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7月19日、「NECスポーツビジネスの改革について オンラインメディア説明会」が行われた。NECは、バレーボールのレッドロケッツと、ラグビーのグリーンロケッツ東葛(とうかつ)というチームを持つ。今回、ラグビーが新リーグに移行するのにともない、NECロケッツビジネスの3本柱として、「チーム強化」、「地域コミュニティー活性化」、「収益性の向上」に取り組む。
NECスポーツビジネス推進本部本部長に就任したのは、梶原健氏。梶原氏はプロバスケットボールチーム「千葉ジェッツふなばし」の創設者であり、Jリーグのアビスパ福岡の経営にも参画した実績を持つ。梶原氏が発表したNECロケッツのスローガンは、「Always above!」(常に上昇せよ!)。ファンクラブについてもリニューアルし、「ファンというよりも、一緒に飛び立つクルーとして参加していただきたい」と話した。試合ごとに異なるチケットの販売や、グッズ拡充の販売強化など、ビジネスとして収益の最大化を図る。
報道陣から梶原氏に自身の経験がラグビーに生きる部分と、ラグビーだから取り組むべき部分という質問があったときには、こんな趣旨のコメントがあった。「サッカー、バスケットボールとも強いチームには共通のポイントがあります。理念、ビジョン、行動規範、チームとしてどういう思いで、どういう活動をしていくのかということに、フロントスタッフからコーチ、選手まで同じ認識を持っていることです。そういうチームを作っていきたい。今後取り組まなければいけないことについては、ラグビーは事業化が難しい分野。抱えている選手の数が多く、コストが高く、かつ試合数が少ない。利益を生むきっかけが少ないということです。試合に依存しない形で、365日、どうやって収益をあげていくか。NECのテクノロジーを活用して作り上げていきたい。これが新しいチャレンジになります」。
試合のない日をどう収益に結びつけていくかは、リーグONEに参加するチームすべての課題でもあるし、ファンにとっては、各チームがどんな企画を生み出すのか興味のあるところだろう。
「NECグリーンロケッツ東葛」の新体制も発表になり、ディレクター・オブ・ラグビーに就任したマイケル・チェイカ氏(前オーストラリア代表ヘッドコーチ)が新加入のコーチや選手を発表した。その中には、釜石シーウェイブスでもプレーした元オーストラリア代表FLスコット・ファーディーの名前もあった。コーチとして、ディフェンス、ラインアウト、モールを担当する。新加入選手も、ティム・ベネット、レメキ・ロマノ・ラヴァ、児玉健太郎という日本代表キャップ保持者ら強化の本気度がうかがえる。
チームのスローガンは「ATTACK EVERY CHALLENGE」。チェイカDORは「すべてのチャレンジに立ち向かって乗り越えていきたい。チームとしての文化を作り上げ、ファンの皆さんも居心地の良いチームを作りたいと思います」と話した。会社の歴史を学んで、40分にも及ぶプレゼンテーション映像を選手に見せ、チーム作りの方向性を話したという。日本の教育制度などを学び、日本人がいかに学んできたかをコーチングの方法にも取り入れようとしているようだ。
「東葛」という全国的には耳なじみの少ないエリアをチーム名にしたことについては、熟慮の末、東葛エリア(松戸市、野田氏、柏市、流山市、我孫子市、鎌ヶ谷市)をブランディングし、この6市を核にしてチーム経営を行うという方針が定まったようだ。また、梶原本部市長は「東葛地区の形をじっと見ていただけると、ロケットの形に見えてくると思います」と付け加えた。「東葛エリアをロケットに見立ててと飛び立つというイメージもあります」。
一時は強化が停滞しているように見えたグリーンロケッツだが、ここ2年は準備期間だったようだ。ジュニア層の育成にも着手し、9月からアカデミーをスタートさせることも決まった。動き始めたグリーンロケッツ東葛、まずは、試合のない時期、どのように選手とファンの接点を作っていくのか注目したい。
〈2021 年度 新加入選手〉このほか、8名の加入選手が今後発表になる予定。
PR上田聖(前・キヤノンイーグルス)、PR石田楽人(前・クボタスピアーズ)、SH藤井達哉(前・宗像サニックスブルース)、CTBティム・ベネット(前・宗像サニックスブルース )、WTBレメキ・ロマノ・ラヴァ(前・宗像サニックスブルース)、WTB/FB児玉健太郎(前・神戸製鋼コベルコスティーラーズ)
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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