ラグビー愛好日記

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

最近のエントリー

カテゴリー

アーカイブ

2008/07

S M T W T F S
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

このブログについて

プロフィール写真【村上晃一】
1965年京都市生まれ。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。
ラグビーの現役時代のポジションは、CTB(センター)、FB(フルバック)。1986年度西日本学生代表として東西対抗に出場。
87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者、ラグビージャーナリストとして活動。J SPORTSのラグビー解説は98年より継続中。1999年から2019年の6回のラグビーワールドカップでコメンテーターを務めた。著書に「仲間を信じて」(岩波ジュニア新書)、「空飛ぶウイング」(洋泉社)、「ハルのゆく道」(道友社)、「ラグビーが教えてくれること」、「ノーサイド 勝敗の先にあるもの」(あかね書房)などがある。

試合レポート 2008年07月06日

サモア戦結果

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
  • Line

パシフィックネーションズカップ(PNC)最終節の日本代表対サモア代表戦。必勝態勢で臨んだ日本代表は序盤に2トライを奪われたものの最後まで粘り強く戦い、残り数分までは31-32で食らいついた。だが、決勝トライを奪われ、最後の反撃も届かずに6点差で敗れた。味方同士の交錯で箕内キャプテンが右目を痛めて前半30分の時点で退場したのだが、片方の目を氷で冷やしながら戦況を見つめるキャプテンの表情が、この試合にかけた思いの強さを表していた気がする。

立ち上がりから前に出るディフェンスでサモアにプレッシャーをかけた日本だが、前半4分、サモアSOサポルの深い位置からのランニングで防御を破られ、FLシティティにトライを奪われると、直後に日本が攻め込んでミスしたボールをサモアに拾われ、連続トライを許す。サモアの選手達は手堅いキック戦法は使わず、ボールを持ってどんどん走り込んで試合の流れをつかんでいった。14点のリードを奪われても、そのまま崩れないのは現在の日本代表の成長だろう。安定したラインアウトから、モールを押し込んでトライを返すと、SOアレジのPGで追加点。前半終了間際には、CTBニコラスのオフロードパスをFBロビンスがインゴールに持ち込み、17-17に追いついて前半を終える。

後半5分、再三力強い突進を見せていたサモアPRテアにトライを奪われ、17-22。14分には、オフロードパスをつながれ、CTBトゥイランギにインゴールに飛び込まれて、17-29。ここから日本代表も反撃し、ゴール前のPKでスクラムを選択。24分、アレジのパスを受けたWTB小野澤が鋭角的なステップでタックラーをかわして、ゴール中央へ。小野澤、相変わらずの絶好調である。その後、サモアFBウィリアムスにPGを加えられたが、後半36分、モールからFL菊谷がトライ。アレジが難しいゴールも決めて31-32と1点差に迫った。終了間際にWTBロアマヌが右コーナーぎりぎりに飛び込むチャンスがあったが実らなかった。

ジョン・カーワンHCのコメント=「最初の20分の2トライ、相手に思うようにやらせてしまった部分、後半の最初のエンジンのかかりが遅かった部分、そこがきょうの試合の明暗を分けた。非常に残念な結果でしたが、我々はPNCの国々と競ったゲームができるようになりました。強化の方向性は間違っていないことが確信できたし、選手達は確実な成長を遂げてくれました。後は、厳しい状況での判断を誤らないこと。そういう細かい部分を成長させなければなりません。このチームはまだまだ若いチームで、これからもっとレベルアップしていける」

箕内拓郎キャプテンのコメント=「最初の20分の2トライが最後まで響いてしまった。それでもチーム一丸となって、最後まで勇気を持って戦ってくれた。確実に強くなっていることを実感できたトーナメントでした。本当にあと少しの差、この差を埋めるために、これらかも国内のリーグを頑張っていきたい」

相馬朋和選手のコメント=「非常に暑くて、タフなゲームでした。結果は残念でしたが、着実にPNCのチームと近づいていると思います。5試合すべてのゲームがほんの少しの部分が勝負の分かれ目になっている。どのチームとも対等に戦えたことは我々の力がついてきたということ。来年は全勝できるように頑張る」

アウェイで格上のサモアを倒すという千載一遇のチャンスだっただけに残念。相手は世界ランク上位であり、アウェイなのだから惜敗は不思議な結果ではないのだが、結局、昨年のPNCと同じ1勝に終わり、目標を達成できなかったことは選手達にとっても悔しいことだろう。着実に力は上がっているが結果が出ない。今は産みの苦しみなのか。日本人、外国人ということは抜きに、トップリーグで代表資格を持つ精鋭を揃えての日本代表強化だが、長い目で見て日本人選手の育成も熟慮しなければいけないことを痛感するPNCの結果だった。

◎PNC最終節結果
日本代表●31-37○サモア代表(前半17-17)

◎早稲田大学対フランス大学選抜結果
早稲田大学●0-27○フランス大学選抜 (前半0-20)

  • Line