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海外からスター選手が多数来日し、2021年1月開幕のトップリーグに期待感が高まるばかりだが、トップリーグ終了後は日本代表の活動期間になる。今年はコロナ禍で国際試合は中止になったが、来年の6月、7月には数試合のテストマッチ(国代表同士の試合)が行われる見込みだ。さて、どんなマッチメークかと楽しみにしていたら、10月21日、日本ラグビー協会から、2021年6月26日、スコットランドでブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ(英国・アイルランド共和国代表)と試合をすることが明らかになった。春にもこの話題はあったが、本決まりである。
長らくラグビーを見てきた人にとっては、隔世の感を禁じ得ないニュースだろう。僕もその一人で、日本代表がライオンズと戦うことは数年前なら信じられなかった。1888年からの歴史を持つブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズは、ホームユニオンと呼ばれるイングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドの4協会から優秀な選手を集め、4年に一度編成されるのが慣例の選抜チームだ。原則として遠征先は互角の戦いができる伝統国オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカに限られ、ライオンズに選出されることは4協会の選手たちにとっては至上の名誉だ。
2021年は南アフリカ遠征が予定されており、7月3日のストーマーズ戦から8試合が予定されている。ラグビーワールドカップ2019で優勝した南アフリカ代表スプリングボクスとは3試合が行われる(最終戦は8月7日)。日本代表はライオンズが遠征前に戦うチームに選ばれたわけだ。日本代表がライオンズと対戦するのは初めて。ライオンズと対戦する機会は簡単には得られない。対戦することも世界のラグビー選手にとって生涯誇ることのできる経験だ。スコットランドのエディンバラにあるマレーフィールドは、6万7000人収容のスタジアムでCOVID-19の制限がなければ満員は間違いない。
ライオンズがホームでテストマッチを開催するのは、1986年の世界選抜戦と2005年のアルゼンチン代表戦しかなく、今回が歴史上3度目となる。ライオンズとの対戦が決まったことは、トップリーグのレベルアップにもつながるだろう。誰もが日本代表入りを目指して、全力で戦うはずだからだ。楽しみ倍増である。
試合日程: 2021年6月26日(土)
日本代表 対 ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ
会場:BT Murrayfield (スコットランド・エディンバラ)
※キックオフ時間は決定次第発表。
※チケットは2020年11月3日(火)からブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズのウェブサイトより先行販売予定。(登録URL: lionsrugby.com/Vodafone-1888-Cup)
※ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズの写真をこちらからダウンロードいただけます(使用時クレジット表記不要)。
◎ベン・カルヴァリー ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ 最高経営責任者コメント
「ライオンズのテストマッチは世界のスポーツ界で最も象徴的なイベントの 1 つですが、ホーム・ネーションズ(※)の大勢のファンにとって試合を生で観戦する機会がありません。この試合は、より多くのサポーターにライオンズの歴史の新たな章に参加する機会を与えてくれます。見る者を楽しませ、高い評価を得ている相手との一戦は、『あの時、私はそこにいた』と後に思える瞬間となることでしょう」
(※)イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランド(英国領北アイルランドおよびアイルランド共和国)
◎ウォーレン・ガットランド ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ ヘッドコーチコメント
「日本はワールドカップで素晴らしいラグビーを見せてくれました。マレーフィールドにも、勝つつもりの高いモチベーションを持ってやって来てくれることでしょう。日本はハイテンポなラグビーをする有能なチームです。南アフリカへの遠征前に良いチャレンジになりますし、試合出場選手にとっては、その後のテストマッチメンバー選考へのアピールの機会となるでしょう」
◎森重隆 公益財団法人日本ラグビーフットボール協会 会長コメント
「格式高いブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズと日本代表が対戦できますことを、大変光栄に存じます。実現いただいた関係者の皆様のご理解とご協力に、心より感謝申し上げます。ラグビー発祥のユニオンを代表する一流選手によって結成されるブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズとブレイブブロッサムズの世紀の一戦を、世界中のラグビーファンの皆様にお楽しみ頂けましたら幸いです」
◎ジェイミー・ジョセフ 日本代表ヘッドコーチコメント
「いつも日本代表へたくさんの応援をいただき、誠にありがとうございます。来年、ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズとの対戦に臨めますことを、非常に楽しみにしております。日本代表選手にとってはまさに一生に一度の機会であり、私自身も待ちきれません。引き続き皆さまの温かいサポートを賜りたくお願い申し上げます」
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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