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NTTジャパンラグビーリーグワン2022は、今週末、第13節を迎える。優勝争い、順位争いは佳境を迎えるが、4月14日、入替戦のフォーマットの発表があった。当初は、ディビジョン1(D1)の下位3チーム、D2の上位3チーム、そして、D2の下位3チームとD3の上位3チームがたすきがかけに戦うことが決まっていた。
しかし、NTTグループのチーム再編でNTTドコモレッドハリケーンズ大阪が再審査を受けて下部リーグからの再スタートが決定。宗像サニックスブルースも今季限りの活動休止を発表した。ブルースはチームの譲渡先を探したが現時点で見つかっておらず、入替戦には出場しない。2チームが入替戦に出ないことで、方式を変更することになったわけだ。
簡単に書くと、レッドハリケーンズ大阪を除くD1の下位2チームが入替戦に出場し、D2の1位は自動昇格。2位、3位が入替戦に出場。D3は、宗像サニックスブルースを除いて、最上位がD2に自動昇格。2位がD2の6位チームとの入替戦に出場する。来季は新規参入可能なチームはなく、D1=12チーム、D2=6チーム、D3=5チームとなる。※今後、ブルースの譲渡先が見つかった場合は、D3が6チームの可能性もあり。
NTTグループの再編について、今一度整理しておきたい。NTTグループのシンボルチームは新事業会社を作って運営される。新事業運営会社は既存チーム(シャイニングアークス東京ベイ浦安)を引き継ぐ、リーグワンの会員となる。つまり、NTTコミュニケーションズという会社が所有するチームは無くなり、トップを目指す新しいチームがリーグワンに生まれる。そして、NTTドコモが保有する会社のチームは社員を中心とした編成となり、下部リーグから再出発する。
したがって、レッドハリケーンズ大阪がやってきた社会貢献、地域貢献はそのまま引き継がれ、自治体や大学との連携協定もそのまま継続される。NTTグループとしては前向きな再編だが、選手やスタッフは自らの行き先が決まるまでは不安な日々だろう。それでも彼らは最後まで懸命に戦おうとしている。自分がなんのためにラグビーをしているのか、なんのために戦っているのか、考え続けているのかもしれない。
今週末(4月16日)、レッドハリケーンズ大阪は、ヨドコウ桜スタジアムで、トヨタヴェルブリッツと戦う。ナイターということで、スタジアム外では縁日のような演出が行われ、スタジアムの中では光の演出もあるという。世界屈指の名将の一人であるヨハン・アッカーマンヘッドコーチは、未来を考えて不安になるのではなく、いまこの瞬間を大事にしようと話しているそうだ。「いまある環境は当たり前ではない。感謝すべきだ。誰にいつ、どんなインスパイアをしたいのか、毎朝、考えよう。一人でもお客さんが来てくれるなら、その人のために戦い、感動、勇気を与えよう」。現体制のレッドハリケーンズ大阪の戦いは、あと4試合だ。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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