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ここ数カ月、日記の文体について悩んでいた。結論は、日記なのだから、その日の気分で。ということで、きょうは、サンウルブズについて。
南半球最高峰のプロリーグ「スーパーラグビー2020」が2020年1月31日に開幕する。日本の「ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ」は参加5年目にしてこれが最後のシーズンだ。11月26日、第一次スコッド15名が発表された。メンバー表を見てすぐに目に飛び込んできたのは早稲田大学4年のSH齋藤直人の名前だ。そして、天理大学3年のCTBシオサイア・フィフィタも。ともにジュニア・ジャパンを経験し、将来、日本代表の中心選手として期待されている。2人の参加が決まったのは歓迎すべきところで、こうした選手がもっと増えるべきだろう。
2020年の国内シーズンはラグビーワールドカップ(RWC)日本開催の影響で、トップリーグが1月~5月にずれ込み(例年は8月~1月)、スーパーラグビーと完全にシーズンが重なった。これ自体に無理があるのだが、この日程が決まった時点で、サンウルブズに日本代表選手が参加するのが難しいのは自明の理。今回は第一次スコッドなので各チームとの調整で今後の参加もあり得るが、1月~5月、シーズンを通してサンウルブズでプレーできる日本代表選手は少ないだろう。
RWCの盛り上がりで日本代表選手に人気が集まり、トップリーグの開催されるスタジアムは大いに賑わうはずだ。選手たちに報酬を支払い、生活を支えているのはトップリーグであり、選手たちが次は所属チームのために力を尽くしたいと思うのも当然。しかし、今後もラグビー人気を継続させるためには、日本代表は期待に応えられるチームとして存在しなくてはいけない。日本代表強化は日本ラグビーの最重要課題だ。2020年7月にはイングランド代表が来日する。ここで惨敗すればラグビー人気には陰りが出る。時期を限定するなどしても、RWC2019で活躍した中心選手に加えて新たな人材に世界のトップレベルの経験を積ませるため、サンウルブズへの参加は不可欠だ。
ただし、スーパーラグビーで良い経験を積むためには、サンウルブズ自体が強くなくてはいけない。強豪クラブと僅差勝負を繰り広げる中でプレーしてこそ経験値は高まる。経験の浅い選手が多くなり、選手が頻繁に入れ替われば僅差勝負すら難しい。軸になる選手を固めながら、日本代表強化につながる選手起用をする。なんとも難しいチーム作りがコーチ陣には課せられるわけだ。
指揮を執るのは大久保直弥ヘッドコーチ。コーチングコーディネーターとして前サントリーサンゴリアス監督の沢木敬介氏、スクラムコーチとしてヤマハ発動機ジュビロで指導してきた田村義和氏が加わる。日本人コーチがスーパーラグビーを経験するのも日本ラグビーの未来にとっては重要なことだが、難しいシーズンをどう乗り切るか。その手腕にも注目したい。
今季の軸になりそうな選手では、イングランド代表18キャップのCTBベン・テオ、オーストラリア代表2キャップのNO8ジェイク・シャッツらがいる。昨季までプレーしていたジョージア代表HOジャバ・ブレグバゼ、LOトム・ロウもスコッド入り。今後、どこまで日本代表選手、候補選手を入れることができるのかが観客席の盛り上がりに直結する。日本ラグビーの未来を見据えて関係者が知恵を絞り、有意義なシーズンを送ってもらいたい。サンウルブズの初戦は、2月1日、福岡県のレベルファイブスタジアムでレベルズ(オーストラリア)と戦うことになっている。
https://sunwolves.or.jp/information/article/6914/
追記◎幻冬舎の雑誌ゲーテの表紙は松島幸太朗選手。本物のモデルのよう。僕はインタビュー記事を担当しています。誌面にもかっこいい写真があるので、ぜひご覧ください。

村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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