ラグビー愛好日記

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このブログについて

プロフィール写真【村上晃一】
1965年京都市生まれ。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。
ラグビーの現役時代のポジションは、CTB(センター)、FB(フルバック)。1986年度西日本学生代表として東西対抗に出場。
87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者、ラグビージャーナリストとして活動。J SPORTSのラグビー解説は98年より継続中。1999年から2019年の6回のラグビーワールドカップでコメンテーターを務めた。著書に「仲間を信じて」(岩波ジュニア新書)、「空飛ぶウイング」(洋泉社)、「ハルのゆく道」(道友社)、「ラグビーが教えてくれること」、「ノーサイド 勝敗の先にあるもの」(あかね書房)などがある。

2008年09月24日

7人制代表・男女合同会見

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
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Wcs20091

24日は、日本ラグビー協会会議室にて、「ラグビーワールドカップ2009アジア地区予選」に向けた7人制日本代表(男子・女子)の記者会見、壮行会が開催された。冒頭写真は、壮行会での男女代表。ファンのみなさんが寄せ書きしてくれた旗を持って香港に乗り込む。なんとなく選手同士が照れていて微笑ましかった。

Wcs20092

会見の出席者は、太田治日本代表事業委員会GM、岸田則子日本女子ラグビーフットボール連盟専務理事、男子代表の村田亙監督、鈴木貴士主将(セコムラガッツ)、女子代表のアンジェラ・エルティング主将(Phoenix)。鈴木選手は男子選手としては小柄(166㎝)なため、エルティング選手が大きく見えるが、こちらも171㎝。しかし、日本の女子代表選手の中では一番背が高い。大会の組み合わせ、出場メンバーなどについては、日本協会のHPをご覧ください。

冒頭、太田GMが「男女とも、アジアで勝ち、来年3月にドバイで行われるワールドカップ大会出場権を勝ち取りたい」という言葉があり、村田亙監督は、「今夜、香港に出発します。1位通過を目指します。数名負傷者が出ましたが、スコッド内から補充できましたし、特に問題はないと思っています」と語った。

男子のアジア出場枠は、12チーム中「2」。韓国、香港あたりが難敵だが、組み合わせ上、日本はどちらか1チームしか対戦の可能性がない。日本としては、カザフスタン、タイとのプールAを1位通過し、準決勝で対戦するマレーシアか中国を破れば2位を確定できる。ただし、マレーシアは、フィジー人選手を含み、簡単な相手ではなさそうだ。

メンバーは、協会HPに詳しいが、トップリーグでの試合で桑水流裕策(コカ・コーラウエストレッドスパークス)、カトニ・オツコロ(クボタスピアーズ)らが負傷し、その他の理由もあって計5名が変更になった。村田監督は、シュウペリ・ロコツイ(NECグリーンロケッツ)や、国際大会経験豊富な田沼広之(リコーブラックラムズ)らを加え、計15名のメンバーで香港へ出発した。

女子の出場枠は「3」。岸田専務理事は、「正直に言うと、2チームでは苦しいと思っていました。3チームになれば十分に可能性があります」と胸の内を明かしたが、沖縄生まれで、アメリカと沖縄を行き来して育ったというエルティング主将は、「予選突破の気持は男子を同じです」と力強かった。女子の参加は、9チーム。日本は、タイ、中華台北とのプールCで1位通過し、準決勝に進んで勝つか、負けても3位決定戦に勝てばドバイ行きが確定する。強敵はカザフスタン、中国、アラビアンガルフあたり。特にカザフスタンの選手は国から報酬を得ての強化で他国を一歩リード。中国も学生主体で連日強化練習に明け暮れているという。

日本は、1月から月1回か2回のペースで合同練習を続け、着々と準備してきた。ただ、香港への出発は、男子より遅れて10月2日になる。この点について、岸田さんに尋ねると、「仕事が休めないんです」との返事。企業スポーツの中でプレーし、企業の理解を得て遠征する男子選手とは違って、女子はそれぞれ別々の仕事を合間に集まって練習する完全アマチュア選手。長期の休みはとれないのが現状だ。このあたり、男女ラグビーのプレー環境には大きな違いがある。合同練習も自費参加が現実。たとえば、エルティング主将は横須賀の米軍基地でカウンセラーとして働き、兵庫レディースの辻本つかさ選手は、高校の保健体育の非常勤講師をしながら合間を縫ってトレーニングしている。エルティング主将は、「ワールドカップに出て認知度を高めれば、スポンサーがつくかもしれない」と環境改善のためにも勝ちたいという気持ちを語っていた。

壮行会終了後、男子代表は、バスで空港に向かった。そのバスを、女子代表が手を振って見送っていた。両代表ともドバイへ行こう。

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