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ラグビー コラム 2023年3月30日

日本代表のラグビーワールドカップ初勝利を振り返って

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
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330日(木)は、Jsportsのスタジオで「あの熱狂を再び! ラグビーワールドカップ100選!」の収録をした。1987年大会から2019年大会までの好試合を選んで放送する企画だ。ほとんどの試合は過去の試合実況で放送されるが、Jsportsとして実況・解説を入れていない試合もある。今回は、1991年大会の日本代表対ジンバブエ代表戦に改めて実況・解説をつけた。

 

実況は矢野武さん、解説は僕と藤島大さんだ。藤島さんはこの試合を現地(北アイルランド・ベルファスト)で取材しており、矢野さんは当時役者さんとして活躍していた。僕はラグビーマガジンの編集長で、プール戦は編集部から森本優子さんに行ってもらっていた。僕はこの試合のあと、準々決勝から現地で取材している。

 

当時はまだラグビーがアマチュア時代。「プレーによる報酬を得てはならない」というアマチュア規定があった。選手はみんな職業を持っていてプロ選手はいなかった。日本代表は、平尾誠二さんがキャプテンとしてチームをリード。メンバーは神業パスで活躍したCTB朽木英次さん、のちに東芝を率いることになる薫田真広さん、伝説の両ロック林敏之さん、大八木淳史さん、世界を驚かせた快足WTB吉田義人さんら多士済々。SH堀越正巳、SO松尾勝博を軸にテンポの速いラグビーを披露する。

 

ベルファストの競技場レイブンヒルパークは牧歌的な雰囲気。最前列には小さな子供たちが陣取って盛り上がり、日本のスピーディーな攻撃に拍手を送る。矢野さん、藤島さんとは、今と1991年のラグビーを比較しながら話をさせてもらった。監督の宿沢さんが事前にジンバブエへ視察に行き、日本代表Bを編成してジンバブエに遠征するなど、アマチュア時代とはいえ、準備は周到だった。日本代表のRWC初勝利は必見だ。

 

試合はミスも多いが面白い。まだトライが4点の時代で、いろんなルールが今と違っている。ラインアウトのジャンパーは自力で跳び、PKからのタッチキックがマイボールにならないので、PKからタッチ、ラインアウトモールというパターンもない。スクラムのオフサイドラインは最後尾の線(最後尾から5m)。交代選手は負傷者が出たときのみ。ラグビーのルールは選手や観客が楽しむために修正を繰り返しているが、戻してもいいルールがある気がした。考えさせられる時間でもあった。これ、最近ラグビーを好きになった人にも見てもらいたい。楽しいと思う。

 

放送は、41日(土)、午後1045分より、Jsports1にて。ぜひ、ご覧ください。

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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