのギャランティが発生するからだと思います。試合のステータスを守る意味もあるでしょう。世界最高のプレーが見られるこの試合は、収益を重視したプロの興行でもあるわけです。僕もJsportsのツアーで7月18日のオークランドでのブレディスローカップに行くのですが、このツアー料金も半分近くが試合のチケット代です(※当初、こう書いていましたが、高すぎるのでは?とのご指摘受けました。このチケット代には、ラウンジを借り切ってのディナーなど特典が含まれています。説明不足で失礼しました)。
U20世界大会は、IRB(国際ラグビーボード)がこの世代の育成、そしてラグビー普及を目的にして選手の渡航費などを負担します。選手へのギャランティは発生せず、ホストユニオンの日本協会も赤字覚悟で普及を目的にチケット代をおさえました。伝統と格式あるブレディスローカップの価値とチケット代のバランスが、日本でどう受け入れられるのか。答えは10月31日に出るということなのでしょう。と、まあ事情は分かるのですが、ラグビースクールや中学、高校でプレーしている選手達を抽選でもいいので招待するようなスペースを作ってほしいですね。

もう一つ、ダニエル・カーターの状態についてのご質問もありましたが、新たな怪我をしないかぎり、10月時点では復調しているはずです。エルソムも怪我がなければ来ると思いますよ。

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