ラグビー愛好日記

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このブログについて

プロフィール写真【村上晃一】
1965年京都市生まれ。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。
ラグビーの現役時代のポジションは、CTB(センター)、FB(フルバック)。1986年度西日本学生代表として東西対抗に出場。
87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者、ラグビージャーナリストとして活動。J SPORTSのラグビー解説は98年より継続中。1999年から2019年の6回のラグビーワールドカップでコメンテーターを務めた。著書に「仲間を信じて」(岩波ジュニア新書)、「空飛ぶウイング」(洋泉社)、「ハルのゆく道」(道友社)、「ラグビーが教えてくれること」、「ノーサイド 勝敗の先にあるもの」(あかね書房)などがある。

試合レポート 2005年12月24日

強気が大事

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
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23日は味の素スタジアムで解説だった。集合時間に余裕で間に合うつもりが、最寄り駅に行くと電車が止まっていた。踏切事故らしい。歩いたり、タクシーに乗ったり、いろんなことを試して、ようやくスタジアムにたどり着いたが、集合時間に30分遅れてしまった。三日連続解説の出だしは、ヨレヨレだったよ〜。

味の素スタジアムは様々な趣向が凝らされていたが、試合球を運んできたサンタクロースを引っ張っていたポニーには、ほのぼのさせてもらった。試合前に「馬車」と聞いていたから、でっかい馬が颯爽と走る姿を想像していたのに、ポニーかよっ! て思ったけど、あれはあれで可愛かった。

しかし、東芝は強い。サントリーは、サニックス、リコーとの試合を日本人だけのFWで戦ってきた。ニコラスとアラティニの両CTBを東芝にぶつけるための準備だった。元オーストラリア代表監督のエディ・ジョーンズ氏も来日し、ブレイクダウン(ボール争奪局面)の修正をし、WTBに負傷者が相次いだものの、東芝と戦えるチームになっているはずだった。実際、前半は拮抗した試合ができていたと思う。後半の立ち上がり、マクラウドにパスをインターセプトされたトライは痛かったなぁ。

試合全体を通してみると、東芝のディフェンスの強さが際立っていた。組織がしっかりしていることもあるけど、各選手の意識の高さは素晴らしい。倒れた選手がすぐに起きあがって次に備え、相手に数的優位を作られていても慌てて飛び出さずに人数が揃うのを待つ。ディフェンスが強く、ブレイクダウンで当たり勝てるから、東芝のプレーにはすべて余裕があった。陣地を稼ぐキックにしても、必要な時はSO日原が確実に出し、相手の陣形にスキを見つければ意識的にタッチに出さず、サントリーにとらせてプレッシャーをかけていく。万事、やることに落ち着きがあるのだ。逆にサントリーは、連続攻撃のたびにミスを犯し、カウンターアタックもうまくいかなかった。結局は、ボール保持能力に安定感がないから、攻撃選択がどこか弱気になってしまうのだと思う。前にも書いたが、やはりラグビーはポジティブにプレーできるチームが勝つ。強気が大事だ。そして、強気になるための裏付けが必要なのだ。

これで、東芝の勝ち点は「46」まで伸びた。三洋がヤマハに破れるか、引き分けた瞬間に優勝が決まる。三洋には奮起してもらいたいけど、ヤマハだって勝たなければトップ4に残ることができない。僕はJSPORTSで、三洋対ヤマハ(秩父宮)の試合を解説する。久しぶりに深緑郎さんと一緒の解説だ。両者の気持ちがぶつかり合う、いい試合を期待したい。


■試合結果
サントリーサンゴリアス● 6-37 ○東芝府中ブレイブルーパス

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